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2023年最重要hero、#植城微香(うえき そよか)爆裂レビュー

2023年最重要hero、#植城微香(うえき そよか)爆裂レビュー

*1

0.対バンの「殺傷力」について考える

1.植城微香のもたらすインパク

❶Anly『Alive』

新山詩織『絶対』 

❸Nakamura Emi『YAMABIKO』

2.植城微香のオリジナル・ソング

Case(1);Sweet Little Demon

The Beatles『Here, there &everywhere』 

QueenBohemian Rhapsody 

Alicia keys『Underdog』
Case(2);星空ライブハウス

Case(3);Hero

Case(4);GAME SET, One More Crash

3.植城微香、未来へのパースペクティブ

Appendix;ミニアルバム『SO』Disc REVIEW

 


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Here’s to the crazy ones.

The misfits.
The rebels.
The troublemakers.
The round pegs in the square holes.
The ones who see things differently.

They’re not fond of rules.
And they have no respect for the status quo.

You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them.
About the only thing you cant do is ignore them.
Because they change things.

They push the human race forward.
Maybe they have to be crazy.

While some see them as the crazy ones,
we see genius.

Because the people who are crazy enough to think
they can change the world, are the ones who do.

 

[日本語]

クレージーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち

彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

彼らの言葉に心をうたれる人がいる。
反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。
しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。

彼らは人間を前進させた。
彼らはクレージーと言われるが

私たちは彼らを天才だと思う。

自分が世界を変えられると
本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから。

〜「Apple CM Crazy Ones」より

 

0.対バンの「殺傷力」について考える 

毎回毎回色んなライブに行ってるとふと考える事がある。

それは「対バン」についてで、そもそも対バンとはメインで観たい(聴きたい)アーティストとは違って当初は初めて聴く人が多かったりであ、イマイチだな、とかまぁまぁだな、とか個別脳内で色んな感想を抱く訳であってなかなかシビアなものである。たとえメインのアーティストと旧知の仲であっても聴き手にとっては「合わないものは合わない」訳で最悪の場合その対バンアーティストが演奏している一曲すらも超絶長く感じることがある。そういう経験は山ほどあるし、そう考えると逆に「対バンが良くて音源を購入する、もっといけばメインを超えるぐらいに心を撃つ」という現象は本当に物凄い事だと思う。もっといえばこれは「殺傷力」と言えるもので以前Anlyに関する過去記事で以下のように述べている。*2

これはAnlyのライブに行く度に思ってるのだが、ループ・ペダルでのパフォーマンスを録音したLiveアルバムか、このliveの映像集でもリリースしてそれが多くの人の目に触れることがあれば、膨大な数のSSWの立場をなくしてしまうだろうと思う。

 実際個人的に彼女のライブを体感したばかりに何名かのシンガーソングライターがネノメタル 内ライブ・レギュラーリストから見事に落選してしまった。だってもうAnlyのライブのレベルを体験してしまったら幾人かのシンガーソングライターの音楽やライブが自分の人生に全く必要なものでは無くなってしまったのだ。僕らも別にアーティストに対して義理や人情で音楽を聴いている訳ではない。これはシビアな話であるが"殺傷力"っていうのはつまりそう言うことなのだろう。

今回のケースでこれよりもすごいのはAnlyの場合は音源を予習して完全装備でライブを見てそう思ったのだから多少そうなることもわかっていたのだが、植城微香の場合、今まで名前すら全く聞いたことすらなくて初聴きでお目当てのアーティストを凌駕するぐらい圧倒されてしまった事。もちろんそんな経験は一年に数回かるかないかぐらいでめちゃくちゃレアだと思うのだが今回紹介する植城微香(うえきそよか)というアーティストは初聴きで一気に私の中でメインストリームに躍り出た奇跡的な存在である。

本記事では彼女の魅力について楽曲とストリートパフォーマンスに絞って思う存分論じたいと思う。*3

時代は変わった、いや時代よ変われ。

世界よ、2023年最強のHero, 植城微香を聴け!

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1.植城微香のもたらすインパク

まずは彼女との出会いを述べたい。あれは忘れもしない、1月31日の心斎橋にある真心場(まほろば)という関西近郊に住んでいるライブファンなら一度は耳にしたであろうライブバーでの出来事。この日天野花、Nachika、植城微香という女性SSWばかりの【Nachika 上京企画 特大スリーマン!「東西マイスター感謝祭!」】というイベントライブに行った。

*4彼女がブルーとピンクのオーガニックな柄のセーターにダボっとしたジーンズというカジュアルなファッションで現れ、ガシャガシャっとギターを鳴らした瞬時にわかった。

あ、これは来たぞと。

そう、もう瞬殺的に「あ、この人は何かが違う。」と思ったのだ。どハマり決定。そう、そしてこの感覚には実は既視感があった。思い起こせば2019年の4月に神戸のアコースティック・フェスティバルにて、Anlyがミリタリー風のジャケットをラフに羽織ってふらっと現れた瞬間と驚くほど類似しているのだ。何というか、何の特別な演出もBGMもなくてもう存在自体が才能の塊ってかもはや存在自体が「音楽」というか、もうルックスだとかファッションとかどうでも良くって完全に音楽が身についている人のオーラというか、存在自体が音楽といっても過言じゃない何かがあったのを思い出した。

正にAnlyの衝撃ふたたび。

もうそう思ったらだめ押し感ハンパなくて彼女がパフォーマンスに突入するとそれはもはや当然のように確信に変わる。初めて聴く曲であろうにそのグルーヴ感やギターテクニックや勿論歌声に完全に心を持ってかれた。

ああ、凄い。よし、この人の音源を聴こう、今後絶対ライブに行こう、Twitterのプロフに彼女の名を入れよう、通知もオンにしよう、とすぐに決心したものだ。更に驚くべき事はAnlyのアコフェスの時とは完全に違って、彼女に関しては事前に音源はおろか、もはや「植城微香(うえきそよか)」という名前すら認知せずにライブ会場に赴いてにも関わらずここまでどハマった事である。正に対バン形式ライブの究極の醍醐味がそこにあったのだ。もうこれぞ本当の殺傷力だと思う。その時にパッと聴いた第一印象はそれこそ高音部ではAnlyを彷彿とさせる芯のある伸びやかな歌声と、どこか新山詩織を思わせる低音部との組み合わせがありそのある種、対照的な2人のボーカリゼーションの中庸をいく感じがとても聞き心地が良かった。そしてそんな聴き心地の良さを駆動するような曲調は完全にJ-POPのフィールドでありつつもどこかAnlyのみならず、竹内アンナだとか、Emi Nakamuraなどのインターナショナル感覚を踏まえたポップスを鳴らす人たちと近い印象があった。

❶Anly『Alive』


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新山詩織『絶対』


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❸Nakamura Emi『YAMABIKO』


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.....とここまで記述して「今年に入って彗星の如く現れた」というトーンで語るべきだろうが音源も3曲入りのEPの入ったCDとそれらに収録している曲とは別にサブスクリプションにおいて3曲ほどの配信もリリースしたり、熱心な固定ファンがついている数多くのライブもこなしたり、もはやインディーズながらも既に3〜4年ほどのキャリアを積んでいる点に注意したい。これはもう完全に私の目が節穴だったのだと猛省するしかない。私は3年もの間何をしていたのだろう、ここまでの逸材を見失っていたとは音楽リスナー人生最大の汚点である。

*5以下、彼女の楽曲の魅力に関して、私が実際に現地へ赴いて撮った楽曲とストリートパフォーマンスと共に紹介していきたい。

 

2.植城微香のオリジナル・ソングたち

Case(1);Sweet Little Demon

植城微香 さんは10年に1人出るか出ないかの天才だとハッキリ確信した曲がある。それがこの日にルクア前で披露された『Sweet Little Demon』である。


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これは今現在入手可能なCD『Endless Love Song』の二曲目に収録されているのだが、最初に聴いた時から全パートのメロディーが満遍なく美しいのに恐れ慄いた一曲だ。普通AメロとBメロが凡庸だけれどサビが恐ろしくキャッチーだとか敢えてBメロだけが群を抜いているとか色々なパターンがあるんだけれども全パートってのは滅多にない。敢えて言うならビートルズ『Here, there &everywhere』とかクイーンのBohemian Rhapsody』やAlicia keys『Underdog』とかああいうオールドロックやR&Bの「美メロの嵐」みたいな曲に匹敵すると思う。


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The Beatles『Here, there &everywhere』


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QueenBohemian Rhapsody


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Alicia keys『Underdog』


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てか、美しいメロディーの曲というのは大概ネタ切れがしていているのかと思っていたら、まだ奥行きがあるのかと言う事実に驚いているくらいだ。
しかもどこかラテン的なアレンジが施されるようなリズムがある気がする。正に歌詞にある通り恋愛に翻弄されてしまう男の子の心情を描いたらしくて、文字通り「甘く危険な罠」のような神曲(この場合悪魔曲か)である。この曲の中毒性含めて
本当にこの人のコンポーザーとしての才能は凄すぎる。*6
Case(2);星空ライブハウス

次で現在CDのみで聴ける『I sing to you; endless love song』と書かれた3曲入りEP最終曲に収録されている『星空ライブハウス』である。そういえば本曲を演奏する前にこんなことを言って歌った。

なんか毎日毎日嫌なこともあるし、辛いこともあるし、時間に追われて、時間にこう支配されて、ふぅ〜と一息できる瞬間も少ないかもしれへんけど、私とギターとみんなさえあれば、星空ライブハウスに...星ないけど今(笑)


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私が見る限りいつも本曲を演奏する時に限って空に星が見えなかったりするのだが(笑)、いやいや、そんなことはさておきそんなストリートライブにおける彼女のスタンスを象徴するかのようなこの歌詞に注目するべきだ。どこかサニーデイ・サービスのようなノスタルジックなAメロを経て、サビメロのまるで地球から木星まで40光年年もの可視光を超え壮大に心の奥底まで響いていくサビはもう鳥肌ものである。歌とメロディと音楽を愛する人と魂があればどこでもLIVEハウスなのかもしれない初めてLIVEで聴いた時から神曲認定した『星空ライブハウス』である。

本曲を路上で聴くのは個人的に初めてだったがタイトル通りここがHEP前だろうがルクア前だろうが音楽が鳴るべきサンクチュアリに変えてしまう力強い曲である。路上ですらサビの美しさに道行く人がハッと振り返るのを10人ぐらいは確認したものだ。
こちらは後述するが、来る5/31の心斎橋Janusでのワンマンライブではどんな想いを込めて歌い、そして我々オーディエンスはどんな心持ちで受け取るのだろう。それが楽しみで仕方ない。


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こちらは京橋駅前。空には星1つなかったが、そんなもん関係なく『星空ライブハウス』は、植城微香の歌声によって夜空に満天の星空を讃えていた。2コーラス目のサビ終わりで隣にいた酔っ払いのオヤジさんが突如「優しい歌声!」と言って何故か私に握手をしてきたのには少々ビビった。

さすがこれが彼女が人間味があって良いといつも言っている「京橋マジック」というものか。

いつの間にか京橋という街が少し好きになったかもしれない(笑)

Case(3);Hero

思えば1月末に初めて 植城微香 のLIVEを観てこの人の音楽活動は追っていこうと決心した心臓ど真ん中を貫いた曲がある。それがこの3/18路上ライブの第二ステージ京橋駅前で披露された『hero』である。


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この曲はまあ言うなれば極寒の季節を経てようやく雪も溶け出して広い荒野で新芽が息吹き初め、太陽光を浴び一気に各々の芽から花が一気に咲き誇っていくようなあのサビの高揚感に包まれるような壮大な曲である。そしてそのメロディに寄り添うにはこの上ないフレーズを以下、挙げてみたい。

You are my hero

You are my hero

飛べない 飛べないけれど*7

泣きたい時に 優しくマントで包んでくれる

You are my hero...

この詞とメロディとが融合するこのカタルシスにただただ立ち尽くし、心の臓をぶち抜かれ、感涙し、感動するしかねえ作ってる時天から降ってきたんじゃねえかってくらいの超絶神曲だと言っても過言ではない。いや過言どころか本ブログ記事100000もの文字数で補ったとしても足りないくらいだ。いつも思うがこの曲をFM802辺りヘヴィロテに採用してくれんじゃろか。802の人気パーソナリティーである仁井聡子さんなんか絶対この人のキャラクター含め楽曲とか絶対気に入ってくれると思うんだが、それこそAnlyとめちゃくちゃ仲良いっぽいし。それにしても、京橋駅前という土地柄から改めて分かったのだがこの植城微香という人は小さな子供からそのお母さんからウェイウェイ系のお兄さんから彼女と同い年くらいの若い女性から、私のような理屈っぽいサブカル拗らせた音楽オタ(笑)に至るまで万人に好かれる素性を有していると思う。

そんな彼女の要素がどこかキャラクターのポピュラリティへと繋がっていく楽曲自体にも普遍性を伴って響くのだろう。


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Case(4);GAME SET, One More Crash

まずは『GAME SET』というオリジナル曲である。

本人曰く

過去最悪な恋愛をして“知らんわ、もうゲームセット!”というカッコいい系のオリジナル曲

という(どういうこっちゃw) 『GAME SET』である。ちなみに本曲は以前から彼女の音楽を知ってる人からも支持されている人気曲の一つである。


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そんな前置きはともかく曲展開がスリリングでクールながらもエモーショナルな印象がある3拍子揃ったポップチューンである。バンド演奏などになったらまた更に大化けしそうな印象。この曲に関しては「自分でも弾いていて凄く楽しい曲。」或いは「この曲を演奏する事が自分へのご褒美。」とすら言わしめるほど気に入っているらしい。

ついでに別の場所、梅田駅付近の御堂筋線南口の通称砂ゾーンで撮ったバージョンのも見てみよう。


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ちなみに別に楽曲とは関係ないがアトリエ・ペガサス(バーペガ)の店主・不滅のしょまちゃんの直伝「iPhoneナナメ持ち撮影法」で撮っている成果が現れている。

*8『GAME SET』における持つ揺れ動く感情をスマホ画面を傾ける事によって表現でき、より曲のダイナミズムが伝わってくるようだ自画自賛。それにしてもこの曲は死ぬほどカッコいい、彼女自身も気に入って、私より以前から彼女を知る人達が絶賛するだけあるな。


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次に『One More Crash』という心斎橋Janusでも聴いた事のあるオリジナル曲も披露されたがこれもまた聴いてて途中転調する所とか死ぬほど素晴らしい。この梅田駅近くの商業施設Hep前で本曲を聴いた時にふとあることを確信したものだ。この時全然発表してないが彼女はいずれ大阪でも🍌か🐈の名の付くどこかのライブハウスで近々絶対ワンマンをやるだろうと何故か予知的に思ったものだ。そしてこの直後に正にそのような展開へのプレリュードとなるような、5/31と6/4の大阪と東京でのワンマンライブが告知されたのだ


*9

 

3.植城微香、未来へのパースペクティブ

このワンマンライブが成功すれば、来年の今頃には心斎橋ジャニスや下北沢MOSAic以上のものすごい規模の会場のワンマンの告知がなされていると思っている。それはどこかはわからないが、大阪城ホールでも武道館でも東京ドームでもはたまたウェンブリー・スタジアムでもなんでも構わないと思っている。

 更にさらに、そうこう言っている間に3/19に、来る5月10日に6曲入りの1stミニアルバム発売の情報が入ってきた。
タイトルは『so』。 ワンマンライブのタイトル『YOUR』 も潔いなと思ってたものだが今回のそれはもっと潔いタイトルである。「UEKISOYOKA」ど真ん中、
UEKISOYOKAという意味を込めたタイトルなのだろうか。それにしても配信でもCDでもなくまだ音源化されてないオリジナル曲はこの『hero』を含めて何曲か路上でもライブでも聴いたけど大袈裟ではなく全曲素晴らしい。ハッキリ言ってこれはもう既に「名盤」と付される事が決定している。

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植城微香New Mini Album『SO』収録曲

1.YOUR GIRLFRIEND
2.HI TO RI ZI ME
3.HERO
4.24 hours
5.drive
6.merry-go-round

*10最後に、彼女の音楽家としての本質をズバリ言い当てたようなエピソードを紹介してこのやはりといおうか超尺の13011字にも及んだ爆裂レポートブログに決着をつけたい。

そう、4月2日の京橋駅前での22時30分を過ぎた辺りのストリートライブの模様である。この日は梅田だの難波だの大阪中を一日中かけての演奏をし、最後に最も人の温かさを感じるという京橋駅での出来事である。普通のセトリスタイルではカバーで初見を惹きつけておいてオリジナル曲も披露するスタイルなのだがこの時の3曲連続全てオリジナルでぶっ通したのだ。もはや理由は明らかで、もうカバー曲のインパクトだけにくる人々を呼び込むのではなく夜22時30分に植城微香の歌を愛して、それらをしっかりと聴きにきた人たちにしっかりと曲を届けたいからというストレートかつ真摯な思いのみである。

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セットリスト

1. H I T O R I Z I M E
2. Hero
3. GAMESET

そして更に彼女の音楽人としての真摯なアティテュードを意味するもう一つのエピソードがある。これは3月6日のまだ肌寒い頃の大阪ルクアから梅田御堂筋線前の砂ゾーンへ移ったストリートライブで、とにかくこの日はどこにいっても警察にすぐに止められるわ、酔っ払いはヤジ飛ばすわである意味「呪われた日」だったのだが、まあ百歩譲ってそういう日もあるのは良いとして、とにかくこの日は缶ビール片手に騒ぎまくる老害以外の何者でもない産業廃棄物にすらならないゴミカスジジイである酔っ払いがギャーギャー騒ぎまくっていたのだ。警察も彼女らストリートライブ演奏者たちに音楽を止めさせるためにきたもののもはやメインの仕事がその酔っぱらいをも宥める方に移行していったみたいななかなかにしてカオスな1日だった。でも、植城氏は違った。そういう状況にも彼女は一切めげずに、騒ぎにならないようにマイクを通さずに歌い方を変えたり、ヤジにも「どうもすいません💦」と決して無視せずに反応したりととにかく臨機応変に望んでいた。しかし本当今思っても腹立つぐらいその酔っ払いジジイのヤジはなかなか耐え難いものがあったのだが「道路でうるさい音楽を鳴らすなや!!!!」などなどてめえの声の方がうるせえじゃねえかというツッコミ待ちのようなカスのような言葉で散々ヤジった後に何故か知らないけど「よっしゃ、もうお前の顔覚えたわ!!覚えとけよ、頑張れよ!」となんと前向きなことばを残して去っていってしまったのだ。一同唖然。彼女もそのジジイが去った後「あれ?今私応援されてた?(笑)なんか応援されたみたいやからまだ歌うわ。」とケロッと言って場を和ませてこの滞ったというか陰鬱な空気を一変させ、むしろ妙な一体感を生んでなんと盛り上がりに転じさせたのだ。

 昔からあるミュージシャンの魅力を語る時に「このミュージシャンは歌う事が子供の頃から大好きで...」というトーンで語られることってよくあるんだけど、他のミュージシャンと呼ばれる人々にこれぐらいの精神的なタフさというか歌うことへの執着心があるのだろうか?てかむしろそれぐらいの根性がなくてはそれを生業にしていくのは困難だろうとすら思えるが、それにしても彼女は本当に歌う事が好きなのだと思う。

 そして話は変わるがこの日私は心斎橋club Janusにて別の映画と音楽とを融合した大きめのイベントに行ってきたその帰りがけだった。そこはいうまでもなく、偶然にも正に彼女が5/31にソールドアウトを目指して日々歌っているそのもの舞台でもあった。それにしてもこの『Hero』という曲は聴き飽きる事がないのだが同じ京橋駅前でも日々進化しているからであるとも思った。きっと満員のJanusでは、格別の輝きを持って響くだろう。

断言しよう、植城微香は世界のミュージックシーンをもっと面白いものに変えられるヒーローだと。

そして再び言おう!世界よ、2023年最強のhero、植城微香(うえきそよか)を聴け!

そして本ブログの序章にて植城微香にまつわる本爆裂ブログを執筆しつつ思わずこののCMのを思い出した。

正にここにある言葉、特に最後の言葉は紛れもなくこれは今の彼女にぴったりのフレーズだと思う。


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クレージーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち

彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

彼らの言葉に心をうたれる人がいる。
反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。
しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。

彼らは人間を前進させた。
彼らはクレージーと言われるが

私たちは彼らを天才だと思う。

自分が世界を変えられると
本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから。

〜「Apple CM Crazy Ones」より

 

Appendix;

ミニアルバム『SO』Disc REVIEW

収録曲

1.YOUR GIRLFRIEND
2.HI TO RI ZI ME
3.HERO
4.24 hours
5.drive
6.merry-go-round

ゆっくりとビートが目覚めるように始まる1曲目から、穏やかに眠りに落ちるような6曲目まで唯一無二の植城微香 ワールドが展開される。

タイトルの『SO』とはsoundでもありsongでもありsoulでもありsophistication (洗練)でもありSoyokaをも駆動する頭二文字。正にアートが彼女を必要としている、そんな時代の幕開けだ

今日18回聴いて確信した。タイトルの「GIRLFRIEND」とは自己でもあり他者でもあるが【let me be my girl friend】と心中叫んでしまう複雑な心象風景をドラマティックなアレンジで包んだ2023年のR&Bポップス。この人は複雑な気持ちをカッコよく表現するのが上手いと思う。


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先行配信されている『HI TO RI ZI ME』もALの流れで聴くと一曲目の『GIRLFRIEND』の【let me be my girl friend】な思いとのシンクロを一層感じてより新鮮に響く。


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個人的に

誰かと話す楽しそうな横顔なんてもう見たくない

のメロディに彼女も路上でカバーしている宇多田ヒカル、もっと言えば初期の『First love』辺りの要素を感じるのは私だけだろうか。

次に本記事でも散々語り尽くしてきた『HERO』が始まる。

スタジオ版ならではの聴き心地の良いサウンドプロダクションに乗っかる事で曲世界の奥行きを感じることに驚く。どこかナイーブな心情を吐露しながら身近な存在によって光明を見出すようなポジティティが存在し、2023年最強のアンセムだ。もうこのまるで空に解き放たれた鳥が大海原を駆け巡るようなアレンジで聴くとアコギ以上に更に曲世界の"エモ度"が増してくるようだ。前々から思ってて本スタジオ版を聴いて確信したが、専門学校などのCMテーマなりシネコンでやりそうなデカい青春映画の主題歌なりFMラジオのヘビロテ曲でも何でもいいから大々的にタイアップするべき超絶大名曲である。


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そして本曲は『24 hours』『drive』などなど路上でもお馴染みのキラーチューンを経て本アルバム収録の全ての曲のように「他者への思い」を綴った『merry-go-round』で穏やかにクロージングする。

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ここで描かれている「他者への思い」とは植城微香にとって何を意味しているのだろうか、と考えた時にそっくり今の彼女の音楽シーンにおけるスタンスをも重ね合わせざるを得ない。今現在「シンガーソングライター」と名乗る女性の音楽家の数だけでも半端なく多くて、数を数えようとなるとおそらくは途方もない数値が出てくるだろうってのはほぼ毎月のように開かれるライブイベントで見るたびに聞いたこともないような名前の人に数多く巡り会うことからももう明らかだ。そんな途方もない数の中からこれまた数多くいるリスナーにとっての「推し」が選出されることはもう並大抵のことではないだろう。だからこそ「植城微香の音楽はあなたのとってのGrilfriendであり、24hoursずっとhitorizmeできるHero的なポップアイコンでありたい」と言う彼女の切なる思いがブレイク間近のこの時期のリアリティとして本盤から潜在意識として溢れ出ているのではなかろうか。そして、そんなリアリティが痛々しくもならずにしっかりとポップミュージックとして機能している点に私は恐ろしく彼女のセンスをも感じるのだ。本盤は2023年にリリースされたアルバムの中でも最高にポップスに向き合った名盤であると断言しよう。

このアルバムリリース以後、【植城微香】【SO】という二つのwordが音楽業界のメインストリームを駆け巡るだろう、そうするとまた彼女はそんなリアリティを新たな音像に変えてドロップアウトしてくれるだろう。

本盤が正に時代の変遷を感じるキッカケとなるようなDiscとなることを願ってやまない。

 

*1:本記事は5月10日の新譜『so』発売、5月31日心斎橋Janus、6月11日下北沢MOSAiCでのワンマンライブ『YOUR』と2023年は間違いなく彼女の歌が世界中を駆け巡るだろう。
本記事はそんな未来への応援歌であり、予言書となることを切に願う。

*2:Anlyに関する過去記事。この記事いまだにアクセス良い(自画自賛

nenometal.hatenablog.com

*3:殺傷力で思い出したが殺虫剤で有名な「フマキラー」はFly(ハエ)とMosquito(蚊)の頭文字を足して「フライ+モスキート+キラー」で「フマキラー」らしい。

*4: 天野花の過去記事はこちら。天野花 の楽曲でも特にピアノ演奏曲はどこか日常の瞬間を切り取りとりつつ「永遠に続く」と思わせるような普遍性に満ちている。どこかスピリチュアルソングを彷彿とさせる強いサビメロディが助長してるのかもしれない。
そんな系譜にある新曲を今日初めて聴いた。『バター』新たな神曲の降臨である。

nenometal.hatenablog.com

*5:これ2枚あるけど別に"匂わせ"ではありません、当たり前かw、単に東京のバーペガへのお土産ですので悪しからず

*6:この曲が演奏されただけでも大阪駅に行った甲斐があった。それにしてもすげえな植城微香さん、今日5時間も路上やったのかてか個人的に体感時間15分ぐらいだったわ(笑)それぐらい幸福な時間だったと思う。

*7:ちなみにここの箇所メロディといいいボーカルの感じといい、凄くAnlyっぽいといつも思う。Anlyにカバーして欲しいわ〜。

*8:バーペガに関してはこの記事にて詳細に述べられている。

nenometal.hatenablog.com

*9:以下がTwitterでのライブの模様。優里『ベテルギウス』などのカバーソングなどもオリジナルのように秀逸である。

*10:ちなみにHEP前路上ライブにて、ワンマンライブ用の告知写真をプリントアウトしてキンコーズの誇る高性能ラミネート機でハード加工して持っていった所本人に大いに喜ばれたもの。以前にぽてさらちゃん。にも同じようなことをして大変感謝された事があるぞ(笑)キンコーズもこのブログ記事の影のheroである。