NENOMETALIZED

Music, Movie, and Manga sometimes Make Me Moved in a Miraculous way.

映画『マイケルMichael』レビュー

TOHOシネマズ西宮でのIMAX先行上映を爆裂鑑賞!

1.First impression 
令和の小学生でもその名を知ってるという現時点宇宙最高のスーパースターマイケル・ジャクソン!!
彼がジャクソン5として兄弟で活躍していた幼少期を経て、青年になってからのジャクソンズを経て、更にR&B歌手としてのソロ活動を経て、更に更に斬新な音楽性を追求した「Thriller」などを連発して全盛期を極めたロンドン公演辺りまでを描いた実話だけども実話とは思えないドラマテッィク・ドラマ・オブ・ザ・スターである。
で、誰もが思っただろうが主演のジャファー・ジャクソン(偶然にも同じファミリーネーム!)にマイケル・ジャクソンの亡霊(ここではゾンビか?)が憑依したかのようなリアルさがもう半端なかった。
特に声が似すぎてマイケル本人がアフレコ当ててんのかと思ったわ。


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2.Focus
 本作は正に「再現ドラマ」というよりは我々を70〜80年代に誘い、そのスーパースターの足跡をリアルタイムで実体験するような不思議な感覚があった。大袈裟ではなく彼がR&Bという一ジャンルに固辞することを嫌い、もっとジャンルだとか人種だとかを超えたもっとグローバルかつユニバーサルなレベルのポップスのパフォーマーであろうとする意図がこの映画を通じてハッキリ分かった。それを象徴するのが『Billie Jean』『Beat it』『Bad』『Smooth Criminal』『Human nature』そして『Thriller』などの当時としてはジャンル分け不可能の「エレクトロ・スリリング・ダンスポップチューン」(勝手にそう呼称する)であり、これらの楽曲がいかに斬新かも同時に我々に教えてくれる。というのは、個人的に彼の存在を認知したのは彼のもたらしてきた「スリラー等のムーブメント以後」の90年代半ばぐらいだったのでその斬新さには十二分には気づけなかったから、その意味でもなおさら観る価値はあったと断言して良い。


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 更にこれらのヒット曲が劇伴として随所で挿入される訳だけどそのタイミングがどのシーンでも絶妙で凄く良かった。てかマイケルの曲ってもはやイントロもオリジナルに溢れててそこからドキドキ感を煽るものなんだなぁと実感したりして。
 その意味では本作は純粋なポップミュージック・ムービーとしても楽しめるかもしれない。

 

3.Further account 
最後に、エンドロールを見るにつけ、どうやら続編も計画されてそうな予感がするのだが、本作が「超スーパースター、マイケル・ジャクソンここに降臨!」てな感じで壮大に華やかに締め括られるからこそ、そこには賛否両論ありそうだ。そこに関しては『ミュージックマガジン』現時点での最新号(7月号)でも触れているがここでは触れないがアレやコレやらのスキャンダラスな事件による世間からも猛烈なバッシングに塗れた「暗黒の90年代以降」にもしっかりと対峙しなければならないからだ。

  本作でも伏線として【Neverland】【整形】【肌の色】というキーワードが既にあちこちで散りばめられていたので続編はほぼ確定なんだろうが...その次作の有無やそのリアリティの再現度合いに関しては本作がどう世間に受け入れられるのか、にも影響しそうな気もする。


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【付記】
まぁでも続編ができるならエル・ファニングあたりが出演してシンディー・ローパーを演じそうな気がするというよくわからん妄想で締めくくろう。

 

🎉「久住昌之 お蔵出し展」ブログ記事一位おめでとう記念〜お蔵出し展は終わらない〜

本ブログアップして以来、おかげさまで好評で注目記事一位に君臨し続けている本記事。

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ここで素晴らしいエピソードも入れてるのだが、この記事の中で埋もれるのも惜しいので本記事で後日談を紹介したい。

三週間後、購入していた絵が届いたのだ!

(謎に近所の公園にて撮影)

そして何となんと吉祥寺ouroで展示されていた当時は飲み口に届いていなかったあの人が.....

なんと飲み口に「届いている」ではないか!!!!

このお蔵出し展開催当時は全く届いていなかったのに...

いや〜人間生きてるとこういう奇跡もあるのね、びっくりしたわ。

 

...というかネタバラシをすると、今回本ブログ記事を書いたお礼として久住さんがわざわざこの「飲み口に届いてる」バージョンのものもプレゼントして下さったのだ。

なんとも素晴らしいホスピタリティ。

久住さん、ありがとうございまっっす!

だから届いてないバージョンもちゃんと届いています(笑)

 

『孤独のグルメ』原作者「久住昌之 お蔵出し展@アートスペースOURO」2 Days、爆裂レポート!

今回紹介するのは、2026年5月5日から5月10日までの五日間、『孤独のグルメ』や『古本屋台』などなど....の原作者である久住昌之さん中学生時代の作品から切り絵からイラストから何から何まで久住さんの多才っぷりをこれでもかとコアに堪能できる作品展である。

実はこちら、14:00ジャストに入場したがあっという間に2時間も入り浸ってた。しかしこの「アートスペースouro」というモルタルアパートの2階という超絶ど渋いところにあるのだ。JR吉祥寺駅からスギ薬局方面に向かった先の住宅地内にあって大体歩いて5-6分ぐらいの所にある。

ouro.jp

正に上から見た図この狭い狭い階段を登ると久住さんと彼が描き、作ってきたお蔵出しの作品群があるのだ。考えただけでワクワクするではないか。正に『Stairway to heaven (天国への階段)』である(なんのこっちゃ)*1

 

Day 1(5月5日(こどもの日))


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このアパート、というかアートスペースの2階に上がると全般的にざっとこんな景色が目の前に広がっていくのだ。

そして、その後ろを振り向けば色彩豊かな切り絵などがあったりして。

で、ふと横を見ればこういう小さな、どこか有り難みさえ感じられる「ウクレレを弾くぞうふみ君」の絵画もあったり、

そして、こういう「ザ・ふらっとQusumi」さん的なお馴染みの可愛らしい絵もあったり、

同じようなトーンでの猫バージョンも良き。

また、こういう久住さんの著作『野武士、西へ』に掲載されてるレアな写真などもあったり....おお、勇ましい。

こういう楳図かずおさんのバンドに参加していた時代の貴重な写真もあったり、

さらにさらに、こういう「給付湯呑みコレクション」なんかもあったり、

そして、この展示会の作品群、2階だけではない。

なんと階段ぞいにも貴重な展示物があったりする。

階段やその付近には『石畳のワルツ』『ボロボロ』の楽譜や『古本屋台』の原稿が展示されてる。

あと久住昌之&BlueHipのライブ定番曲である『ボロボロ』の譜面があったんだよな。

これは何度か聞いたことがあるが、どこかジャズ要素もあってモダンでめちゃくちゃカッコいい曲なのだ。参考としてライブシーンでも上げとこう。


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そしてこちらは問答無用の『孤独のグルメ シーズン2』の台本などもあったりして。

今回は「蔵出し展」というだけあって彼の若かりし時に描いた貴重な作品群もある。

まずは注目すべきは以下の1978に制作したという『魚の歌』と称する石版画である。

そしてそして、こちらの力作版画にも注目したい。こちらは彼がもっと若かりし時(中学生時代)に制作したという『仁王』という作品である。

これは凄い。アート特有の初期衝動とどこか久住さん特有の俯瞰的の視点とユーモラスさとが同居する、久住昌之アートの原点とでも言おうか、凄すぎて何度も何度もじっと見入ってしまった。もうすでに中学生の時点で久住ワールドはこの時完成されていたのだ。まるで15歳の時に叔母の憂いの表情をリアリスティックに描いたあのパブロ・ピカソのようではないか!

あと『仁王』、個人的になんとなく『中魔神』という久住さんのオリジナル曲を思い出してしまったりもして。


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そしてさらに奥には先ほどちらっと触れたように切り絵を中心とした小さいコーナーもあるのだ。

で、この切り絵の中のとある作品に関して個人的に非常に大いに驚いた点があった。このコーナにおける今も健在な伝説のパンクロッカー、パティ・スミスをもとにした作品があるのに注目したい。*2実はこれ、私の実家・北九州に全く同じビジュアルのポスターが貼られているからだ。

で、これが北九州の実家に貼ってあるポスターね。

本ポスターは2002年にリリースされたベスト盤のCDショップでの購入特典だったのでかれこれ24年前のものである。まさかこのヴィジュアルがここでこういう形で再会できるとは!あまりにもびっくりしたので記念に彼女の大名曲『Because the night』でも貼っておこう(なんのこっちゃ)


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それにしても、この切り絵は美しい。彼女のポスタービジュアルを土台として、背景に雨を降らせたり、色彩や陰影の部分が濃くなったりと様々なアレンジメントが施され、より鮮明かつ粋な「和の切り絵」として成立しているパティ・スミス本人が本作を見たらめちゃくちゃ喜ぶんじゃないだろうか?あの人何気に親日家らしいし。


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更にさらに久住氏の才能は「焼き物」にまで及ぶ。

実は、この焼き物の中で、1作品購入したのだが、だが即座に持って帰らなかったのはこの「 お蔵出し展」開催期間中(5/10まで)にずっと展示して欲しいとお願いしていたからだ。

それがズバリこちら。

タイトルはズバリ「とどかない」である。本当にこの人の顔は飲み口にとどいていない(笑)

ところで、なぜ私はあえて持って帰らなかったのか?開催期間内にずっと展示してたら、もしかしたら彼は「とどく」のかもしれない、と思ったからだ。その光景を他の方々にも見届けて欲しい。そんな願いを込めて(なんのこっちゃ)。

そんなことを思いながら翌日も東京にいるので「また明日も来ますw!」と久住さんに一旦別れを告げた。

 

 

Day2(5月6日)

てな訳で今日も今日とてニャアン、来ちゃいました、「久住昌之 お蔵出し展」2日目!
まだ久住さんはご在廊ではなかったが、昨日に加え「陶器の世界コーナー」にまたまた新たなのも付け加えられてるじゃないか!

てかこのシリーズをこんなに作ってらっしゃったとは、恐るべし!またもや久住ワールドをコアにじっくりゆっくり体感できるこの個展だが、13:20に到着したがまたもやあっという間に90分が経過してしまった。この日は帰りの新幹線があるからそんなに長居できないのだ(十分長居してるだろw)。

では、この2日間見て印象に残った作品群の数々をどどーっんと紹介しやしょう!

まずはミツバチになってしまってる久住さんから。手に持ってるのは麦ジュースならぬ蜂蜜ジュースかな?

以下二つのイラスト(『ゆびとれな君の朝』、『ウルトゥラマン君』)ギャラリーにいた5歳ぐらいのお子様がめちゃくちゃ笑ってたなぁ。心の底から笑ってた。

子供の感性をも撃ち抜く久住ワールド、さすが!

そしてこちらはブルースマン、ライトニン・ホプキンスを描いたもの。もはやこれはセッションのような崇高さすら感じられる

*3

あ、この「くすみ」と書かれた水、これはたまたま置いてた久住さんの買ってきた飲む用の水です、ご本人にも確認したところ作品ではないそうです(笑)

そしてこちらは今回のポスターやキーホルダーのイメージになっている作品群である。

それにしても、二日目は昨日とは違ってじっくりと解説書にも触れながら作品群に向き合えたな。そういや二日目ならで気づくことがあった。ズバリ、この蛭子能収氏の切り絵(『のんびりエビスさん』)の下にある解説文をみると昔彼とは草野球の仲間だったらしい。

「がんばらないでね蛭子さん」

....それにしてもこの解説書を締めくくるラストの一文が久住さんらしくてしみじみと良い。

ではでは、どどーんと切り絵コレクションに行ってみよう。

上のキース・リチャーズに続いてロックのレジェンド、ジミー・ペイジ。

こちらなんかもうパッと見ただけでわかった。あのオーラ全開のあの伝説の漫画家、楳図かずおさんのイメージ通りの作品である。

あと高中正義など日本のミュージシャンなどを描いた切り絵もあったりして。

この「久住昌之 お蔵出し展 @アートスペースOURO」も本稿を執筆している今(5/10)が正に最終日である。だがまだ私にとってしばらくこのイベントは終わらない、と断言しておこう。というのも、誕生月のテメエ誕プレとしてここで購入したこの「この鯖サンドケッ作!」が後日、郵送されてくるからだ。

このシリーズは販売されてて、色々と魅力的なものばかりだったので迷いに迷ったのだが、購入の決め手になったのは「カレーマヨ」の直しの部分である。これはこういう原画ならではの「アジ」だと思う。そしてこれは他の原画になかったオプションである。

 

Various Days(色々なギャラリーの声...)

3 weeks after(5月26日)

では最後の最後に、このお蔵出し展にいる時にずっと私の頭の中で鳴っていた久住さんのオリジナル名曲で締めくくろうと思う。

ズバリ、旅の楽しさを正に人生に準えたようなライブでもよく演奏される大名曲『線路伝い歩き』である。


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*1:別に紹介するまでもないけど『Stairway to heaven (天国への階段)』


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*2:パティ・スミスについて。ウィキに丸投げ。

ja.wikipedia.org

*3:ライトニン・ホプキンスのプレイ、一言、渋い。

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珠玉のオルタナ盤、 #ハルカトミユキ 4th Album『Broken Echo Club』レビュー

0. OVERVIEW

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is the most adaptable to change.

 

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化する者(適応する者)である。

-Charles Robert Darwin(1809-1882)

 

ハルカトミユキというバンドはカテゴライズ不可なバンドだと思う。初期のインディーズ時代のe.p.2枚『虚言者が夜明けを告げる。僕たちが、いつまでも黙っていると思うな。』『真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。』はシンプルなアレンジ中心のフォーク・ロックを全面的にイメージだったが、その後のメジャーデビュー1stアルバム『シアノタイプ』の収録曲の中にはどこかマイブラ的な90年代オルタナティブも覗かせつつもj-Popとしての完成度を誇っていたし、2nd『LOVELESS/ARTLESS』(2016)に至っては『Are you ready?』から『見る前に踊れ』に至るまでの流れでどこか80年代から引き継がれるEDMの要素も取り入れた意欲的なアルバムだったと断言できよう。更にそこから1年未満のインターバルでリリースされた『溜息の断面図』(2017)に至ってはそのテクニカルな面を超えて自己の感情の根源を音像化するという前代未聞の傑作アルバムを作り上げた、と断言できる。そしてその後ベスト盤リリースなど経て、キャリア独立後も『最愛の不要品』『BREATHING』(いずれもe.p.)、『明日は晴れるよ』(4th アルバム)とリリースを重ねてきたが、どのようにサウンドエスケープが変化しようともハルカトミユキという核が決してブレないのは本当に彼女らの強みだといえよう。そこには、ハルカ特有特有の詩的で特に人間の本性をつくような毒気のあるフレーズだとか、ミユキ特有のキャッチーなサビだとか、海外の音楽を吸収して生まれたようなアレンジ力などという技術面にとどまらず、どこか2人の人間力のようなものが加味された上でのケミストリーがこのバンドにはあるのだと思う。そんなハルカトミユキという唯一無二のバンドが『LOVELESS/ARTLESS』から10年目となる2026年、キャリア中最もポップでアバンギャルドなアルバムをリリースした。それがここで取り上げるハルカトミユキ 4th Album『Broken Echo Club』である。正にこれは 2000年以降のオルタナシーンを彷彿とさせるエレクトロに暴れるアレンジの中縦横無尽に駆け巡る美メロとそこに共存する中毒性のあるフレーズに翻弄される12曲である。

 敢えて過去の海外の名盤に例えると『Yoshimi Battles the Pink Robots』時期のThe Flaming Lipsを彷彿とさせるドリームサイケポップもあれば、初期のインディーズ時代に回帰したようなアコギとキーボードからなる原点と言えるシンプルなアレンジもある。本盤は日本でようやくオルタナが掲げられる音像集と言えるのかもしれない。

 ハルカトミユキ 第2章、いや第3か4章ぐらいか?まぁよくわからんがとにかく新章の始まりである。


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1.Happysick

意表をつかれる程に緩やかなサウンドで始まるアルバム一曲目。かつて『かたくてやわらかい』という曲があったがあれ以上にゆるゆると溶けるようなサウンドエスケープの中を以下の

金も愛も才能さえも平等だなんて笑わせるわ

という猛毒フレーズを忍び込ませるのは彼女らの必殺技だといえよう。流石である。


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2. 夢のゆくさき
次は一曲目に続けてバンドサウンドに乗った2曲目『夢のゆくさき』である。  

向かうべき場所がわかると思っていたけど 
形ある全てが今はいらない

本フレーズは、正に10年以上のキャリアを経て様々な「世界」を概観してきた2人が辿り着いた境地であるように思う。

そして本盤前半を覆い尽くすサマリーでもあると思う。


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3.Whatever You Say

詰めの甘い人生だって僕はわかってる
どうせダメならさあ笑っちゃえばいい

ミユキ必殺技の四つ打ちサウンドと自虐とヤケクソ感満載の猛毒モードのリリックとのコンビネーションが心地いい3曲目。どこか『近眼のゾンビ』の織りなすアバンギャルドさを彷彿とさせたりして。


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4.かわいいひと


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本曲が配信でリリースされた当初はこのポップな曲調とアイロニカルに響く歌詞とのギャップにどこか新機軸を感じたがアルバム収録曲として聴くと「ハルミユスタンダード」としてとても馴染んでいると気づく。
或いはかつて

か弱く可愛いバカが好き

と皮肉った『Stand Up,Baby』に対してのアンサーなのかもしれないし、或いは、

大丈夫、頑張れよ

我慢比べで世界を回してその結果どうなった

血走ったこの目はどうだろう

と思わず音楽シーンを駆け抜けてきてふと漏れる心情を綴った『終わりの始まり』とのシンクロニシティをも感じたりする。


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5.YUUREI
初期の名曲『Vanilla』にも相通ずる、過去への後悔と自己憐憫と...でもそこから何か光明を見出さんとするほんの少しのオレンジの希望、正にアルバム前半部分を締めくくる真骨頂な一曲である。タイトルがローマ字表記なのはより「幽霊としての幻的ニュアンス」である事を強調する為かもしれない。


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6.BreakRoom
アルバム中盤interludeな役割を担うインスト曲。
1stアルバムにも『7nonsense』という珠玉曲があったが実はこういう曲にこそキーボード&コーラスのミユキのルーツに根差した狂気とセンスを垣間見ることができる。
或いはアルバム後半への前夜の風景か、とにかくハルカトミユキの音楽をフォークだ、ロックだのポップスだのジャンル分け不可の唯一無二のものにしてきたのは先に述べた『LOVELESS/ARTLESS』(2016)に至っては『Are you ready?』から『見る前に踊れ』に至るまでの流れからでも分かるようにこういうアルバム構成力が群を抜いているからだと思う。

 

7. I'm OK


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まるで壊れたPCで宇宙と交信するかのようなイントロで始まるアルバム後半戦のスタートである。
『プラスティック・メトロ』を彷彿とさせる自問自答の後のBuffalo Daughter『New Rock』を思わせるダンスロックなアレンジがとてもスリリングだ。
ライブ映えしそうな一曲。


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8. 聞こえない
どこか歌詞世界として『朝焼けはエンドロールのように』の続きのようなハルミユワールド全開の8曲目。そして印象的なのは彼女らの曲中圧倒的に多い「雨」の存在だ。そんな感情の行き交いを阻む豪雨のような後半のギターサウンドで表現している。


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9.No Give And No Take


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バキバキのエッジの効いたエレクトロサウンドに乗って放たれる本盤を象徴する一曲。
そして

社交辞令の賛辞を浴びてsmiling

というアイロニックな一節に注目してしまう。どこかメジャー時代を振り返り、現在の表現のあり方とは何か、をマニフェストしているようにも思う。

 

10.それだけで


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曲調は一転して静かなモードに。どこか「月明かり」や「いのち」「宇宙」等のフレーズから過去楽曲におけるキーワードが散りばめられているようだ。そして、そうしたノスタルジーに留まらず真夜中を超え時を刻み現在へと志向する所が本曲のキモなのかも。

 

11. 終バス


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初期のインディーズ時代に回帰したようなアコギとキーボードからなる原点と言えるシンプルなアレンジ。だからこそ本盤の凝ったアレンジの多い収録曲では逆に引き立って響く。『世界』(2015)に初回盤として付属しているDVDにライブバージョンがある。


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12. Endless Echo
まるでアイスランドのバンド、múmのような幻想的なイントロから始まる12曲目。
『光れ』という曲があるがあの曲で描かれた世界の続きがポジティティヴィティ全開の光で包まれる新境地をも感じる本盤の最終曲である。「白でも黒でもないグレーである事」が軽視されがちな世の中において、だからこそその重要さをコンセプトとしてポップミュージックとして音像化できた事は評価すべきだと思う。
あとはこういうコンセプトがどこまで世界に通用するか、そこに注視したいと考えている

I’ll be there as long as you believe in me


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13.『Broken Echo Club』は最高傑作か?

さて、本記事ではハルカトミユキの 4th Album『Broken Echo Club』を 2000年以降のオルタナティブなアルバムとして、エレクトロに暴れるアレンジを中心に縦横無尽に駆け巡る美メロとそこに共存する中毒性のあるフレーズに翻弄される12曲を一曲づつ過去曲とのシンクロも意識しつつ簡潔にレビューしてきた。ところで私は敢えてこういう音楽レビューで誰もが使いたがるとある「諸刃の剣」のような言葉を使うのを避けてきた。

それは何か?

ズバリ「最・高・傑・作」の四文字である。

ハッキリ言ってここでその語を安易に使うのは避けたいと思う。語弊承知で言うと私にはこのアルバムをそう位置付けしたくないからだ。いや、確かにここにある12曲は珠玉の素晴らしい12もの音像だし、何よりもようやく私的にも、日本の音楽シーン文脈においても久々にオルタナティブに振り切ったアルバムが出たと絶賛モードだ。だからこそここに記事としてしっかり残そうとしたのだから。だが、このアルバムの作り手である音楽家たちは普通(ダテ)のミュージシャンではない。何と言ってもハルカトミユキなのだ。現時点での私的最高傑作『溜息の断面図』のあの熱量にはまだまだ達してしないと断定したい。だからこそ今後の期待値をこめて今回のアルバムを『珠玉のオルタナ盤』と言う呼称で留めておく。だってこの人達はもっともっと凄いことをやってのけるバンドなのだ。

その証拠に2018『溜息の断面図』リリース後の「解体新章ツアー」において『近眼のゾンビ』をパフォーマンスした時の当時のX(当時Twitter)での異常なるポストを紹介しておく。

ね?もう訳わからんでしょ?文字にすると血飛沫だの生首だの生贄儀式だのハラワタだの、まるで70年代あたりのパンクバンドがやってそうな過激なアートパフォーマンスそのものではないか。で、そうかと思えばその直後のアンコールで3つ目のポストにあるようにアニメ主題歌に決定したエヴァーグリーンなポップチューン『17歳』を奏でる始末。そうだ、この狂ったアンバランスさ、これを何の違和感もなく成立させるのがハルカトミユキなのだ。これも当時からよく思ってた事だが2人のイニシャルをHとMとは、正にHarmonizion(調和)とMadness(狂気)、Heaviness(重厚さ)とModesty(穏やかさ)と言う両極端な2つの要素を併せ持った奇跡的なバンドなのだ。思えばハルカトミユキがデビューした周辺の2012〜13年辺り、数多くの「ライバル」と称されるネオオルタナティブと称すべきバンドがいた。それはキノコ帝国しかり、赤い公園しかり、ねごとしかり、枚挙にいとまがないが、そのほとんどのバンドは今は活動の根元を絶ってしまったが、ハルカトミユキは常に変化しつつ、かと言ってその核(コア)は変わらずに活動し続けている。まだまだ今後も『Broken Echo Club』を、『シアノタイプ』を、『LOVELESS/ARTLESS』を、『溜息の断面図』を超える最高傑作と称すべき音像をリリースすることを願ってもやまない....と言うより、むしろ私はそれを確信している。


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伊藤詩織 監督渾身のドキュメンタリー『Black Box Diaries 』レビュー

 

”「沈黙を続ける」ことは私の本意ではない。“
10年前に傷つけられたあの日の真実を暴く、渾身のドキュメンタリーようやく日本でも上映!


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1.First impression
2015年4月3日に起こったという、「国の権力者に近しい位置にいるある大物ジャーナリストによる、ジャーナリスト志望の若い女性に対する性加害事件」の概要は何となく認知してたが、に本作に、その事件に真正面から対峙してようやくBLACKBOXならぬ「パンドラの箱」の中身が明らかになったような驚愕と衝撃の2時間だった。
 件の11年前の「事件」自体の許せざるっぷりとは別に、ここまで2時間色んな感情に揺れつつも食い入るように鑑賞したドキュメンタリーは極めてレアだった。全体の構成が洗練されててそりゃ海外でも評価高いのも頷ける。マイケル・ムーア監督『ボーリング・フォー・コロンバイン』(2002)、あと国内では『Mommy』(2024)、『選挙と鬱』(2025)、『落語家の業』(2026)にも匹敵する秀逸なドキュメンタリーである。
 それぐらい飽きさせない映像展開の巧みさに惹きつけられた。(語弊覚悟で言うと)本作は完膚なきまでにエンターテイメントとしても成立している。この作品に欠陥があるとすれば未だ尚問題が解決していない事ぐらいか。

bbd-movie.jp

 伊藤詩織監督が「女性の幸せのあり方」に関してコンサバティブな父親に対して思った印象的なフレーズがあった。

“Silence was not the option to be happy.“
沈黙し続けることは幸せになる為の選択肢ではない。

この言葉を信じ今も尚闘い続ける監督の勇気に最高の拍手とエールを送りたい。ちなみには本作は大阪駅から5分ほどにある映画館、Tジョイ梅田(旧ブルク7)にて鑑賞したが、満員に近い老若男女問わず多くの人々が来場していた。


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2.Second impression
心斎橋Kino Cinema(旧シネマート心斎橋)にて伊藤詩織監督による舞台挨拶付きの2回目。


 初回はひたすら加害者に対する怒りが中心だったが、2度目の今日はなぜヤツがさっさと逮捕されないのかという歪な社会構造の正体が分かった気がした。
そして、あの事件を経て「surviving」から少しづつ「living」への布石を取り戻さんとする伊藤監督に心からの拍手を贈りたいと改めて思った。
さて舞台挨拶での監督だが、個人的に映画本編で感情的になるシーンが続くものでアクティブな方という印象を持っていたが非常に穏やかな語り口で話される落ち着いた大人の女性と言った印象だった。本編中では街頭プロテストやってた高齢の女性に声かけるシーン(「あの、レ〇プされた人?」のオバちゃんのいるシーンね)に接する時のモードに近いというか。観客の感想(これがリピーターばかりでめちゃくちゃハイレベルで共感的なものでばかりだった)にも丁寧に反芻するなど穏やかな舞台挨拶だった。

 ちなみに舞台挨拶後、サイン会なるものがあったが監督が3年ほど前に出したエッセイ集『裸で泳ぐ』にサインを頂いたが「タイトルこれにするかすごく悩んだんですよね〜笑」って事だったが私はこのタイトルこそ希望があると思う。

どこか正に「surviving」から「living」へと着実に近づけている伊藤詩織という女性そのものを象徴していると思うし、それでいてどこかポエティックな響きすら感じるではないか。(まさか本当に泳いでたエピソードがあったのにはびっくりしたがw)
最後にふと本編を観ながら浮かんだマーティン・ルーサーキングJr.の名言で本レビューを締め括りたい。

Almost always, the creative dedicated minority has made the world better.

(ほとんど大抵、創造的でひたむきな少数派こそが世界をより良いものにしてきた)

-Martin Luther King, Jr.

Electric Mama(#エレママ)'s masterpiece『Rock N Roll Universe』Review(international version)

【Overview of the Review】

*1
 Electric Mama『Rock N Roll Universe』 includes spiritual 10 tunes that stands for their live and releasing act in 2024.
More than ever, we relatively find the faster BPM tunes just like their live mode. Anyway, we must celebrate that the newest masterpiece is born in this world🪐

 

1.Rock N Roll Universe

"Rock N Roll Universe" is a title and first tune of the Album『Rock N Roll Universe』.

Among them, it’s the phrase that 【wishing I could fly just like the speed of light】represents their live space as it were. The sound trip begins from here🪐!

Then, let me show the MV of "Rock N Roll Universe" , as follows.


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 As the key word “universe” prove that it includes various kinds of meanings form human  race to space, we can also witness in this mv various scenes such as DNA, brain system,&galaxy.

Anyway, this tune's MV seems to me to be very challenghing.*2

 

2.Hyper Vega


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 Succeeding in the flow of the 1st tune, Ele-Mama suggests to us that you should shed a light just like "Hyper Vega" that is the hyper Rock & EDM tune and the lyrics of the song expresses from daily life to the farthest place, or very magnificent song🚀


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 Totally, most of the Ele-Mama’s MVs always make me feel that the originality of each tune always is expressed with space, humans brain process and the elements of retro future existed.Also this MV reminds me of the movie『Ghost in the shell』in its orientarism.


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*3



3. Taxi Driver2 
After the dramatic first 2 tunes, we are attracted by the introduction that express the wonders between forever and illusion and simultaneously, take us to the New wave sound.
Of course, this tunes’ background is based on the movie “Taxi driver”(1976).*4


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4.Space Derringer

As for "Space Derringer", the introduction of this tune seems to me to set the fire on feeling of our impulses as if to get the battle started and noticed this album『Rock N Roll Universe』features situations of “flying” such as【habataku】in this song.

SpaceDerringer(MV)


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This MV also seems to features key words“flying”in that a ballet dancer have a wings as if to fly in the sky.
Besides, we can confirm many TV men that are controlled by dictators just like the novel George Owell’s “1984“.((「スペース・デリンジャー」に関しては、この曲のイントロダクションが、まるで戦いの火付け役のように私たちの衝動に火をつけるように感じます。そして、このアルバム『Rock N Roll Universe』には、この曲で描かれているような【羽ばたく】といった「飛ぶ」というシチュエーションがフィーチャーされていることに気づきました。このMVでも、バレエダンサーがまるで空を飛ぶかのように翼を広げているなど、「飛ぶ」というキーワードが強く現れています。
また、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』のように、独裁者に支配されたテレビマンたちを多く確認することができます。))


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5. Sky Telepathy


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Across the sky a telepathy to you

The phase personally reminds me of the masterpiece movie"interstellar(2014)"in that these works are based on the humanism, and besides, Kenji Zombie’s tender&delicate vocal contribute to that🌌

It was surprising to see that the phrases of『sky telepathy』 have synchronized with the latest Gandam series "GQuuuuuuX".
1.【across the sky】

2.【someone’s voice】and

3.【Zeknova】
can be paraphraed as

1.「another world」
2.「lala’s voice」
3.「Space-time transition」.

*5


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6. MoonDiamond


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This tune’s existence makes me feel this album has one magnificent concept and picture the mental scene that a girl is asking to the moon, saying 

If we understand each other like ever,

I'd be still holding you furthermore

*6

 

7.AstroDancer

 In 2024 June 21th, Electric Mama gave a birth to this tune, titled "Astro Dancer" as if to celebrate Kenji’s birthday.
The moment I come across  the introduction of this tunes, I feel extraordinary catarlsis.
I define this tune as representatives of Ele-Mama.🚀


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*7

 

8.Baby Dont Cry

THis "Baby Dont Cry"‘s existence makes me confirm that this album 『Rock N Roll Universe』must be Ele-Mama’s culmination, since they play this 1st『The Wall』’s tune not only with a tension of self-cover, but rather with a tension of head-on battle. *8


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9.Starship Blues


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"Starship Blues" is the latest ElectricMama sounds that  they perform with the nowadays’ mode, what we should call Electric Rock Blues.

Anyway, the brilliant scattering guitar sounds are so beautiful just like shining star and brilliant human’s eyes👀

*9

 

10. Black Hole Love

The final song of the album, "Black Hole Love" is the very tune that close the 『Rock N Roll Universe』and celebrate the Kenji Zombie’s birthday in 2023.

Let’s get together in the next world

If I define『Distopia Parade』as “praying song”, this will be  “promising song”


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*10

 

【Concluding Remarks】
 Although『Rock N Roll Universe』is such an album as you are brought to the black hole, you can return to the first song, Rockn’ Roll utopia, since you can’t stop playing this album. Anyway, we must celebrate the giving a birth of masterpiece🪐.

*11

 

*1:【レビュー概要】
ElectricMama『Rock N Roll Universe』には、2024年の彼らのライブやリリースを象徴するスピリチュアルな10曲が収録されています。これまで以上に、ライブモードらしい速いBPMの曲が多く見られます。とにかく、最新の傑作が誕生しました🪐

*2:RockNRollUniverseはアルバム『Rock N Roll Universe』のタイトル曲であり、1曲目でもあります。
中でも【光の速さのように空を飛べたらいいのに】というフレーズは、まさに彼らのライブ空間を象徴しています。ここからサウンドトリップが始まります🪐!

キーワードである「宇宙」という言葉が、人類から宇宙まで様々な意味を内包していることを証明するように、このMVではDNA、脳システム、銀河など、様々なシーンを目にすることができます。とにかく、このMVは非常に挑戦的な作品です。

*3:1曲目の流れを引き継ぎながら、エレママは#HyperVegaのように、ハイパーロック&EDMチューンのような光を当てることを示唆しています。歌詞は日常から最果ての地まで、まさに壮大な楽曲です🚀

エレママのMVはどれも、宇宙、人間の脳のプロセス、そしてレトロな未来といった要素が込められたオリジナリティ溢れる楽曲ばかりだと感じます。
また、このMVは映画『攻殻機動隊』のオリエンタリズムを彷彿とさせます。

*4:ドラマチックな最初の2曲の後、永遠と幻想の間の不思議さを表現しながら、ニューウェーブサウンドへと誘うイントロダクションに私たちは惹きつけられます。もちろん、この曲の背景は映画『タクシードライバー』(1976年)に基づいています。

*5:「空を越えて君へテレパシー」この作品は、ヒューマニズムを基盤とした作品群という点で、個人的には傑作映画『インターステラー』を彷彿とさせます。さらに、ケンジ・ゾンビの優しく繊細な歌声も、その魅力をさらに引き立てています🌌『sky telepathy』の世界観が驚くほど「ガンダム #GQuuuuuuX」のそれと符号している。【空の向こう側】【誰かの声】とは「あっち側の世界」「ララァの声」と各々リンクするし次元転移を意味する「ゼクノヴァ」のゼクは漢字で「是空」、空を越えての交信を現す。

*6:この曲の存在は、このアルバムに壮大なコンセプトがあると感じさせ、少女が月に問いかける心象風景を思い起こさせます。

もし私たちが今までのようにお互いを理解し合えたら、私はこれからもずっとあなたを抱きしめ続けるでしょう。

*7:2024年6月21日、ElectricMamaはこの曲、AstroDancerを、まるでKenjiの誕生日を祝うかのように誕生させました。
この曲のイントロダクションに出会った瞬間、私はとてつもないカタルシスを感じます。
私はこの曲をEle-Mamaを代表する曲だと定義しています。🚀

*8:『BabyDontCry』の存在によって、このアルバム『Rock N Roll Universe』がエレママの集大成であることは確信できた。1st『The Wall』収録曲を、セルフカバーという緊張感ではなく、真正面から戦いを挑むような緊張感を持ってプレイしているからだ。

*9:StarshipBluesは、ElectricMamaが今風の、いわばエレクトリック・ロック・ブルースで演奏する最新のサウンドです。とにかく、きらきらと散りばめられたギターの音は、まるで輝く星や輝く人間の瞳のように、とても美しいです👀

*10:BlackHoleLoveは、まさに『ロックンロール・ユニバース』の幕を閉じ、2023年のケンジ・ゾンビの誕生日を祝う曲だ。【来世で一緒に集まろう】
『Distopia Parade』を「祈りの歌」と定義するなら、これは「希望の歌」となるだろう。

*11:【おわりに】
『Rock N Roll Universe』はまるでブラックホールに連れ去られるようなアルバムですが、聴き続けると止まらなくなるので、1曲目の「Rockn’ Roll utopia」に戻って聴くことができます。とにかく、傑作の誕生を祝福しなければなりません🪐

日常を鳴らすパンクロックがここに〜WtB(ex Who the Bitch)アルバム『years』全曲レビュー

 

Overview〜パンクとは

2025年の夏、映画『スーパーマン』が公開された。鑑賞前に予告編を見た時点で、これがまたバットマンがらみでもジャスティス・リーグがらみのあのどこか病んだような印象のあったダークネスなスーパーマンでもない生粋のあの「正義の味方、スーパーマン」を主人公とした作品である事に真っ向勝負感があった。これは期待できる、と思ったものだ。でも、正直不安もあって、(本作を輩出したDCUのライバルとも言える)あのMCUを代表する『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのジェームズ・ガン監督作という事で過剰なギャグや、メタ視点入った(個人的に苦手なMCU特有の)ワチャワチャなノリを懸念してたんだけど全くそんな事もなかった。

ただただ純粋に物凄く面白い作品だった。
人間クラーク・ケントとして、万人のヒーローであるスーパーマンとして、はたまた移民としての扱いを受ける理不尽に苦しむ男として、これら3つの狭間に揺れる彼のリアルな苦悩も出しつつもまるで70年代〜80年代に国内外問わずに顕著だった純粋に正義を貫くヒーローものが活躍するエンタメに振り切るバランスが絶妙な作品だったといえよう。

そして特筆すべき点は本作ではこういう台詞が存在するのだ。恋人ロイスとの会話のシーンで「あなたは人を信じすぎる。」と言われて、「いや、でもそれって僕がパンクなんだってことだよ。」と返すシーンがあるのだ。*1「こんな酷い世の中では優しいことこそがパンクであり、世界への反抗なのだ」と。


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このセリフは結構な衝撃だった。だって「優しさ=パンク」というこの定義。「パンク」とは過去のレジェンド達から考えると本来世の中へ「ノー」を中指を突きつける反逆・反骨精神の具現化のようではなかったか。むしろクラーク・ケントの言うところの「人を信じることに根ざした優しさ」とは全く逆のベクトルだったはずだ。でも逆にそこに納得した私がいたのも事実だ。それは、確かに個人的にも今の世の中において邪悪さこそが正義という嫌な風潮を感じることが度々感じたりするから。その証拠に、思想家であり社会学者である内田樹氏が言うところの「デモクラシー(demo(民衆の)cracy(政治))」ならぬ「イービル・クラシー(evil (邪悪な)cracy(政治))」で人を惹きつけていく政治家やインフルエンサーらがここ最近圧倒的に増殖していることが挙げられる。だからこそ僕らは日々、そのような世間の理不尽や矛盾や葛藤や衝動を目の前に悔しさや怒りで拳握りしめる瞬間があるのだ。権力への怒りではなく正しくありたいと思うのに立ちはだかる「イービル・クラシー」に対する怒り。ここにシンクロニシティを見る。『スーパーマン』は正に現代の風潮というフィルムが写像した必然のヒーローだったのだ。

 そんなことを思っていた今日この頃、そんな命題に答えるような日常を鳴らす音像に出会った。それが今回の主題であるWtB(ex Who the Bitch)『years』である。「優しさこそがパンクなのだ」というクラーク・ケントの言葉と、そして力強くも日常を鳴らす『years』の音像とがシンクロするのだ。

 果たしてWtBは今のパンクを鳴らしているのだろうか?

そこで、本記事ではそんな命題を検証するために『years』の楽曲全10曲、関連曲を含めて一曲ずつレビューしていこうと思う。

*2

1.月光🌕


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正にキャリア20周年の集大成であり新生WtBのデビューアルバムにふさわしい一曲目を飾るにふさわしい勢いのある爆裂ロックチューン。冒頭、揺るぎなく力強さに溢れたコーラスが聴こえた瞬間、紛れもなくWho the Bitch時代の『Letter』『Colors』に匹敵する新たなアンセム爆誕を確信した。 

頭上には月光が降り注ぐあの日の様にまた

このフレーズに包まれたメロディが狂おしいほど美しい。

 

2. Image

1曲目の勢いをそのままバトンタッチするような2曲目『Image』である。


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いつかまた飛び立つその瞬間を

個人的にWtBの音楽を構成するキーワードに「祈り」という概念が少なからず存在すると思う。叶わぬ想いがあるのなら届かぬ夢を見続ければ良い、そんなロマンティシズムにも似た祈り。かつての名曲『Hello, again』にも共時するような世界観が本曲にはある。


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3.おにぎり🍙

次はまずタイトルにある種のインパクトを覚える3曲目『おにぎり』である。


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WtB名義になって以前に増して表現がより自由に、よりフラットに広がっている様に思う。それはビジュアルイメージ含め突き抜けているように感じる。そんな今のバンドの状態を象徴するのが本曲だと思う。ここで描かれるのはツアー中のワンシーンから写像される普遍的な家族愛。

正に広い意味でのラブソングだ。


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Who the Bitch時代からのソリッドなパンクロックスタイルとは一線を画し、フラットに日常を描い歌詞がスッと心に溶け落ちる。しかしノスタルジックにとどまらず「実家アンセム」としてカッコよく鳴らす所が20年戦士としての本バンドならではの境地だと思う。共感者がいるかどうかは全くわからないが、個人的ツボは2:07〜辺りのボーカル・ehi氏の横顔と髪の跳ね具合の絶妙なバランス感。これです。私はここにロック魂やらパンクスピリットやらオルタナティブ精神を感じたりして。

 

4. node

次は4曲目、再びロックモードにシフトする『node』である。


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狙いを定めて走った時から

ふと本フレーズが耳に入った瞬間に『的』というコロナ禍という暗黒時代「躊躇うな不器用でも良いんだ」とガムシャラに突き進む事を志向していたあの曲が浮かぶ。あの頃繋いできた点と点が線となり、やがてブレない軸と化したのだ。


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*3

 

5. yardbirds 🦅
序盤の「攻め」モードから一転じっくり聴かせる「泣きビッチ」な5曲目。


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追憶の彼方にある「あの頃」を描く事で20年間飛翔を続けたバンドそのものを回想しているような。ふとこの郷愁的なイントロを聴くとoasis『whatever』を繋げて聴きたい衝動に駆られてしまう。


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WtBは、テンポ早い曲よりもスローな曲におけるパフォーマンスの方がむしろガムシャラに突き進む感が醸し出される瞬間があってそこが私的にツボだったりする。『赤いレモンティー』然り『oblivion 』然り「泣きビッチ」系統の曲は全てそういう印象を持っている。そして本曲も例外ではない。悲しみで憎しみでもなく心の底から突き上がるような感情そのもののような涙が溢れるものだ。

 

6.トリコロール🇫🇷

次は後半戦の6曲目『トリコロール』である。


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青い海 白い霧 赤い夕陽

正にトリコロール。思えばWtB楽曲は時折色がモチーフとして音像化されてきた。「赤いレモンティー」「青い舟」そして「colors」などが挙げられよう。

でもそれは解釈を色彩で固定するのではなく自由なのだと思う。例え色が見えなくても音楽には色がある。

そして以下のフレーズも忘れてはなるまい。

I'll be there I'll be there I'll be there

きっとずっと旅の途中

正にこの目まぐるしく変化していくミュージックシーンに残り続けることを希求するような一節である。トリコロールとはehi、nao、mieという三人のメンバーであり、彼女らの放つ音像であり、WtBとライブハウス、そしてオーディエンス、という3つの要素をも示唆しているのかもしれない。


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7. place

シンプルながらとても力強いフレーズが印象的な7曲目の『place』だ。

円陣組んで重ねてきた手

ステージから放つよ、未来

正にここにどストレートなまでにLIVEバンドとしてのスタンスをマニフェストした、WtBがWtBたり得るスタンスを音像化したパンクが鳴っていると言って良い。そしてこのタイトルである『place』は間違いなく彼女らの主戦場であるライブハウスそのものであるのと同時にもっと広い意味での心の居場所をも含意するのだろう。本曲はそんなことをはっきり明示してくれる。

 

8. 季節外れの桜 🌸

いよいよ終盤戦、ライブにおけるクライマックス性をも感じる8曲目だ。


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自分らしく咲き誇れ

諦めてないだろう

このフレーズの中に正に自らに言い聞かせ、他者に問いかけるようなバンドアイデンティティが音像化されている。季節外れにひっそりと咲く桜の美しさにこそ尊さだとか強さがある。正に世の中に星の数ほど現存するインディーズ・バンドを代表するような曲だ。そして、因みにふと思い出すのがあの世界のエンターテイナーであるウォルト・ディズニーが放った以下の名言ともシンクロする。

The flower that blooms in adversity is the rarest and the most beautiful of all. 
(逆境の中で咲く花こそが最も貴重でかつ美しい)

ーWalt Disney(ウォルト・ディズニー、1901 -1966)

正に世界のエンタメ精神とWtBがリンクした瞬間でもある。

 

9.tonight

8曲目の勢いをさながら継承して9曲目である。


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煌めく街の灯火が

 tonight tonight

今夜も眠りにつく

正に本曲こそがWtB名義以降の「最高傑作」と呼称しても大袈裟ではあるまいどえらい名曲である。バンドダイナミズムとWtB特有のメロディアスさ、そしてまるで素晴らしいliveを観た帰り道のようなポジティヴィティ溢れる歌詞とが絶妙に調和を成している。

私はこの曲にこそWtBの音楽における強さに根差した「優しさ」をも感じたりする。3ピースから織りなすバンドサウンド写像するのは日常を鳴らすパンクロックだ。それは彼女らの日常であり、オーディエンスの日常であり、まだ見ぬ未来のオーディエンス達への日常でもあり、WtBの描く音像はどこまでも人を信じる事をやまずどこまでも自由に広がってゆく光さす曲だ。ここで種を少し明かすと私が今回のアルバムに『スーパーマン』とのシンクロを感じたのは紛れもなくこの曲である。

 

10.years🎸🥁

そして10曲目、アルバム最終曲を飾るのはタイトル曲でもある『years』である。


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選んできた道は間違いじゃない

アルバムラスト曲でありながら何かの始まりをも示唆する力強いフレーズ。どこか第二期Who the Bitchのライブ定番曲『zero』に対してのセルフアンサーでもあるような印象を受けた。そしてタイトルは「今までの二十年間の年月」と「これから重ねていくであろう年月」とのダブル・ミーニングを含意するのだろう。更に以下の一節にも注目したい。

刻んでいけ

I go, I go, I go

6曲目『トリコロール』における「I’ll be there」というフレーズとどこかしらリンクしていくような感覚を覚える。

 

Concluding Remarks〜『years』はパンクロックなのか?

さてここまでWho the Bitch名義から続く20年の集大成でもあると同時にWtBとしてのデビューアルバムとしても聴けるエヴァーグリーンな名盤であるものとして印象的なフレーズ、過去曲などを踏まえ一曲づつ論じてきた。個人的にチリヌルヲワカチバユウスケoasisなどの本格的なロック愛聴者だけでなく、純粋にポップスリスナーにおいても心の琴線に触れる何かがあると思う。


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そして本記事を執筆するきっかけとなった「パンク性」とは何かについて考察したい。こうしてアルバム全曲聴いてみてもわかる通りここで描かれているのは自らのバンドヒストリー「今まで」を振り返るだけでなく、がむしゃらに突き進むこれから「これから」をも盛り込んだ歌詞の曲が大半を占めていることがわかる。少しここは振り返ってWtBにおけるバンド観を振り返る必要があるだろう。

先ほど触れたアルバム4曲目『node』にはこういうフレーズが存在する。

それぞれが軸として光放つ

ここに私はWtBのバンド観を見る。そしてこの「それぞれ」というのは別にバンドメンバーに限定したそれではない。私は以前コロナ禍時代に開催されたWho the Bitchの『ビッチフェス』配信ライブ全般を通じて、以下のバンドとライブ、ライブハウス、そしてそこに集いしオーディエンスに関する記事を書きバンド観について以下のように結論づけている。

nenometal.hatenablog.com

「band」と一口に言っても必ずしも我々が常日頃からギター・ベース・ドラムなどのいわゆる楽器や音楽的センスに秀でた集団だけを指すのではないことが分かる。例えば、あるバンドがライブをするということになれば、そこに集いし【音楽に魅せられ、熱狂する者】たち全てが広い意味で「band」という風に解釈できるのではないだろうか。 

そう、この「光放つ軸」とはここでいうバンドメンバー、ライブハウス、そしてオーディエンスとが構築するトリコロールを構成するnodeではないだろうかと思う。正にこの3つの信頼関係のもとで構築される真っ向勝負なバンド観。そして、ここに冒頭の章で紹介した『スーパーマン』のある場面が想起されるのだ。

ロイス「あなたは人を信じすぎるのよ。」

ケント「いや、でもそれって僕がパンクなんだってことだよ。」

この台詞を鑑みて、主人公クラーク・ケントのいう所のパンクが正しいものだとすると従来の世の中へ「ノー」を中指を突きつける反逆・反骨精神の具現化のような「パンク」は死んだ、とさえ思える。少し具体例をあげて考えてみよう。今現在ライダースだのクロムハーツだの黒スキニーだのDr.マーチンだので全武装してあとオプションとしてモヒカンヘアーだったり、中指を突きつけている連中のどこに「生きたパンクスピリット」があるのだろうか。そして度々話題に上がる「ダイブ・モッシュ」肯定論もしかり。

*4

少なくとも私はそこには半世紀前の様式美にすがりついてるだけの「Conservativeness(コンサバティブネス、保守的状態)」しか感じない。だからこそ「優しさこそがパンクなのだ」というクラーク・ケントの言葉にこそ説得性を持つのだ。調子乗ってもっと言ってやろうか。最近特に思ってるがLIVE文脈で真の意味での「熱狂」は死んだと思う。中高年層の人間で塗り固められたフロアでの所謂オールドロックで起こる熱狂じみたアクションは「こういうの好きでしょ?」的なショーに過ぎないものが非常に多い。かといって方や若年層で塗り固められたワチャ系LIVEでは革命が起こってる訳でもなくて、お行儀の良い「内輪ノリ」が大半だ。パンクやロックだけではない。もはやLIVE自体が死んでいるとすら思う。そしてそこに力強くも現状を受け入れ、時には挫折しながらも前を進もうとする、そんなバンドヒストリーの中での日常を鳴らすサウンドトラックのような『years』の音像とがシンクロするのだ。そんな、世界へ広がっていくような10曲の魂はひたすらに、正に空を飛び回るスーパーマンのように自由で力強く、そして優しい。この彼女らがキャリア20周年の集大成のようであり、はたまた改名後のデビューアルバムとも言える本盤は以下のようにマニフェストをしてくれる。「その怒りの拳を空に高く翳せ。そして、この音に耳を澄ませ。もっと声をあげよ。」と。

 

 紛れもなくWtBは「今」のパンクを鳴らしているのだ。

*1:

ja.wikipedia.org

*2:Who the Bitch時代の記事はこちら。

nenometal.hatenablog.com

*3:余談だが因みに本曲、イントロからAメロにかけて個人的にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT時代のチバユウスケを感じたりする。

*4:それに関連して最近、著者はダイブ・モッシュに関してこのような元も子もねえ論をポストしている。

To Rock & Pop Music Enthusiasts: 映画『#ボールドアズ君(The Bold As You)』English review

1. overview

『ボールド アズ、君(Enlightitle;bold as you)is a Japanese adolescence movie whose main cast Tama-chan is searching for her own way of living a full life by playing her favorite guitar as well as which devoted to those who are crazy for rock&pop music all around the world.*1


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As for the main cast, Tama-chan(伊集院香織), although she used to be a lonely geek in her high school days, she is gradually getting to notice an important thing that she wants to be like charismatic artist on the live stage.
Exactly, she must be saved by the music.
 


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In this movie, Tama-chan’s longed-for artist is Heishi Yuiko who’s the main vocalist of Kage-razu(翳ラズ、カゲラズ) that can play both rockn’ roll dynamism and fragile&sensitive mental landscape that is peculiar to youth just like her.
This is the theme song of『ボールドアズ、君』as follows.


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This is a live version of Kage-razu’s “Bold as you” in the live house Big Cat in Shinsaibashi where the most of live scenes of this movie were shot two years ago based on the real lives.

 

2. various musicians

Thus, we can enjoy the real live concert’s dynamism by watching this movie.In this movie, in addition to theme song, we should pay attention to various kinds of bands that they usually perform around the live house in Shinsaibashi.
Especially, Sumurooth(スムルース)‘s 『美しい世界
(beautiful world) shed a light on Tama-chan’s mental scene.Moreover, P-90 is indispensable band in this movie, the vocalist of which is Suzuki Hiromu who is a solo singer but has powerful vocal and aura as rockn’ roll star.


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ボールドアズ君 is such a movie as rockn’ll roll band spirits, dynamism, and Romanism’s been still alive until now.Another important band is Ashigaru-youth(アシガルユース) that expresses the delicate, positive&nostalgic world with dynamic rock sounds.  


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This song, 『青い自転車』(blue bicycle) is not only their killer tune of live, but also bring the positive light to this movie, ボールドアズ君.The reason why we can enjoy such a rockn’ roll dynamism in ボールドアズ君 is the director of this movie is an active musician whose name is Takashi Okamoto(岡本祟), who can write various kinds of music, play the guitar wildly& direct the enthusiastic live space in live houses.Main cast Tama-chan(伊集院香織)is a vocalist&guitarist of the band(M1LKYWAY, みるきーうぇい).


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 So, this story has some overlapping points where she used to be introspective in her teenage but tried to search for hopes in listening&playing music.
『ボールドアズ君』might be her documentary. In『ボールドアズ君』, we can come across a guitar-battle scene&surprisingly, this event is a real live event that had really held in a live house (Kobe D×Q) where about 80~100 audiences are enthusiastic for witnessing they playing guitar.

 

3. The linkage between music&movies

In this movie, we enjoy such an enthusiasm.『ボールドアズ君 isn’t just a adolescence&music movie, but the movie that we can experience dynamism of live music mainly based on indies in Japan, such as 翳ラズ, p90, スムルース. In this context, we can witness continuations of movie every day in many live houses until now.

 Before watching『ボールドアズ君』, you might want to try 『ディスコーズハイ』(discords high)that is Okamoto director’s previous masterpiece that has common with this movie in that a woman find a favorite thing (music)by promoting a minor band, and p90&後藤まりこ are also appearing.


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Let's turn to the past. On November 23th in 2023, it was for the first time that Director Okamoto presented a concept of making a movie based on indies rock band& mini theater recognize by making the use of cloud founding.

 Exactly it was the moment that we know beginning the project of『ボールドアズ君』.

Director Okamoto once said “There is an unnecessary border line between live house &mini theater in the entertainment society, but I wanna destruct this border."

Clearly, this statement will be necessary core of 『ボールドアズ君』&any other works even if they are music or movie.Such a borderless-idea between music&movie reflects the casting in Okamoto works.
The representative example is potesara-chan(ぽてさらちゃん) who is a solo singer as well as an actor&doesn’t cling to genre of entertainment. Thus, she plays an important role in 『ボールドアズ君』.


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Okamoto’s attitudes suddenly spread to Tokyo, where event space live bar-pega(バーペガ) understand the attitude& the owner 古郡翔馬 had kindly consent with decorating the poster of 『ボールドアズ君』 on the wall.

 Because he also knows there’re no borderline between music&movie. The other music bar that is understanding Okamoto’s borderless-between-music&movie is TAKAITOW located in Kayanacho, whose owner, Namita Sui is not only a musician, but also taking music video for indies artists. In that respect, they seem to have synchronicity.

The thoughts that there’s borderless between LIVE house&Mini theater is clearly reflected by the Okamoto’s(コココロ) live.

 Most of the audiences must’ve felt as if to come across the ending of ディスコーズハイ and surely 『ボールドアズ君』 because the essence is almost the same.Concretely let me show you an incident; on June 2024 live in Teradacho, Director Okamoto lent his guitar for Ishikawa(who’s a member of P-90)instead of broken one.
Surprisingly, watching『ボールドアズ君』 may make you realize the same incident happened!

What a miraculous this is!

 Otherwise, this isn’t a miracle but rather a dairy event in that such a miraculous incident’s  happening everyday in each live houses, where you can find not only kagerazu-like band but also tamachan-like person who’s searching for identification. 
 『ボールドアズ君』 is such a movie. In this live on April 2024,  Director Okamoto fell down as if to be crazy playing their standard tune“『じゃあねさよなら』(see you again), which
made us feel his rock &entertainment spirit.


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 I‘d like all the people who like ボールドアズ君 to watch his live. We should note that #ボールドアズ君 is NEVER a kind of  movie that only mania can enjoy within inner circles. As an evidence, in 2024 winter, digest video of this movie was on air at the center of Osaka(道頓堀). 


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This is a popular movie everyone enjoys!In an event related to 『ボールドアズ君』 , we witnessed 鈴木大夢(P-90) acting with a solo acoustic style.The most impress tune is “The moment(瞬間)”, among which he sung loudly “music is just the art of the moment”, which can be said to every entertainment.


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*1:日本語訳

1. 概要

『ボールド アズ、君』は、大好きなギターを弾きながら、自分らしい生き方を模索する主人公のたまちゃんを描いた日本の青春映画です。世界中のロック&ポップミュージックに熱狂する人々に捧げる作品です。

主人公のたまちゃんは、高校時代は孤独なオタクでしたが、徐々に大切なことに気づき始め、ライブステージでカリスマ性のあるアーティストになりたいという気持ちが芽生えていきます。

まさに、彼女は音楽に救われているのです。

本作でたまちゃんが憧れるアーティストは、ロックンロールのダイナミズムと、彼女と同じように青春特有の繊細で脆い心情を両立させる、カゲラズのメインボーカリスト、平石唯子です。
『ボールドアズ、君』の主題歌は以下です。

これは、2年前に心斎橋のライブハウスBig Catで行われた、影らずの「Bold as you」のライブバージョンです。映画のライブシーンの大部分は、このライブハウスで撮影されました。

2. 多彩なミュージシャン

このように、この映画を観ることで、実際のライブコンサートのダイナミズムを堪能することができます。映画では、主題歌だけでなく、心斎橋のライブハウスで普段演奏している様々なバンドにも注目してください。
特に、スムルースの『美しい世界』は、たまちゃんの心象風景を鮮やかに浮かび上がらせました。さらに、この映画には欠かせないバンド、P-90。そのボーカルを務めるのは、ソロシンガーでありながら、ロックンロールスターとしての力強い歌声とオーラを持つ鈴木ヒロムです。

また、この映画には欠かせないバンド「P-90」のボーカルを務めるのは、ソロシンガーでありながらロックンロールスターとしてのパワフルなボーカルとオーラを持つ鈴木ヒロム。『#ボールドアズ君』は、ロックンロールバンドのスピリットとダイナミズム、そしてロマンスが今も息づいている、そんな映画です。

この曲『青い自転車』は、ライブのキラーチューンであるだけでなく、この映画『ボールドアズ君』に明るい光をもたらしている。『ボールドアズ君』でこれほどのロックンロールのダイナミズムを楽しめるのは、この映画の監督を務めた岡本隆史という、多彩な楽曲を書き、ワイルドにギターを弾きこなし、ライブハウスの熱狂的なライブ空間を演出する現役ミュージシャンである岡本祟のおかげである。たまちゃん(伊集院香織)はバンド(M1LKYWAY、みるきーうぇい)のボーカル&ギタリストです。

このように、この物語は、10代の頃は内省的だった彼女が、音楽を聴き、演奏することで希望を見出そうとしていた点と重なる部分がある。

『ボールドアズ君』は、彼女のドキュメンタリーと言えるかもしれない。『ボールドアズ君』では、ギターバトルのシーンが登場するが、なんとこのイベントは、神戸D×Qというライブハウスで実際に行われたもの。80人から100人ほどの観客が、彼女たちのギター演奏に熱狂している。

3. 音楽と映画の繋がり

この映画では、そんな熱狂を味わうことができる。『ボールドアズ君』は、単なる青春・音楽映画ではなく、翳ラズ、p90、スムルースといった日本のインディーズを中心としたライブミュージックのダイナミズムを体感できる映画だ。こうした文脈の中で、私たちは現在に至るまで、多くのライブハウスで、この映画の続きを日々目にすることができるのだ。

『ボールドアズ君』を観る前に、岡本監督の前作『ディスコーズハイ』を観てみるのも良いかもしれません。本作と共通するのは、マイナーバンドのプロモーションを通して好きなもの(音楽)を見つける女性を描いた作品で、p90&後藤まりこも出演しています。

さて、少し遡ってみましょう。2023年11月23日、岡本監督はクラウドファンディングを活用し、インディーズロックバンドとミニシアターを題材にした映画を制作するという構想を初めて提示しました。

まさにその時、『ボールドアズ君』のプロジェクトが始まったと感じました。

岡本監督はかつて、「エンターテイメントの世界にはライブハウスとミニシアターの間に不必要な境界線があるが、僕はその境界線を壊したい」と語っていました。

岡本監督はかつてこう語っていた。「エンタメ社会において、ライブハウスとミニシアターの間には不必要な境界線がある。でも、僕はその境界線を壊したいんだ。」

この言葉は、#ボールドアズ君をはじめ、音楽作品でも映画作品でも、あらゆる作品の核となるだろう。

岡本の姿勢は瞬く間に東京へと広がり、イベントスペース「バーペガ」もその姿勢に共感し、オーナーの古郡翔馬は『ボールドアズ君』のポスターを壁に飾ることに快諾してくれた。

彼もまた、音楽と映画の間に境界線がないことを理解しているからだ。音楽と映画の境界線がないという岡本の考えを理解しているもう一つの音楽バーが茅野町にあるTAKAITOW。オーナーの浪田翠は、ミュージシャンであると同時に、インディーズアーティストのミュージックビデオも手掛けている。その点、両者にはシンクロニシティがあるようだ。

ライブハウスとミニシアターの境界線がないという思想は、オカモト(ココココロ)さんのライブ。本質はほぼ同じなので、多くの観客はディスコーズハイのエンディングときっと『ボールドアズ君』に出会ったように感じたはずだ。具体的に事件を紹介しよう。 2024年6月の寺田町でのライブでは、岡本監督が壊れたギターの代わりに石川(P-90のメンバー)にギターを貸してくれたのだ。

Electric Mama(#エレママ)最新にして最高傑作『Rock N Roll Universe』爆裂Review!!〜エレママにとってのブルースとは?

Electric Mama(#エレママ)最新にして最高傑作『Rock N Roll Universe』爆裂Review!!

〜エレママにとってのブルースとは?

Table Of contents

0.Preview of the Review

1. 『Rock N Roll Universe』〜Overview~

1-1.Rock N Roll Universe

1-2.Hyper Vega

1-3.Taxi Driver2 

1-4.Space Derringer

1-5.Sky Telepathy

1-6.Moon Diamond

1-7. Astro Dancer 

1-8.Baby Don'tCry

1-9.Starship Blues

1-10.Black Hole Love

Appendix.Emperor Of Sunrise

2.エレママにとってのブルース、そしてレジェンドとは?

 

0.Preview of the Review


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アメリカ合衆国ミシシッピ州ヴィックスバーグ生まれの主にブルースシンガーであるウィリー・ディクソンはこう言った。

ブルースはルーツさ

それ以外はみんなその果実(フルーツ)さ

ブルース(ズ)」を知るというのは、人の気持ちや考え方を知るということなのかもしれない。人の苦境に我が身を置き換えそうなった時の気持ちや考え方を理解する。ブルースはロックの重要なルーツの一つであり、ロックの歴史におけるブルースの影響は計り知れないものがあるブルースはロックの音楽的基盤を形成するだけでなく、ロックの精神やスタイルにも大きな影響を与えるものだ。そしてこれらのつながりは、音楽的な影響だけではなく、歴史的・社会的な背景にも深く連動するものだ。ブルースは、アメリカの黒人社会の文化を反映した音楽であり、ロックは、その文化を継承し、発展させてきた音楽である。ブルースとロックの歴史は、アメリカの音楽史における重要な部分であり、その影響は現在も続いているといえよう。そんな事を思って自身のアップルミュージックを使って「ブルース」を巡る旅をしていたら目を惹くアルバムに出会った。あのブルースのレジェンド、Muddy Watersが1968年に産んだアルバム『Electric Mud』である。これは古くからのブルースファンから賛否両論を呼びつつも若いヒップホップファンからは熱狂的に受け入れられたという点に俄然注目してしまう。この、ブルース→ロックの流れ、そして本アルバムに関しては以下のブログ記事において当時の状況が明確に記されている。

www.tapthepop.ne

『Electric Mud』はサイケデリック時代を反映した実験的なブルーズで、発売当時は酷評された。マディ・ウォーターズが作ったアルバムと思えなかったからだ。だがそれは間違いだった。ヒップホップ世代の若者たちには革新的に聴こえたのだ。

正にここにブルースがロックの根源たりえる所以があるのではないだろうか。ブルースといえどもスタイルを巧妙に模倣するのように継承するのではなく時代の空気感を取り入れ、リアルの音を鳴らし、未来への言霊として羽ばたかせる為の音楽である

正にこの時代以降の【ロック→プログレッシブ・ロック→パンク→ニューウェーブオルタナティブ...】と言った具合に次々に展開されてきたアティテュードが既にマディ・ウォーターズという古典的とも言えるブルースの英雄によって既に提示されていたのだ。

 そして本題に行こう。この偶然にも彼のこのブルースという固定概念をぶち抜いたアルバムのタイトル『Electric Mud』にも似たバンド名が日本のインディーズシーンに存在する。ズバリ、【Electric Mama】(以下、エレママ)である。そして更なる偶然は彼らの現時点で最新作である『rock 'n' roll universe 』に関して個人的に強く感じる要素は【ブルース】だったので私の驚きは二重になった。*1ここで注記しておくと収録曲の中にはそういうブルース性を示唆しているものもあったりとかいうことは抜きにしてもコアレベルでそれを感じるのだ。そこで本記事では『Electric Mud』と【Electric Mama】、「ブルース」と「ロック」この偶然にも貼られた伏線のようなキーワードを基にこの『rock 'n' roll universe 』の収録曲をレビューしたいと思う。


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1. 『Rock N Roll Universe』〜Overview~

このアルバムは2024年12月20日にリリースされた。とはいえそれ以前も含めて数多くのLIVEと共に駆け抜けたエレママの20年を象徴したかのような正に10もの魂の結晶がここに存在するものといえよう。従来の音源以上にBPM早めのクールなEDMロックンロールナンバーが続き、だからこそ8-9曲目に連続するロックバラードである『Baby Don't Cry』、それに続くエレクトリック・ブルースStarship Blues』の展開がとてもエモい。

このようにクールもエモも熱狂も全てがここにある感覚はLIVEモードでのエレママをが炸裂した傑作であるともいえよう。

以前X(旧Twitter)にてこの盤を聴けば「少なくとも10回は宇宙にぶっ飛べます」と記述したことがあるがその理由を述べると、ラスト曲『Black Hole Love』でブラックホールにブッ飛ばされるのだ。また一曲目に戻ればいい。一度聴き終わっても回帰的(recursive)な流れになってるのでリピートが止まらないのだ。
そこにあるのは宇宙の普遍とロックとELECTRICMAMAと....わっしょい。『Rock N Roll Universe』はそういうアルバムである。

そして次にこのアルバムのアートワークにも注目したい。あの土星のようでもあり人間の瞳のようでもあり、SNS上におけるXのGrokのマークのようでもあり、その全てのようでもあり或いは全く未知のものでもあるようだ。
 正に生活のワークスペースを彩る音楽が宇宙(space)を感じる世界観たり得る名盤である事を示唆している。


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1-1.Rock N Roll Universe

『Rock N Roll Universe』の表題曲であり一曲目を飾るハイパーロックンロールチューンである。
中でも

感覚が研ぎ澄まされてく 光の速さで翔べたら

というフレーズがあるが正にエレママが構築するLIVE空間そのものを象徴している。本気の冒険が今ここから始まる🪐

この『Rock N Roll Universe』のMVにおいて「universe」というワードが「人類→生活→世界→宇宙」へと多様な意味を内包する事を証明するかのように「DNA→計算体系→脳内体系→銀河系」など様々な映像を垣間見る。

「この音像からあなたは何を感じる?」という彼らからの挑戦状がここにあるものといえよう。


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1-2.Hyper Vega

一曲目の勢いを継承し「銀河で最高に光り輝く『Hyper Vega』 であらん事を。」と我々にも、エレママ自身にも問いかけるように歌い上げるEDMロックチューン。
【等身大から完全体、そして最果て】へと連動していくような世界観。ここから描かれる理想はロマンチシズムすら超えていくような感覚に見舞われる。それにしても、エレママのMVを観てていつも思うのが人間の計算体系に基づいた近未来像、宇宙観などエッセンスを維持しつつその曲にしかないオリジナリティも忘れない点。
本MVでは映画Ghost in the shell (攻殻機動隊)』に顕著なオリエンタリズムが炸裂しているように思えるのだ。


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1-3.Taxi Driver2 
怒涛のエレクトリックダンスチューンの2曲を経て更に深くなっていく。正に永遠と幻想の狭間に揺れるようなイントロにグッと引き込まれ、まるでNWの世界へと【僕らを連れて行ってくれ】るような3曲目である。


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1976年の同タイトルの映画をモチーフに作られた事からも分かるように様々な情景も浮かぶ幻想的な一曲。TaxiDriver2 を初めて聞いたのは思えば、2年前の夏のアコママ(アコースティックスタイルでのエレママのライブ)である。

その時の印象は音源におけるNWアレンジと言うよりもむしろ情感たっぷりのゾクゾクするフォーキーかつブルージーなアレンジで「わたしを置いていかないで」というArisa Zombieのモノローグと相まってヒリヒリと私の心を揺さぶった。


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更にいえば、ここ最近よくロックと政治性について考える事が多いのだが、ここで言う政治性とは社会性とも拡張されようが、ロックが社会的批評性を失ってしまったらそれはもはやロックどころかポップスではあり得ないとすら思う。
そう、本曲がそれを雄弁に教えてくれる。

論争が生まれていく

グラグラと崩れていく

さっき前の当たり前が

目の前で変わっていく

 

1-4.Space Derringer
今まで時折覗かせていたアイロニックな視点は消え失せ、タイトル通り世界へ銃口を突きつけるかのようなエレママ史上最もストレートさと攻めの姿勢をも同時に感じ取れる、思えば正に20周年アルバムのパイロット曲の爆誕だった。

#ELECTRICMAMA
梅田BANGBOOと言う新たなライブハウスで新たに生まれた『#SpaceDerringer』という曲がまるで地上からスペースへ向かって打ち上げられた瞬間を目撃できて心底良かった。もはや無謀なまでに美しい光景だった。セトリハイライトに敢えて新曲で真っ向勝負をかけてくる #エレママ は最強だ。 https://t.co/Kvl9oHepS9 pic.twitter.com/2ba94w3fGJ

— ネノメタル𒅒Ahead Of the TRUTH (@AnatomyOfNMT) 2024年9月13日

今夜新たな宇宙の誕生を祝福したい衝動を掻き立てるイントロが戦いの火蓋が切られた事を示唆する世界観を誘導する。
思えば『Rock N Roll Universe』とは飛翔のALである。
...というのも本曲で【羽ばたく】というフレーズがあり一曲目

光の速さで翔べたら

とシンクロするからである。


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本MVでも「飛翔」というキーワードが翼を持ったバレリーナという形で具現化されている。更にディストピアを描いたジョージ・オーウェル1984のように操られた独裁者に洗脳されたかのようなTV男達の存在。どれも曲の輪郭を際立たせてくれる。

1-5.Sky Telepathy

アルバムも中盤戦。5曲目はKenji Zombieのボーカルである「Sky Telepathy」である。まず前提として彼のギターソロに感じる音色がふくよかさだとか、幻想性だとか雄弁で、まるで言葉を放っているかのような印象があるのだが本曲におけるこのボーカリゼーションには全く同じ印象を持った。

正にしなやかさと強さと優しさが共存しているのだ。


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次に歌詞に目を向けてみよう。

空の向こう側 君へのtelepathy

正にここでも映像が浮かぶ音像であるといえよう。

映画『インターステラー』を彷彿させる一節で、あの映画に顕著な壮大なテーマの根底にあるヒューマニズムを感じ取れるエレママのもう一つの一面がここに。

そこにはKenji Zombieのボーカルにおける貢献度も高い。そして話は脱線するが本曲の浮遊感に関して思い出すバンドがある。ナンバーガールくるりなどと共に1990年代末〜2000年の間コアながらもミュージックシーンを牽引してきた「snoozer系のバンド」であるスーパーカーである。

本曲を聴くと『YUMEGIWA LAST BOY』を聴きたくなる。
正に時を超えて音像達が共鳴し合う瞬間である。


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1-6.Moon Diamond
 本盤には一つの大きなコンセプチュアルなストーリーがあるのではないか?それを確証させるのが本曲『Moon Diamond』の存在である。


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地上での運命に抗えず月へ向かって

今度はもっと分かり合えたら愛し合えたかも

と愛を希求する登場人物の心象風景を写像する本曲。

そして私はここにもブルースがあると考えている。

そしてこの曲に私はどこか先ほど引用したスーパーカー以降の90sJ-POPの幻影を見る気がする。どこか相川七瀬『夢見る少女じゃいられない』のようなヤンキー文化を経た当時の若者が歌うポップスの面影を見る気がするからというのもあると思う。この辺りの影響についてはよくわからないが。既存曲で行けば『普通じゃない』にNew Order『Blue Monday』要素を加味してJ-POPのロマンティシズムを浮き彫りにした印象がある。


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1-7. Astro Dancer 

そしてこのアルバムを全曲通しで聴いた人は、いや正確には昨年6月Kenji Zombieの誕生日と共にドロップされて以来、LIVEでも音源でも何度も聴いてきた人にとっては本曲のイントロが鳴った瞬間人半端ではないカタルシスがあるのではないだろうか。ズバリ『Astro Dancer』である 。
間違いなくエレママど真ん中であるこの楽曲。宇宙も愛もロックも全開だ。最近のエレママ新曲群は宇宙とリアリティとは常に地続きである事を教えてくれる気がする。
そう「Space」が空間と宇宙を意味するように。
今回もAstroDancer とは決してアンドロイドなどではなく人だとでも言いたげな本MV。これほどスケールのでかいラブソングを他に知らない。


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個人的に本MVは伝説のアップル社CM『1984』さながらデジタルディストピアに支配された社会に一人悶々としている女の子がやがてKenji Zombieのギターを浴び一人の人間としてそこから解放され恋をして夢を持ちダンスをするまでの物語と受け取っている。


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1-8.Baby Don'tCry

『Rock N Roll Universe』とはエレママの進行形であると同時に集大成だとも位置付けていてそれを確信したのが『Baby Dont Cry』。


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1stAL『The Wall』収録曲をセルフカバーというよりも今現在のテンションで真っ向勝負で演奏している。エレママブルーズは止まない。『Baby Dont Cry(『The Wall』ver.)を聴聴きながらブルースマン、ウィリー・ディクソンの言葉を再び思い出す。

ブルースはルーツさ。その他はそのフルーツさ。

ここからあのロックダイナミズムも強さの中の優しさをも感じる歌詞世界がスタートしたのかも。
正にエレママの原風景がここに。


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1-9.Starship Blues
これぞ最新のエレママが今のモードで鳴らすエレクトロックブルースだ。それにしても全編に縦横無尽に広がるギターサウンドの煌めきは銀河の星の輝きのようでありキラキラと光る瞳のようでもあり...どこかアートワークともシンクロするようだ。


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ある朝 孤独を感じて この世でひとり

どうしようもない寒さに動けなくなる戸惑い

心の奥では招いた鼓動あのこが小さい声で

ドアを叩くよ 呼んでる

どうして人は求めるのだろう

どうして人は繫がるのだろう

どうして人は与えるのだろう

どうしてどうして

ここで特筆すべきは、本曲の内省的とでも称しても良い心の叫びである。人によってはあの「わっしょい!」と叫び、ライブハウスをダンスフロアと化すあのエレママのライブから想像すれば、意外に思われるかもしれない。しかし、これを人が音楽を愛する理由という文脈で本歌詞を読み込んでいけば正に原風景でもあるのだろうとも考えたりもする。まさにここにあるのは普遍的なまでの人間の心象風景であり、言うなれば紛れもなくBlues(ブルース)なのだ。私はこの曲のみならず、このアルバム全体にブルースを感じる理由があるのは本曲の存在意義が非常に大きい。

 

1-10.Black Hole Love
アルバムラスト曲であり2年前のKenji Zombieの生誕を祝うようにドロップアウトされた最初の『Rock N Roll Universe』の要素を持つ曲である。

合図をするから来世で逢いましょ

『Distopia Parade』が「祈り」ならば本曲は「約束」の歌である。エレママ新曲『Black Love Hole』セトリのどの位置で放たれるかに注目していたが、正にダイナマイトにニトログリセリンをぶち込むかの如く最も盛り上がりを加速させる中盤だった!彼らはキラーチューンに頼らず真っ向勝負に出たのだ!
このアティテュードこそ最高の起爆剤だ。


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本曲は『Distopia Parade』以後の光景のようであり、ROCKのドグマとはバカ明るい太陽光ではなくブラックホールシャドウから滲み出る歪な炎にこそ存在することを教えてくれる最高で最狂なスペイシーなダンスチューンである。

以前「エレママliveでは二人を操る"第三のメンバー"を見る瞬間がある。」とXでポストしたことがあるが、MVの担う役割がめちゃくちゃ大きいと思う。このカッコいい音像をビジュアライズ化する事によって更なる『Black Hole Love』像が確立するのだ。私なりの解釈として本曲に限りなく感じるのは「怒り」であり「熱狂」であり「アンダーグランドからの突き上げる拳の強さ」である。
もうバカみたいなことをいうが私には最近のワチャワチャ系みたいな内輪ノリの音楽は必要ない。エレママの音楽が、ライブがあれば生きていける、闘っていける。  

 

Appendix.Emperor Of Sunrise

このブログ記事ドロップアウトより12日後、Kenji Zombieの生誕を祝うかのように生まれたまっさらな新曲だ。


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そこに描かれるのは風、太陽、月、夢、そしてそこで鳴り響く懐かしい「音楽」の存在
本記事で触れたようにスペーシーな世界にブルースを取り入れた傑作『rock 'n' roll universe 』の次なるヴィジョンがこの音像にある、と断言して良い。銀河を彷徨い、空との交信をし、ブラックホールを抜け、地上に降り立ったこの新たな光景は今まで以上に力強く鳴り響く。とここまで書いてふと思い出す曲がある。アルバム収録曲の『SKY TELEPATHY』である。まさにこの曲において登場人物は宇宙ではなく地球上にいる事が以下のフレーズで示唆されている。

空の向こう側 君へのtelepathy

そしてこの『Emperor Of Sunrise』も同じく「地上曲」であるのだが、どこかあの曲とシンクロし、時を超えて共鳴し合っているような気がするのは気のせいだろうか?

夜明けまで踊りたいよ

離れないで離れない 

風と太陽息を合わせて

Emperor Of Sunrise

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そしてこのmvも新境地だ。
従来のmvではライブシーン含めアクロバティックにパフォーマンスする二人の姿が描かれるものだが今回一切それがない。
動かぬエレママ。
無表情のエレママ。

歩き出すエレママ。

だが、二人の佇まいが既に音像を掻き鳴らしているのだ。

日常という名のスペースの中で日常という名のブルースを鳴らす。

 

2.エレママにとってのブルース、そしてレジェンドとは?

本レビューの締めくくりに2025年5月21日に寺田町Fireloopにて開催された「音不死-Autopsy-vol.2 大阪解剖室」での私にとっての最新のエレママのライブの模様をレビューすることで本記事を締めくくりたいと考えている。youtu.be

「音不死-Autopsy-vol.2 大阪解剖室」 @寺田町Fireloop

setlist

1.生命のダンス

2.zero

3.Black Hall love

4.Space Derringer

5.moon Diamond

6.rock 'n' roll universe

7.Baby Don't Cry

8.Dystopia Parade

9.Wall

10.Zombie

理由はシンプルで最&高を更新したからだ。もっと具体的にいえばこの日は特に『Evil Heat』期のプライマル・スクリームのようなエレクトロパンクスピリットを感じたからだ。『rock 'n' roll universe』に顕著なスピード感溢れるロッキンブルースとあの頃のプライマルに顕著な荒削りなEDMパンクとの華麗なる融合した正にオーディエンスの誰もが「世界はエレママが必要だ」ともわ思わせた瞬間でもある。

このエレママは日頃決して共演しないであろうSAISEIGA、ストロベリーソングオーケストラというメタルバンドが中心で、アウェイな雰囲気も確かにあった。そうした対バンだとかハコの資質を意識してか一貫して【攻めママ】であったと断言できよう。従来のライブスタイルに加え、ハードロック&ブルースの荒削りさに根差したエモさを投下したような印象を受けた。
そしてそれが顕著だったのはやはり8曲目の『Baby Don’t Cry』だったし、
エレママの音楽が原点回帰するかのようにどんどんコアになりLIVEパフォーマンスも更にダイナミックになっていく事を確証させるのが本曲である。
5曲目『Moon Diamond』地上での運命に抗えず月へ向かい

今度はもっと分かり合えたら愛し合えたかも

と愛を希求する心象風景を辿るこの音像の美しさよ。
そして9曲目『The Wall』ここ最近、私は本曲が放たれた時にはもはや完全に目をつぶってしまっている。
この曲は聴くよりも観るよりも「体感する」に尽きるからだ。
音像のシャワーを浴びる。
ロックンロールを浴びる。
そして、レジェンド達の音を浴びる。
エレママは全てをフロアにぶつけてくれるのだ。
ほんとに思うのが、エレママのライブでは色んなレジェンド達の面影を感じるのだ。最近よくロックと政治性について考える事が多い。ここで言う政治性とは社会性とも拡張されようが、ロックが社会的批評性を失ってしまったらそれはもはやロックどころかポップスではあり得ないとすら思う。

そう、本曲がそれを雄弁に教えてくれる。
それはニューオーダーであったり、スーパーカーであったり、プライマルであったり、アンダーワールドであったり、或いはエアロスミスであったり、パティ・スミスであったりと彼らが築いてきたルーツがフルーツとなり様々な形で結実しているのを感じるのだ。正にブルースがロックと化し、ヒップホップとしての萌芽を見出した1968年のMudy Watersのように。ここでARISA ZOMBIE、KENJI ZOMBIEの二人がが私にX(旧Twitter)でリプライしてくれた言葉を引用しよう。

『Rock N’ Roll Universe 』が世に放たれてから、また更にそのレジェンド達の数が益々激増しましていくような感覚を覚える。そうだ。エレママのライブはレジェンド達のスピリットを継承し常に進化し続けていく。
そして私はエレママを正に「更新し続けるロック史」である。そう言える根拠はもっとプリミティブな所にあるようにも思う。唐突に引用するが、あのアメリカの小説家、詩人であるヘミングウェイはこう言った。

The world breaks everyone, 

and afterward, some are strong 

at the broken places.

 

この世では誰もが苦しみを味わう。

そして、その苦しみの場所から強くなれる者もいる。

正にこの言説の中にエレママの音楽、そしてライブから感じるブルースやロックスピリッツは強さにこそあるのだと思う。

他のレジェンドたちがそうであるように。

そしてレジェンドたちよ、安らかに眠れ。

世界よ、今こそElectric Mamaを聴け。

これはそんな11767字の物語である。

 

 

*1:エレママに関する個人的出会いや既存曲、アルバムなどに関する過去の記事はこちら。

nenometal.hatenablog.com

ボールド アズ、君。レビュー〜LIVE映画なのか、映画のLIVEなのか?

ボールド アズ、君。レビュー〜LIVE映画であり映画のLIVEでもある『ボールドアズ、君。』ここに降臨!!

1.impressions
来年本格上映の本作はクラファンで参加しているので試写会において一足早く鑑賞しているのでネタバレなしに感想を述べることにするが、まず一言。Live シーンの臨場感にひたすら圧倒された。もうこれはライブ映画であり、映画のライブである。
具体的にいいえば、関西近郊ではその名が知れ渡っているロックバンドである「スムルース」や「アシガルユース」だとか、岡本祟監督による長編第一作目『ディスコーズハイ』でもお馴染みの映画オリジナルのバンド「P-90」、そして本作のオリジナルのバンドである「翳ラズ(かげらず)」ととにかくLIVEハウスでのバンド勢の演奏シーンが美しすぎて力強くてそれでいて光に溢れていて、普段からライブ慣れしている私でさえ思わず目から大量の水分が溢れ出たほどだ。


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因みにスムルースのあるライブ定番曲がめちゃくちゃ良い感じに使われてるんだよな。

鑑賞後この曲を口づさみながら帰宅したものだ。
 本作は、日頃主に心斎橋周辺で血と汗を流しパフォームしている彼らにありったけの愛情と光を当てている音楽映画であり、今後音楽を愛する全ての者達を祝福するアンセムにもなる事だろう。


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そしてドラマの中核を成す登場人物らにも少し目を向けようか。
 今回は『ディスコーズハイ』でも冒頭にちらっと路上ライブシーンで登場した珠ちゃん(伊集院香織)が主役である。本作は彼女の孤独なオタク時代から直向きなオタクになり、ステージでカリスマアーティストから見つかるまでの最高のヒューマンドラマでもあるのだ。
2025年、多くの人がそんな彼女に救われるだろう。彼女だとか、井澤雄一郎(津田寛治)の心象風景にフォーカスしてザワっと変わりゆく部分にヒリヒリ共感しつつ鑑賞した。 それと関連して私的2024年ベスト1の『ブルーを笑えるその日まで』のアンと『ボールドアズ君』のたまちゃんの孤独なオタ時代の心象風景が物凄くオーバーラップする。
 来年辺りでも映画館によっては両作をフィーチャーした「令和の青春映画特集」みたいな企画するのも大いにあり!とふわっと提案しときたい。
 いや〜、それにしても頭を掻きむしる仕草やらアヒル口で札束を数えるシーンがあそこまでカッコ良くてサマになる人は後藤まりこ氏以外に考えられません。「お騒がせしてすいません」といってレコード会社の人に無理やり謝られるシーンはやけに現実の彼女からと大いにオーバーラップしてて本編とは関係ないところで笑ってしまった。

 

2.Focus
あと本作と前作長編の『ディスコーズハイ』との関係に関してだが、P-90も出てくるので「続編」と捉えるべきかもしれないが、時間軸として瓶子結衣子が生きているという事実から考えると前日譚としての解釈も可能である。その辺りの時間軸に関してはそれほど正確ではなく敢えて曖昧にしている向きもあるので観た人の解釈だけで捉えればこの上ないように思ったり。
その意味では個人的には『ボールド〜』のラストと『ディスコーズ〜』の冒頭とが繋がってくるように思っている。  
 そのことを象徴するエピソードとして本作のラスト付近のとあるシーンを観てその物凄い偶然に驚愕し鳥肌がたったものだ。
本作の初公開日の3日前、岡本崇監督率いるバンドであるココロロも出演していたHelplessTriangle (ちなみにP-90のメンバーであるイシカワさんがリーダーのバンド)のLIVEイベントでイシカワシ氏と岡本氏との間で本作のあるシーンと全く同様の「事件」を目撃したからだ。これはネタバレ抵触になるので明言は避けるが、ライブハウスで起こった事と映画でのワンシーンがクロスしてリンクしたのだ。


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正にライブハウスが映画となり、そして映画がライブハウスと化した瞬間であった。
そう、ここで注意すべき点は、本作は別にバンドを、音楽を、そしてライブを別に取り立ててデフォルメしたり美化したりした映画ではないという事。ライブハウスでは、もうありのままああいう事件は常に起こっているのだから。言い換えればライブハウスでは常に映画のような「ドラマ」が起こっている。
これはあくまで私見であるが、出演してなくてもエレママから鈴木実貴子ズからWtBからpod‘zからUekiSoyokaから優利香から東京でも仲良くさせてもらっている古郡翔馬などのバーペガ勢やなみたすゐなど多くのインディーズアーティスト達の面影がふっと浮かぶのだ。
 その意味で本作はLIVE映画であり映画のLIVEなのだと定義している。
だから映画ファンのみならずライブファンだとか音楽ファンにこそ体感してもらいたいダイナミズムがある。
以下、個人的雑感

①ぺつさん(未遂ドロップス)の「ああいう人いる」感と「あの方ならではの味」とのバランスが絶妙で良。
②内藤御子さんを昨日初めてBCライブシーンで認識。
③結局逃げるのに見つかるまでなぜかいるp-90の鈴木大夢さんがナゾで良。
④エンドロールのフォントがコココロらしくて良。
⑤あと少しだけ辛口な事言うが、ある場面で絶対有り得ない状況で「ある人物が他の人物に偶然出くわす」と言うのが2シーンほどあるのだがあれには違和感を覚えざるを得なかった。特に最初のはかなり強引なのでむしろ驚いたし、あの辺の若手男性俳優の演技も大げさすぎなのも相まって正直興醒めしたのも事実。そこが残念なので5.0は上げられないかな。スコアは4.8に。いくら映画だからってフィクションだからって遵守すべきリアリティというものがあるだろう。
あの場面はそこを大きく逸脱していた。

いつの日か、全国LIVEハウス爆音上映ツアーでもカマせばいい。というよりその為の下地を私は今密かに目論んでいる。

あの、キング牧師はこう言った。

Almost always, the creative dedicated minority has made the world better.
(常に世界を変えてきたのは創造的で直向きな少数派だ。)