NENOMETALIZED

Music, Movie, and Manga sometimes Make Me Moved in a Miraculous way.

映画『#ひとくず』ディレクターズカット版🍛、爆速レビュー!ネタバレあり...ってかもはやネタの宝庫です🧸

映画『ひとくず』ディレクターズカット版、爆速レビュー!

Table of CONTENTS

 

1. Three Types of『ひとくず』

2. ひとくずDC版、その全貌

SCENE1~カレー&チョコレートの真実

SCENE2〜コンビニだったという真実

SCENE3〜クマがコマネチでママは綺麗だという真実

SCENE4〜おもちゃ屋での真実

SCENE5〜通常盤&NC版との違い

3. カ行にまつわるcoincidence

[付記]

f:id:NENOMETAL:20211115210711j:plain

1. Three Types of『ひとくず』

ここは十三、第七藝術劇場前である。*1

とうとうこの日がきた。夢にまで観たこの日がきた。*2

今年2021年に最も映画館で観た作品である『ひとくず』だが11月13日から、既に公開済みのシーンに未公開シーンなどを加味したディレクターズカット版(以下DC版)が第七藝術劇場にて先行公開されたのだ。普通こういうDC版って最近では海外の『ジャスティス・リーグ』なんかがそうであるような既に劇場での公開期間が終わってから円盤化などの際に満を辞して4時間以上にも及ぶ長尺のバージョンが公開される事もあるのだがそういうのとは少し、いや大きく事情が違うようだ。

....というのも全体のランニングタイムが通常版やニューカラー版(以下、NC版)の117分に比べ124~129分と増えた時間は約10分近くしかなくて、世に蔓延るDC版に比べそれほど長くないのだ。

だから「劇場で集中力を欠く事なくそれでいて最大限に密度を濃くしつつ全てを観きる」事が前提となっている。というか、要するに真っ向勝負上映をまだまだ続けるという事だろう。

以下は通常版に捧げられた我が長文レビューである。

nenometal.hatenablog.com

 

そしてこちらはテンアンツ全体のネタバレ掲示板記事なのだが、この中ではNC版について言及している。

nenometal.hatenablog.com

この記事内での『ひとくず』NC版に関する言及を再度引用すると以下のようになる

恐らくは当初の制作費では限界があった映像技術や音響技術をreviseする意味でもって各場面の色彩のコントラストや音像の立体感がハッキリする事でよりカネマサの、北村母娘らの、その他さまざまな登場人物の表情も深く読み取れ、彼らの心象風景がダイレクトに伝わるような改訂、ツイートしてる通り「リマスター」的な処理が施されているのだ。

観ながらメモ撮りまくったのでちょっと羅列しておく。

 

①冒頭色彩鮮やかさを感じたのはひとくず」タイトルが3Dのように浮いて見える

②冒頭の鞠の部屋にて黄色であるとか、オレンジの色合いが強く感じる。

③あとNC版以前はそうでも感じなかったが少年時代カネマサの回想シーンがとても淡く感じる。全体的に昔のシーンはコントラストあったが、時間が進んでいくにつれコントラストは無くなったかな

④全体的に鞠ちゃんのみならず、カネマサの血色もすごく良く見える(笑)全体的に。

⑤あとサンドイッチとオニギリの箇所で「食えよ」のセリフが多く感じる。初期版では3回ほど言ってたのがNC版では「食えよ✖️7」ぐらい。とカネマサがブーツ脱ぐシーン初期版ではあったっけな?NC版からではなかろうか*3

⑥あとカネマサがブーツ脱いで置いていくシーン初期版ではあったっけな?

NC版からではなかろうか。

⑦暴君ヒロくんの遺体を毛布で凛が隠すシーンがちょい丁寧な気がする?

あと風呂場での鞠の涙がくっきりしてる。カネマサの焼肉屋の涙もくっきり映ってたな。

⑧多分目玉はこれ!!暗闇の担任教師の顔がクッキリ!!白い!!あと鞠凛の電気つけたバージョンの部屋も白くてハッキリ、意外と綺麗な部屋に変わったな(NCだと家賃1万ぐらい上がった感ww)

⑨凛と飲み屋のお姉さんとのキャットファイトシーンは当初と角度違う(前のはお二人のパンツが見えそうなスリル感が印象的だったから←どこ見とるんじゃw)

⑩カネマサが先生を痛めつけようとするシーンがちょっと省略されてる。

11.ヒロくんを埋めた後の二人の顔が極端に黒い(初期版よりもっと

12.空き巣の金持ちの家は茶色と白とのコントラストが鮮やかね、クマの茶色もコーディネイトされてるかのよう...

13.あの噂のCop Noodleのロゴがハッキリわかる。

14.凸カフェめちゃくちゃ綺麗、他のドンびいてる客もハッキリ見えるな。

15.淫ばい屋に九州飛ばされてさ〜のシーンの徳竹さんが美しい。てか徳竹さん今回のNC版でどのシーンも美しく見える(面会シーンでも、マサオ逃げなのシーンでも)

16.今回のNC版茶色が引き立つんだよね、12でも思ったが焼かれた肉の茶色が完璧に美味そう。

17.運送会社は白と青のコントラストが良かった。本作での部屋って二色のコントラストがクッキリしてるんだけど意識してるのかな。

18.鞠「ママ、行ってきます!!!👐」の時の「あたらしいわたし」のアコースティック・ギター音がこれまた凄くクリアにエッジの効いた音に改良されてた気がした。

19.『愛について』もう鞠に対する凛の懺悔シーン。ひたすら白かった、純白。凛が大袈裟ではなく聖母マリアにえた(NC版になったとか関係ないかもしれませんw)

20.主題歌『Hitokuzu』のアレンジの緻密さってか打ち込み音をハッキリ拾ってた。

こういう所からやはり昭和感ある作風と言われることもあるけど令和以降の作品だと思う、

以上!!

 

2. ひとくずDC版、その全貌

という訳で、本節では『ひとくず』DC版に関Scene1からScene5に分けて合計5シーンに分けて、詳細に述べていくことにする。

f:id:NENOMETAL:20211115183444j:plain

 

SCENE1~カレー&チョコレートの真実

「家族になんねえか?」の直前に実はなんとカネマサが手作りカレーを鞠凛親子に振る舞うという衝撃のシーンが出現するのだ。カネマサは風呂上がりらしくて髪がいつになくフワッとしてて思いの外日頃の舞台挨拶等での上西雄大要素がある「爽やかなカネマサ」となっていたのも大きな特徴といえば特徴である。
あと手作りカレーと言ってもレトルトにチョコレートを隠し味として入れたモノらしいがそれより何より3人ともめちゃくちゃ「家族」然としてる事に新鮮な驚きも隠せない。

3人ともめちゃくちゃ笑ってるし。

通常版、NC版共に「家族になんねえか?」というセリフに対して、「唐突さ」とまでは言わないが「正直、大丈夫なん?」という不安感もあったのでこのシーンによってスッとこのセリフが溶けていく感覚があったのも事実。あとカネマサが凛に衝撃の台詞を放つのが超驚きであった。何と凛に「丸顔の凛ちゃん」と呼びかけたのだ。バレーボール🏐のようだとも言っていた気がする。そして鞠は「やっと名前で呼んでくれたね。」だとか言ってたが、もうそれどころじゃないだろう笑、確かに凛さんというか彼女を演じる古川藍さんは小顔ながらもきっちりと丸い顔を所有しており、まあそれが魅力でもあるのだが、この丸顔=バレーボールと呼称した事により、より家族的な和が彼らの中で生まれたんだなあと思った。

....にしてもあのシーン観た時、めっちゃ「(ジャワカレー辺りの)カレーのCMに3人が起用されたら」と妄想したのは私だけだろうか🍛🍫あとこ場面で気づいたことは、以下の右側にある、母カヨを演じられた徳竹未夏さんが書かれたバッジが私の中で浮かんだのだ。

あながちこの絵柄は理想を追求し過ぎて現実とは程遠くて切ない絵柄だと初めて観た時は思ったんだけど、こうしてちゃんと一瞬だけど「家族」としての3人もDC版では描かれてて案外この絵柄はかけ離れ過ぎてなかったんだなぁとしみじみ思ったものだ。 

f:id:NENOMETAL:20211115183653j:plain

 

SCENE2〜コンビニだったという真実

「ヒロ君の死体を埋める」という苦行的ミッションを泥まみれになりながらも遂行した2人(+1人?)だが、その後すんなりと唐突にコンビニでアイスを買いに行った訳ではない。車の中でカネマサ「アイス買ってやろう」鞠「えっ!!本当???🤩」みたいなシーンが存在していたのだ。鞠ちゃんにとっては虐待相手が殺されて死体を埋めるなどというトラウマ級のイベントが重なっただろうからこそアイスの存在は心安らぐ瞬間だったのだろう。
それにしても鞠は「ラーメン」にしても「アイス」にしても「焼き肉(上塩の牛タン)」にしても「クマ持ってカネマサが迎えに来てくれる」にしても「カネマサ、パパになるんだよ」にしても素直かつ無邪気に喜ぶんだよね。よほどそういう「人から〇〇してもらう」という行為に飢えているんだろうなと感慨深く思う。こういうネグレクトとか虐待される子供ってのはそういう愛情に飢えているから逆にすごく有り難がる傾向にあるんだろうかなとかしんみりと思ってしまうシーンでもある。*4

あとこのアイスのシーン、個人的には通常版、NC版共にコンビニ感はなくてどこか地方にぽつんとある何でも売ってる酒屋のようなイメージを抱いていたから結構しっかりコンビニだったのも発見だった。あの舌ったらずのガタイのいい大男の死体を埋め終えてボロボロになりつつも死相みなぎるカネマサと凛を目の前に、「あんたたち泥だらけじゃねえか、しかも裸足じゃねえか、床が汚れるだろう。」などともう違和感と恐怖心がハンパなかったであろうコンビニ店長役の飯島大介さんが出てきたが、彼は今回のDC版で初めてお目見えしたある種、目玉キャラクターの一人である。

あと細かい点だが、青年時代のカネマサが、あの憎き義理の父を殺害するキッカケとも言える母ちゃんの「あの男がヘタ打って九州の淫売屋に飛ばされるんだよ。」の時に、部屋に居た男がカネマサに「九州に行く支度しとけよ。」と言って出て行くシーンがあるがこれはNCにも通常にもなかったシーンである。
さらに既述した通り、そのヒロの遺体を埋めるべくトランクを開けるシーンもなかった気がする。
*5

f:id:NENOMETAL:20211115183459j:plain

 

SCENE3〜クマがコマネチでママは綺麗だという真実

焼肉屋直前車に乗り込んで凛が入ってくるのを待つシーンが新たに出現。今回車の中のシーンが全体的に増えてるよね。で、そこへオシャレにめかし込んだ凛が車内に入るシーンがあるのだが、バックミラー越しにカネマサがふと彼女を見惚れてるようなシーンがあるのだ。いや、これは驚きだった。で、凛「ママ、綺麗!」とか言ってカネマサがそれに頷くとも頷かないとも思えるシーンがあるのだ。しかしこの「ママ、綺麗!」っていうセリフもよくよく考えればその後の観覧車での「ママ気持ち悪くない!」というあの場面への繋がりもしっくりくる気がする
車の中と言えば凛が車に乗り込む前に鞠にカネマサが熊にぬいぐるみ🧸にあのビートたけしの往年のネタ「コマネチ!」のポーズをさせて鞠がキャッキャ喜んで「コマネチじゃない。」と否定する、多分このDC版最強の衝撃をもたらすシーンの写真がこちらである。

f:id:NENOMETAL:20211115183429j:plain

いやはや参りました、これまで9回ほど鑑賞して来て、慣れ親しんでいるからかもしれないがほんとに衝撃で夢でも観てるかと思ったもの。しかし、だ。鞠は年齢的に遥か大昔の化石のような昭和のギャグなのになぜ「コマネチ」を知っていたんだろうか?

いや知らないからこそ「コマネチじゃない!」と否定したのかもしれないが...
いずれにしても観覧車でのあのカネマサ爆笑シーンでの「ママ気持ち悪くない!」が「ママ綺麗+コマネチじゃない」を混合したセンテンスである事がよく分かるエピソードである。

 

SCENE4〜おもちゃ屋での真実

何となく少し前のDC版の告知ツイートで通常盤にもNC版にもない、以下で掲載してるこの玩具屋でのシーンの写真を目にして「ヘェ〜、こんなシーンがあったんだ!」とビックリしたものだが、ここでようやく最後のカネマサが凛に何よりをプレゼントしたのかが明らかになってくる。おもちゃ屋にて当初店員に「6歳ぐらいに子供は何もらえば嬉しいのか?」と聞かれて「ぬいぐるみ」と答える店員に「もうそれはもってる(ってか思いっきり人の民家たたいて盗んできたモノなんだけどw)」的なことを言ったので、店員「あちらのオモチャ【女の子女の子したピンク色のおもちゃ】(←ニュアンスで分かりますよね w)が人気ですと指さされた途端に他の客に目の前でスッと取られ、「それオレに譲ってくれねえか?娘が誕生日なんだ。」と握ってた札束を無理やり母親に握らせるシーンである。母親はそんなカネマサに恐れをなし、娘に譲るよう促し、更に札束を「こんなお金いただけません💦」と遠慮することすら恐れ慄いて躊躇してしまうの。すげえな、遠慮することすら憚られるカネマサ様のど迫力よ(笑)。次のケーキ屋でも一波乱あるし、「子供にケーキとプレゼントを買う」という行為ですら只事では終わらない彼のカルマを思い知ったものだ。*6

この玩具屋とケーキ屋での買い物は、思えばラストシーンで出所するまでに娑婆で一般人として買い物とした最後の社会活動である。

f:id:NENOMETAL:20211115183513j:plain

 

SCENE5〜通常盤&NC版との違い

あとこのシーンは当初入ると思われたんだけど予測に反して入らなかったシーンがある。

カネマサが自らの「なぜオレはアイスを食わないか。」という理由を凛に明かした後で、凛が冷蔵庫からアイスを持ってくるのだがこれは「アイス取ってきてくれないか。」と指示するのではなく通常版、NC版と同じくスッと自然に差し出す感じになっている。これは個人的には大賛成で、何も言わないこっちの方が自然だと思うが、舞台版や小説版とかではどうなるんだろうかな。

後このDC版 観て改めて思うのがNC版の特殊性。NC版は、特に部屋などの色彩のコントラストがクリアかつ綺麗だったし、このようなインディー映画をアート志向の強い作品として評価する傾向の強い海外の人にウケそうな気がしている。ざっくり言えばカンヌ受けしそうな感じ。このNC版とDC版の違いに関して11/14(日)の舞台挨拶後凛役の古川藍さんとお話しできたのだが、NC版はまたDCとは違う出所からの制作によるものらしい。だから通常からNCを踏まえてDC版へと改訂したのではなく、あくまで通常からDCへと直接手がけたものだと。だから以下のツイートの如く、NC版のアーティスティックなまでのカラフルさはなくて通常版のリアリティある映像をそのまま生かしている、とのことだ。

 

3. カ行にまつわるcoincidence

そういえばテンアンツの上西雄大監督自ら演じるキャラクターの愛称・名前含めてを羅列してみると面白い事実に気づく。

ネマサ(『ひとくず』)

ーブ(『ヌーのコインロッカーは使用禁止』)

崎(『姉妹』)

ロー (『西成ゴローの四億円』) 

オロギ(『ねばぎば新世界』、『コオロギからの手紙』)

いや、何の事はないんだけど単純に「カ行」が多いのだ。これは他にもテンアンツ作品中他にもあるのか、偶然なのかは製作者に聞かない限りは分からないが他にもそうでない名前も存在するので多分偶然のような気もするが個人的にツボってたのだが今回DC版を観てみて新たに加わったシーンに出くわして、ある意味偶発(coincidence)的な事実に気づいたのだ。

カレーチョコレートを加える事件

玩具屋での「金手渡し」事件

コンビニ汚しまくり事件

マネチを強要されるマ事件

麗なママ事件

ほらやはり今回出現した新シーン全てが「カ行」にまつわる事実ではないか!!!という、多分DC版観た人の中で世界で一人ネノメタルさんしか気づかないトリビア(笑)がそこにある。まあね、これは100%偶然の産物なんだろうけど何となく綺麗に纏まる気がしたし、今日はちょろっと2~3000字ぐらいの軽い記事書こうかと思ったのにまたまた現在ジャスト8000字にまで及んでしまったので、そろそろ本記事を締めくくろうかと思います。

 

[付記]

あ、そうそう、ここでこれまで述べて来た『ひとくず』DC版の真実とか色々他のおいくず様の感想、見解なども色々聞きたいので11/22の11時22分(この数字には深い意図はございません)私ネノメタルがホストとしてtwitter上でスペースを開催しまーす!!

さて、どんな話が飛び出すか、乞うご期待!!

 

 

 

*1:十三という街はB級グルメ天国なのだがここのラーメン屋はおすすめ。

*2:これは嘘ではない。『ひとくず』ディレクターズカット版を観た夢を見た。何と最初に全出演者が舞台挨拶をした後、そのまま舞台で演技が始まり同時にカメラも回してて撮り終えた後「今ラストシーンを付け加えました、ではご覧下さい。」と言って本編が上映開始というなぜか『サマーフィルムにのって』のオチが混在してるが。

*3:twitterでのフォロワー様、ビンさんの指摘によるとDC版では更に一回増えたとの事。計8回。

*4:あとあんな母親でも鞠は凛に対して全然反抗してなくてむしろ慕ってる風なのも凄いね、「ママ綺麗」「ママ気持ち悪く無い」にしてもそうだし、足を洗ってもらって少し嬉しそうな表情もそうだし、通学時手を振ってる感じも無邪気だし、ママが好きなのだろうね、ああいう鞠の母親が向き合ってくれるまで耐えてくれたからこそ素直に育ったのだろうと思ったりして。

*5:『ひとくず』鑑賞数最多記録保持者のビンさんが以下の事実を教えてくれました。

*6:しかしこのシーン観て『ワンダーウーマン1984』でエジプトに逃亡したマックス・ロードを発見したダイアナらが逆走するためにタクシーの運転手に大金を渡し、「この車今から買うから譲ってくれ」と言って運転手置き去りにして車に乗り込むシーン思い出したわ w