いや〜、もうめちゃくちゃ音が良かったってか映像が1969年のものとは思えんかったってか凄かった。
そもそもビートルズ・ヒストリーの中でもアルバム『LET IT BE』の曲達ってもはや解散寸前でメンバーも仲が悪くて曲も寄せ集め感がなんとなくあって、陰鬱なアルバムってイメージを持ってたんだけど、その中の曲達がかくもエモーショナルに、ロックダイナミズムを持って鳴らされてるのかと新鮮な驚きがあった。ちなみに本作は、シネマサンシャイン大和郡山 IMAXレーザー席で『ナイル殺人事件』と立て続けに観たが臨場感がハンパなさすぎて本当にスクリーンと私との間に壁はなく、ほんとにエジプトにいたし、ビートルズも目の前にいるのような鑑賞レベルを超えた疑似体験。ここ最強すぎる。
あとこちらは2回目観て気づいたんだけど、ジョージ・ハリソンの最もビートルズを客観視してて冷静に状況分析するプロデュース力にもハッと気付いた。
LIVE中、警察がやってきた件を瞬時に察知してて、LIVE後、最もその要因について知りたがってて、の後即座に「その警察の件は映画でもありのまま使って。」ともうストーリー構成まで考えてたのだから。
あと、去年観たoasis『ネブワース1996』はあれだけ時間割いてフルで流したのがそれこそビートルズの『I Am the Walrus』のカバーだけというやや残念な面があったが、本作は1時間内で出来るだけ曲演奏シーンを盛り込もうとするそこはディズニーならではのサービス精神を感じたり。冒頭のビートルズヒストリーみたいなやつも短いながらもキッチリまとまってたし。
あの警察官達とスタッフとのやり取りもハラハラさせてスリリングだったし、正に半世紀以上を経てビートルズが戻ってきた(get back)ような気分だった。
あと興味深かったのは若い男性へのインタビューで「今のビートルズは嫌いだ。変わってしまったから。」という残酷かつ正直な意見のものもガッツリ収録されていた点。そりゃそうよね、いくら大物人気ロックバンドとは言え僅か8年間で「初期→アイドル→サイケ→原点回帰」というまで目まぐるしすぎる変遷を経たバンドだけにリスナー側が混乱するのは当然だろう。もうアルバムごと、いや曲単位で彼らの表情とか目の色とか髪の質までほんと違って見えるんだよ。本当に稀有なバンドだと思う。
てかJohn Lennonだけ取り上げるけど、ビートルズのデビューから40歳までの20年間これだけ髪型が変わろうが、髭が生えようが剃ろうが、グラサンだろうがメガネだろうが、メガネ外そうが全然印象ブレずにどの写真見てもやっぱり【ジョン・レノン】として認識されてるのかなり凄すぎると思うんですけどw
ふとこの映画でも最後辺り演奏シーンが収録されている「Let it be」のbeって実はbeatles自身ではなかろうかとも思ったり。
「Let it Be(atles)〜なすがまま、ありのままにビートルズのメンバーのままで居させてくれ。」との願いから敢えて解散を選んだ、と。そしてlet it beとほぼ同義のas it isを組み合わせるとBeatlesのスペルが完成するのだ。
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今日リリースされたthe Beatles “Let it be”2021Mixのアルバムタイトル曲“Let it be”がアップルミュージックのドルビーサウンドも相まって物凄く立体感あるサウンドになっている。
本曲には淡々としたイメージがあったけどここまでエモーショナルな演奏だと思わなかった。あとこちらはFerry Aidというフェリーが沈没した事件を受けてチャリティーで80sのスーパースター達が集って歌ったという伝説の「Let it Be」要するに『We are the world』のintuitionを取り入れた企画(なんて良い言い方ww)と言えよう。