1.はるかりまあこ『TERMINAL』MVの見所
今年2021年様々なアーティストが様々な形でミュージックビデオを発表しているが、その中でも特に目を引いたというか、最も気に入ってると言っても差し支えないのがこちら「はるかりまあこ」の『TERMINAL』のMVである。ちょっとこれが何度も何度も繰り返し観るに値するくらい味わい深くてとてもカッコ良い映画作品のような作りになっているのだ。*1
これは言わずと知れた、出演アーティストはHALLCA、仮谷せいら、そしてAmamiyaMaako と言うそれぞれ独立して十分に人気を博すソロアーティスト達が一堂に会したような、言わば「ジャスティス・リーグ」或いは「アベンジャーズ」的なユニット 「はるかりまあこ」がこの3月に新たにリリースしたEP「TERMINAL」のリード曲のMVである。彼女らの結成の経緯などに関しては以下の記事がとてもわかりやすいので参照されたい。
で、MVに話を戻そう。本MVの見所はもうたくさんあるんだけど、特に曲のタイトル出現の瞬間のタイミングのカタルシスが半端なく鳥肌ものであるということ。映像作品全般、それはミュージックヴィデオでも映画でもなんでもいいんだけど、通常タイトルとは冒頭から出現するものが多いけど、ここでは曲のトータルタイム4:32の中でちょうど中間地点の2:00辺りでタイトルが出現するのだ。これって珍しい部類に入ると思うのだけれど、でもこれしかあり得ないという絶妙な感じがあるのだ。そのタイトルが出現する瞬間に出演者たちがいるこのbus terminalからまた新たに幕が上がり。物語が始まるような錯覚を覚える。
それから間もなくこのバスに乗っている紳士と貴婦人の格好をした男女二人はダンスしながらも、タイムリープを繰り返すかのように何度も何度も同じようにバスの中で女が落とした時計を男が拾って...みたいな運命の出会いを繰り返すのだが、こういうrecursive(回帰的)な流れって個人的にはどこか演劇キャラメルボックスの人気演目である『クロノス』の展開を彷彿とさせるのだ。あとSNSでも配信でのやり取り見ててもこの3人共々元々同じグループにいたんじゃないか(いやむしろ他のアイドルやユニットなど事務所などに決められて長年同じグループにいる人達よりも仲がいいんじゃないか)ってくらい非常に仲が良い印象があるのだが、それはメイキングや日頃の配信等でも見ても自明である。しかしながら、本動画ではそう言った側面では垣間見られず、敢えてはるかりまあこの3人は男女の出会いを巡るストーリーテラーに徹して、クールに歌ってる様にギャップ萌えを感じる。そのギャップがそれがまたこのMVを引き締める効果があってカッコ良さが増すのだろう。
.....で、キャラメルボックスの話題で思い出したんだけど、この3人とは別にこの運命の出会いを果たす男女のうちの女性ダンサーというか、肩書き的に「舞踏家」の方でカナキティ(Kana Kitty)さんという方がいて、何となく普通に1930年辺りかそれ以降の欧米諸国を思わせる貴婦人のドレスを着てて踊ってるんだけど、どこか並々ならぬオーラを感じていたものだ。そう思って調べてみたら物凄い前衛的なダンス・パフォーマンスをする方なので非常に驚いた。ということで彼女が今現在公開しているYoutubeチャンネルで最も新しい動画作品を紹介しておこう。*2
『或る聖域』とタイトルが打たれたこのイメージMVにおいて、本人が演じているであろう通勤電車に通うOLの日常の光景から、帰宅して何かに覚醒して非日常的な、アヴァンギャルドでありつつも凶器性をも併せ持ち、しかも美しくもある、もうその全てが混在しているカオスティックな姿へとトランスフォームしていくその瞬間にまず戦慄した。そして衝撃の結末にも驚いた。そう、やはりこの人から滲み出る「只者じゃない感」は本物だったと思った。ちなみに、先ほどキャラメルボックス『クロノス』の話が出たが『TERMINAL』がリリースされた当初ぐらいに感想ツイートした時に以下のリプライを頂いてるのだ。
「キャラメルボックスを出して頂けるなんて光栄」
....という彼女からのリプライはあの一見先ほどの『或る聖域』に見られるようなアバンギャルドな表現方と違う印象を受けたので、個人的には驚いた、....と同時に、でもよくよく考えれば納得できる面もあったのも事実。
何せ、キャラメルボックス的要素がバリバリに含まれてる『TERMINAL』にしても、その真逆をいくようなアバンギャルド指向の強い『或る聖域』にしても、どこかエンターテイメンナーとしてその役柄に「徹する潔さ」に満ちている気がするから。キャラメルボックスの演劇を見ていくときに、役者達はどこか個人のパーソナリティを生かしつつも「舞台にて与えられし役柄」に徹するストイックさをも感じることがあってそこがカッコいいのだけれど、そういう点とカナキティさんの姿勢とどことなく合い通ずるものを感じていたからだ。
まあこのリプライではその辺りキャラメルが彼女のルーツとしてあるのかは定かではないけれどもその辺りの真偽に関して非常に興味深い所だ。
と言うわけで本記事ではこの奇跡のユニット、はるかりまあこ(HALLCA 、仮谷せいら、AmamiyaMaako)のMVからLIVEから楽曲まで色々と分析して見たいと思っている。
本記事の構成は以下の通り。
Table of Contents
2.はるかりまあこ festival 2days!
Day1;リリースイベント@HMV心斎橋
Day2; 北堀江club vijon ”JaccaPoP 12ANNIVERSARY”
Appendix1〜仮谷せいら's works
Appendix2〜HALLCA's solo performance💎
3. AmamiyaMaako@大阪南堀江knave
4. はるかりまあこに見るSSWとしての新たなスタイル
2.はるかりまあこfestival 2days!
まさにフェス(笑)、8/28-8/29は正に1日目はHMV&Books心斎橋においてアルバム『TERMINAL』リリースイベント、2日目は北堀江 clubvijonでの「JaccaPoP12周年記念ライブin大阪」でのライブというこの二日連続でもはや私的には7月の吉田彩花フェスと同様に私にとっては「はるかりまあこフェス」の様相を示していた。Day1, Day2そしてメンバー個々の楽曲をappendixとして順を追ってレポしていきたい。
Day1;リリースイベント@HMV&BOOKS心斎橋
まずは初日のHMV心斎橋でのリリイベに関してレポートしていきたい。個人的には過去に、彼女らが3人でイベントとして対バンになっているライブは見たことはあっても、こうして3人揃って「一つのユニット」としてパフォーマンスするのを見るのは初めてだったのでとても新鮮だった。*3
セトリは以下のようなものである。
はるかりまあこ HMV心斎橋リリイベ・セットリスト
❶TERMINAL
❷熱帯のシトロナード
❸One Day Traveller
❹キミにギフト
❺Glitter
以前の代官山ループ最後のライブだったかの動画配信で見たのだが、3人とも感傷的になりボロボロ泣く場面もありつつの感傷的なライブだったのだが、一曲目の『TERMINAL』の途中で仮谷せいらさんが「はるかりまあこ のライブ始まるよ〜!!!」で始まるのだが、アンコールラストで「はるかりまあこのライブ、終わっちゃいまーす!!!」と締め括るせいらさんのキャラクターのなせる技に感心していたのだが、❶のパフォーマンス中で、そのパフォーマンスを目前で見れたという意味で思わず感動し、かつ笑ってしまったし。で、❷の曲の最後は音源を聴いた人ならわかるが、多分3人で買い物かどっかに行ってるらしいシチュエーションだろう、HALLCAさんの「これいいんじゃない〜😊」という音声がフェイドアウトかってくらい小さく聞こえるのだけれどこの日はめちゃくちゃハッキリと「心斎橋、めっちゃいいんちゃうん😊」とアレンジして締めくくったのはもはや衝撃だった。何せ、あの聞こえるか聞こえんかレベルの声をガッチリアレンジするなんてなんと芸が細かいんだと。
このバランスこそがはるかりまあこのはるかりまあこたる所以なんだろう。
それにしても、シティポップ、ヒップホップ、ダンサブルポップスという各々の得意技が拮抗することなく、寧ろそれぞれが緻密な歯車となり、一つのVehicleを形成して前進していくような楽曲群とパフォーマンスがそこにあった。
さらに個人的にあのアルバムの中で一番好きな❹であるが、この3人のボーカルやコーラスなどが拮抗せずにメロディーラインが美しく交差する音像をこうして生で聞くのも勿論初めてなので、クールに歌い上げるイメージのある音源以上に、生で聴くとよりエモーショナル度が高く感じる、てか単純に言えば楽しそう。あのマイケル・ジャクソンのいた兄弟ユニット「Jackson5」じゃないがこの3人実は姉妹なんじゃないかってくらい相性が良い。
てか行く末考えたらジャクソン兄弟よりは仲がいいじゃんねというリアルな話は置いといてと(笑)
その後、サイン会にて3人と直接話す機会があったんだけど、皆さん2年ぶり以上以来なのに結構はるかりまあこにしろ単体にしても彼女らの活動は追ってきてるので、ライブこそ参加できなかったものの、twitterでのネノメタルというアカウント名を覚えててくれてたのがなかなかにして嬉しかったな。*4
Day2; 北堀江club vijon ”JaccaPoP 12ANNIVERSARY ”
二日目は初めて彼女ら3人のライブを観た思い出深い長堀江vijonという所でのJaccaPoPという兵庫県出身のMIRUとSUNからなるエレポップユニットが結成12周年を迎えたということでの記念イベント。このイベント1部と2部とがあったが2部のみ参加したが、2部では3人では
かりや→まあこ→はるか
の順に個々のソロワークをパフォームし「はるかりまあこ」で〆る展開だった。
そう考えると、まるで『アイアンマン』だ、『超人ハルク』だ、『ブラック・ウィドウ』だ、個々のアメコミヒーローが集合したアベンジャーズのような豪華さってかお得感があったと思わせるタイムテーブル構成。中でも 仮谷せいら、AmamiyaMaakoいずれも今回ここで初披露となる新曲を披露したが、いずれもラップあり〜、ポップなメロディありのかなりアッパーなチューンだった。もっと言えば直感的なんだけど彼女らの新曲『one day traveller』とどこか共通する感じがして、やはり本ユニットでの活動の影響もデカいのかなと思ったりした。*5
ちなみにタイトルは仮谷さんの方は「何でもない」と言う言葉がサビで繰り返されててそう言うタイトルかと思って後で物販でその旨尋ねたがまだ未定のようだった。
また、この日のMaakoさんの新曲を演奏している途中で、CDなのだろうか、pcに予めセットしておいたバックトラックの音がバチバチとハウリングのようなものを起こし一時期中断を余儀なくされたのだ。でもそれが逆に妙なフロアとの一体感を生み結果的にめちゃくちゃ盛り上がったのが印象的だった。いや、ライブって時にこういうトラブルが妙に盛り上がることがあるものだというのも、演者側にとってはたまったもんじゃないだろうけど(笑)
はるかりまあこ JaccaPoP 12ANNIVERSARY・セットリスト
❶Glitter
❷One day traveler
❸熱帯のシトロナード
❹TERMINAL
この4曲を聴いてまぁ昨日のリリイベの時も思ったんだけど、最高のLIVEとは良質なポップスがあってそれを楽しむアティテュードさえあればokなのではないだろうかと素直に思えたライブだったと思うし、仮谷せいらの振り切ったポップネスとHallcaの穏やかなメロウネスという対照的な二要素に一筋の血管を通すのは、AmamiyaMaakoのクールなバックトラックである。この3人が織りなす個性が浮き立ちながらも拮抗しあうことのないケミストリーが心地よい。3人の出逢いは奇跡ではなく必然だとすら思えるほどだ。
しかも❸の最後でもまたしても、HALLCAさんは「JaccaPoP 12周年めっちゃいいんちゃう?」と昨日に引き続きあのフェイドアウトの言葉をアレンジする、とはまぁ恐れいった。
以下、仮谷せいら、HALLCA各氏の楽曲レベルにおける個人的に印象に残った点を紹介していきたい。
Appendix1〜仮谷せいら's works
個人的に洋邦問わずどちらかと言えばオルタナティブ傾向のあるダーク&ヘビーなロックを好んで聴いてきたせいか、仮谷せいらさんのど直球だけどほんのり切なさも残るこういうダンサブルなポップスが新鮮で仕方ない、というか昔でいえばあの元スパイラルライフの石田ショーキチが10年ほど活動していた、Scudelia Electroのエレクトロ・ポップスモードにも共通するような誰にでも刺さる普遍的な音楽だと思っている。*6
その最新のダンスミュージックながらもレトロを呼ぶ意味でも、やはり長年の音楽ライフやライブの常連であるサニーデイ・サービスの曽我部恵一氏とのコラボレーションしてるのもよく分かる気がする。というのも、これは以前仮谷さんのTwitterアカウントで発見したものだけれど子供にゲームのマナーに関して童謡的にならず割とラップ込みのヒップホップ&ポップスが組み合わさった『ゲームのやくそく』という良曲だがこれを二人でデュエットしているのだ。この曲が素晴らしいのは単に子供向けの曲というよりもどこかネット社会に埋もれる大人社会にも相通ずる歌詞とも取れてなかなかに痛快な風刺曲だ。
更にもう一曲どうしてもこの記事にて紹介したい曲がある。ちなみにこの日のライブでは披露されなかったが、これまで大阪、名古屋と過去2回ライブで聴いてきてハイライトとして盛り上がる『What a day!』が破格値に素晴らしいのだ。この、ポジティブだけどどこか切なさも混じるこの感じがとても気に入りまくってこれはもう名曲だと一聴して思った。確かにサウンドとか時代とか様々なものがある種対極にあるんだけれど、ABBAの音源に触れてた時にも近いダンサブルなのにどこかセンチメンタリズムを呼ぶ感じが似ていると思う。あと歌詞がメロディーにヒップホップのように心地よく乗って展開していく様も心地よい。本曲の良さはあげればキリがないが、最初の大阪での物販でご本人に興奮気味に「プチョヘンザみたいな感じの曲が入ってるのどれですか?」と聞いた記憶がございます...笑*7
Appendix2〜HALLCA's solo performance💎
この中で、HALLCA ソロパフォーマンスの件だけど彼女は動画撮影アップをOKにしてる人なので、別枠として2曲ほど撮っているのでここで紹介しよう。イベントは全体的に間髪入れず出演者がパフォーマンスするスタイルで全体的にアッパーに畳み掛けるセトリ構成が大半だった。その中でもHALLCAのソロはダンスミュージックを軸に自然に客のclapを誘導するスタイルで余裕を感じさせるパフォーマンスだったと思う。
彼女が前在籍していたEspeciaというグルーブ時代の曲は正直あまり存じ上げないのだが、今現在リリースされている『Villa』と言うフルアルバムは本当に素晴らしいもので今でも思い出したように聞いてたりする。ダンスミュージックだけどメロウなニュアンスの曲もあったりホントジックリ聴けるアルバムである。割と気づいたことだがそのアルバムって10インチのレコード位のサイズがあってCDの割には少しでかいのだ。そして以前彼女はクラウドファンディングでレコードをリリースしていたりとかもするしそう言う指向性のある人なんだろう。
先の曽我部恵一さんにしてもそうだが、個人的にレコードをリリースするミュージシャンにハズレはないと思っているので今後ともそういうアイテムのリリースのオプションは大いに楽しみである。
にしても最近「この曲はシティポップスっぽい(orぽくない)」と定義する傾向があるが正直その基準は私には分からないし、世間的にも曖昧なんじゃないかと思ったりする。
だが『コンプレックス・シティー』をかけ「こんな感じの洗練されたポップス」と言い換えるとスッと理解が及ぶのは私だけだろうか。そして彼女のソロワークに関しては今回残念ながら披露されなかったんだけど『Pink Medicine』がずば抜けてカッコ良いので詳細に触れたい。まずは以下4つの側面で完璧なのだ。
❶イントロ
❷中間のグリッサンド奏法
❸最後の盛り上がりのコーラスとファルセットとの絶妙な組み合わせ
❹エンディング
これら❶〜❹までまるで精密な機械に舌を巻くような全てにおいて完璧な曲だと思う。たとえよく効くmedicineとして処方されても結局は消費され尽くして溜息と化してしまう哀しい人間の性(さが)をスリリングなコーラスアレンジで畳みかけていくこの感じはシティ・ポップというよりそういう枠組みを超えた曲として最高にスタンダードな一曲だと思う。
更にここまでくれば、Hallca&AmamiyaMaako名義でのsg『Floating Trip』というシングルもリリースしていることも付加したい。リリース時の春は勿論、夏の到来を予感させるこの頃でも、タイトル通り季節を超えてトリップできるシティポップスの進化系となっている。
3. AmamiyaMaako@大阪南堀江knave
そしてそして10日ぶりの短いインターバルでの大阪南堀江knaveでの4マンのライブである。
おはようございます🦦
— AmamiyaMaako (@AmamiyaMaako) 2021年9月8日
今日は大阪南堀江knaveでライブです!
OP17:45/ST18:15
前売¥2300/当日¥2800(D代別)
予約https://t.co/9HSSwp9YzP
私は19:35頃出演します🥰
配信もあるそうです!
朝起きてシウマイ弁当食べると固く決意し朝ごはん抜いて来た🍱 pic.twitter.com/4W1V4tjzjs
さて、朝ごはんを抜いてまでに臨んだあのシウマイがどうだったのか、その効果はあったのかは別として当日の気になるライブのセットリストである。
AmamiyaMaako@大阪南堀江knave『Cosmic Surfin' vol.02』
❶LUCKY パラダイム
❷Cruising Baby
❸僕らのさみしい歌
❹キミにギフト
❺City Magic
大阪ライブありがとうございました✨
— AmamiyaMaako (@AmamiyaMaako) 2021年9月9日
テンションあまってシールドぶっこ抜いてしまいましたが、ハプニングがあるとちょっと嬉しそうにしてるの知ってます🤲笑
明日は代々木LODGEでライブです!
私の出演は19:15からなのでお仕事帰り間に合う方はぜひ☺️
予約↓https://t.co/8K84At9VSR pic.twitter.com/9VmevLU25J
本当に素晴らしい神セトリライブだったと思う。確かに❶にて本人も触れているようにあのグリーンのギターシールドをぶっこぬいてしまったのはご愛嬌として(いや、またまたこれも前回の新曲の時のハプニング同様盛り上がりに転じたんだけど)❷の曲調と二人編成だったこともあってどことなくもたらされる安定感が半端なかったし、❸❹❺はAmamiyaMaako印のエモ曲3連打という流れでもう完璧だった。というかこの3曲が演奏される15~17分だかは宇宙にぶっ飛ばされる感覚に見舞われた。特に個人的なフェイバリットソングである❸の『僕らのさみしい歌』に注目しよう。本曲は、The Police『見つめていたい』やBennie K『モノクローム』に匹敵する超名曲『僕らのさみしい歌』があのグリーンのギターと共に奏でられる姿をどまん前で聴けただけでも大OK。しかも10/9~10/10に開催されるミナミホイールという大阪は心斎橋界隈で行われるサーキットフェス(略称:ミナホ)にて、半日の10/9に彼女は出演することになってて更にドラムを加えた3ピース編成でのバンド演奏だというからもう来月が既に楽しみである。
10/9(土)ミナホ出演決まりました☺️
— AmamiyaMaako (@AmamiyaMaako) 2021年9月7日
とっても楽しみ☺️
遊びに来てくれたら嬉しいです☺️!https://t.co/Q61WyfRagk#ミナホ#FM802 https://t.co/DyUWvoZPsy
それで、ミナホと言えば実はAmamiyaさんとの最初の出会いが2年前のミナホだったんだけど、もう彼女の楽曲を聴き始めたその当時からずっと思ってたんだけどは2年前のAmamiyaMaakoさんのLIVEをミナホで初めて観て『僕らのさみしい歌』を聴く度に、2000年初期辺りに一斉を風靡した二人組ヒップホップユニットであるBennie Kのバラードヒット曲『モノクローム』とどこかしら歌詞的にも音的にもシンクロニシティーを感じてて、今日それを伝えたらbassの石岡塁さんが「‘モノクローム’で実はベース弾いたんです。」と聞いてこの偶然に鳥肌レベルで本当に驚いたのだ。いやぁ自分の感性とは何て正しくてディープなんだろうというこの冗談は置いといてこの二曲を比較してみよう。
最後に冒頭で触れた『TERMINAL』のようにまるで一本の映画を観ているような構成もお見事な『Tiny Actor』のMVを紹介しておこう。本曲はまだどのアルバムにも収録されておらず個人的にはYoutubeライブでしか聴いたことがないのだが、ストーリーに触れると『City Magic』におけるMVと同様に「何かに気付き街を闊歩する」女の子が登場する。だが、本曲でのモチベーションはもっとシリアスで、かけがえ無き日常に潜むマジックを自ら取り戻していくリアリティがあるのが特徴だと思う。またこれもタイトルの出るタイミングが絶妙である。*10
4. はるかりまあこに見るSSWとしての新たなスタイル
本記事にて、何度も触れているように彼女らの音楽に会ったのは2年前の10月あたりからである。それから2年たっても今もなおこうして音源などを聴き続け、ライブに通い、新たにリリースされた音源を買いなどしている、という事実から考えてみると、これはひとえに彼女らの絶え間ない努力によるところが大きいであるということがわかる。
つまりこのコロナ禍において最も重要な事は「常に配信などを続け、常にリスナーであるとかファンダムと繋がる」と言ういわばエンタメ続行宣言というか生存アピールを継続する努力する姿勢にこそあるように思う。その意味ではこのはるかりまあこのメンバー各人共々、ほぼ毎週のようにHALLCA&仮谷せいら&AmamiyaMaako というのメンバー全員がラジオやYoutubeライブなどのレギュラー的な配信機構を持っており、毎週少なくとも誰か必ず配信を続けているし、毎週のように1人には必ず会うことができるのだ。各人はソロだけどグループとしての活動として換算すると驚異的な繋がり率となる。
というのもここ最近ライブなどが中止・延期に追い込まれることが多くなって、ますます本人の活動と言うものにも支障をきたしてネットでの配信であるとかそういったライブ活動などがほぼできずに忘れられていって、思い出されるタイミングがTwitterでのあのシリアスな【大切なお知らせ】で気付かされる人たちって結構いるのではないだろうかと思ったりするのだ。そしてもう一つ重要な要素もある。
それは2019 年の12月22日、名古屋のSunset blueにて2回目の、AmamiyaMaakoさん企画の3マンでの物販の時だったが、HALLCA氏は既に2人のサインの入った私の手帳を見つけて「そこに私のサイン入れましょうか?3人揃ったら記念になりますよね?」と言って自ら志願してサインしてくれたのだ。こういう気をきかしてくれるホスピタリティのある人って日常生活でもいないぞ(笑)
そして、同じくこれは8/29での大阪vijonでの物販での一幕だったが、仮谷せいらさんも、よく私がはるかりまあこに関してツイートしてたりするのを本当によくご存知で、見て下さってて、何がビックリしたってリリースイベント行った方のアカウントの背景写真『サマーフィルムにのって』なのを私個人が激しく納得して、はるかりまあこのメンバーのキャラクターが各々「仮谷せいら=はだし、AmamiyaMaako=ビート板、Hallca=ブルーハワイのキャラクターバランスがもう驚異的に一致する」みたいなもはやあの映画を観たことのある人にしか伝わらぬマニアックな事をツイートしたところ「"仮谷せいらははだし"というツイート、あれは一体どういう意味だったんですか?」と大マジに聞かれた時だった。そう、あろうことか、彼女は私ごときのツイートをかくも真剣に読んで下さってたという(笑)、あとなかなか私の持参してきた金のサインぺんなかなか色紙に付着しないのに必死に何度も何度も書いててくださったし。*11
この時間、妙に小腹が空いたからMaako様から頂いたこの謎の小枝を食いますか w pic.twitter.com/V61BLsP8Tv
— ネノメタル⚡️Asteria Ahead Of the Truth (@AnatomyOfNMT) 2021年9月8日
さらに9/8の直近のライブにてそ、Maakoさんから終了後の物販にて「大したものじゃありませんがこれよかったらどうぞ。」とどこかから「小枝・あの頃のクリームソーダ味」なるお菓子の小袋を出してわざわざくださったのだ。
そう、ここまで書いてご察しであろうか。「はるかりまあこ」並びに彼女ら一人一人のソロワークにこそあって中々他のバンドやユニットなどではなかったりする魅力の真髄とはこういう彼女らの人間性(ヒューマニティ)にもある、と思っている。
いや、世の中星の数ほどいる数多くのミュージシャンの中で、かっこいいサウンドクリエーションのセンスがあるとか、可愛いであるとかor美しいルックスを誇っているとか、楽器などの演奏が卓越してるだとか、Youtubeや配信ライブのペースがとても早いだとか、そういうテクニカルな側面もエンタメには大切な事だろう。でもそれを持ち合わせながらもそれらを更に超えて、はるかりまあこやソロワークの音楽を音源やライブ等で触れるにつれ、どこか感じる音像やパフォーマンスに触れた時に感じる心地良さのコアは、彼女らの本来持っているヒューマニティーにこそ潜んでいるのではなかろうか、と結論づけることによって、また、冒頭で触れた『TERMINAL』MVの撮影裏話動画を紹介することで、またもや12325字にも及んでしまった本ブログ記事に終止符を打ちたい。
*1:はるかりまあこの『TERMINAL』制作&リリースに至るまでなどなど関しての3人のインタビューはこちらをご参照のこと
*2:彼女は肩書きにある通りダンサーというよりも「舞踏家」と呼称した方がいいのかも知れませぬな。
*3:そういやインストアイベントに関して我ながらなかなか面白い考察をしてるのでここにて再喝。パフォーマンスの写真OKなのは海外バンドと演歌歌手だけだったという...。
*4:そういやこのアカウント名、以前過去記事でも取り上げた『スーパーミキンコリニスタ』主演の高山璃子さんが「ネノメタル、覚えやすいですね〜」とおっしゃってたのを思い出す。結構定着感あるし、覚えやすいのかもしれません(笑)
*5:9/6のline liveでも本人もそうおっしゃってたのでそうなんだろう。「誰かのツイートでもいってくれたんですが...」と言ってたけどそれは私のツイートでございました(笑)
*6:そう言えば物販にてミュージカル映画、特にABBA『マンマミーア!』などを好むといった話をしたがとてもよく納得できる。音像は違えど、ダンサブルなのに感傷が残るこの感じはとてもよく似ていると思うからだ。
*7:しかしプチョヘンザつったらましのみさんですよな w
*8:ちなみにAmamiyaMaakoさんのオフィシャルサイトはとてもよくできてて見やすいので貼っておく。通販も買いやすいし。
*9:因みに今、調べたら石岡塁さん自分と同じ九州出身で、3月6日誕生日ってうちの父親と全く同じやんけ!あの方もはや他人とは思えません😂
*10:本文ではなく注釈しておくがTHE POLICE『Every Breath You Take』も思い出すんだよね、曲調の爽やかさとは裏腹に歌詞は結構「離婚した元妻に恨みつらみを言う」的な内容らしくてヤバめなんだけど(笑)
*11:そうこれが仮谷さんが付かないペンを必死でなぞって書いてくださったタコ型のオリジナルサイン。🐙の頭部分が二重構造になっているのが確認できようか。某たこ焼きチェーン店ではないが正にこれは「金タコ」である。