NENOMETALIZED

Music, Movie, and Manga sometimes Make Me Moved in a Miraculous way.

憧れのシネマロサ、そして渋谷へ〜スペアク・コーリング東京弾丸ツアー

0.コメンタリー上映ですと? 

『なお、このDVD(BD)はオーディオ・コメンタリー付きである』

映画でも音楽でもDVDなどの映像作品にこういう表記があるのとないとのとではその存在価値が月と鼈(すっぽん)ぐらい違う、と常日頃から思っている。

いや、だってコメンタリー仕様って普通仕様の映像作品に比べてなんだかお得感が満載じゃないですか?

何せ、本編を制作なり演じたり監督なり役者なりの事細かい裏エピソードやら何やら詳しく解説してくれたりもするし、何ならしょうもない与太話チックなものも含めて、本編の長さ×2倍は楽しめる事になるだろうし、こう言うのはコンテンツ的にも価格的にも二枚組相当以上の価値がある、と思っているぐらいには『オーディオ・コメンタリー』至上主義だからね。

そんなことを思っている私に、12/5(水)か、12/6(木)ぐらいだろうか、TL上にて、こんな素晴らしすぎる情報が飛び込んできたではないか!!

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うわ〜(°▽°)、これはもう心ときめきましたね。(行けない事がわかってたからかもしれないんだけど)先週の「応援上映」よりも個人的には凄く惹かれる企画であったことも事実だ。だって上述した通り、コメンタリー至上主義だからね(しつこい)w

こりゃ行った方がいいかなぁ、いやいや、これは行かねばなるまいよ、これは!!

そう考えてるうちに、10/18公開初日の1stシャワー上映時の時から、いや、その2日前の10/16に手売りで上田慎一郎監督達らのムビチケ購入イベント時からこの日が来る事はもう初めっから決まっていたのだなどと都合の良い考えまでがむくむくと湧き上がってきたのだ。

 

こうなりゃ神戸から弾丸日帰りツアーで行ってしまえ!

 

その前にシネマ・ロサでの通常上映(11:05~)ってのも行ってみるか。

日帰り東京滞在時間(10:30~19:30)の9時間のうちスペシャルアクターズ視聴時間が4時間、あと写真撮ったりスペシャルアクターズと話をしたりなんたりで1時間は消費するだろうし、あと池袋と渋谷を移動したり、昼食べたり込みで時間にして計6~7時間、残り2時間が自由、と言った風に、ほぼそれ以外を過ごすことのない、こりゃほぼほぼ「スペアクの、スペアクによる、スペアクのための東京弾丸旅行」じゃないか、望む所だ!!!!!もうこれは行くしかねえ!!!!

と、まぁもはや衝動的な思いが先立ったんだけど、そう思い立ったらもうこっちのもんで、前日土曜日に翌朝早起きできるように「BARTH」*1を3錠ほど風呂桶に突っ込み、目覚ましも4:30ぐらいにセットして、バタバタ準備して在来線乗って7:30くらいの「のぞみ号東京行き」に乗って行きましたよ!

 

そう、ようやくこの台詞がようやく言える時が来た、全宇宙よ、ここがスペシャルアクターズの聖地「池袋シネマ・ロサ」だ。

その時のツイートの熱狂ぶりもハンパなくて、こんなこと言ってて、いやもう一寸の違いもないほんとこんな気分だった。

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1.憧れのシネマ・ロサ、そして4thシャワーへ

で、中へ。ヘェ〜、これか、ロサの受付にはホント昔ながらって感じで、1人づつ対応形式でそう愛想の良くないおばさまが、印刷してラミネートかけた座席表を見せて空いてる席を聞くと言う、なんとまぁ古典的な昭和を思わせる古き良き映画館を踏襲したスタイル。そこでチケットを買って、2Fに上がるとありましたがな、あれやこれやのネットで観たシネマ・ロサを象徴する数々がスペアク関連ものの数々が!!!!!!

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おおっ、「ガゼウスポッド」! 彼とは11/2(土)の大阪ステーションシネマ以来の再会w!、やっぱ君はこっちにいる方が風格というか威厳があるように見えるよ!!!

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おおっ、シネマ・ロサ限定、ふくだみゆきさんのイラストによるスペシャル・アクトレスのポスターではないか!!オリジナリティがあるのにそれぞれの特徴がわかるって凄いですよね。

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おっこのバッジと結びの書って大阪ステーションシネマには無かったのかな?あったかも?いやもうそんな事どうでもいいや、ここにいる間は大阪のこと考えるのやめようw

で、こんな感じで他にも色々と物色したかったんだけど、ここに着いたのが10:50ぐらいで上映11:05から考えると完全にギリギリだったのでまたゆっくりと、観るのは次の機会に、と言うことでジンジャーエールを買って劇場内へ入った。

そしてこの日が、この日がForthとかこつけて4thシャワー!だった。

そこで断口スタイルでメモりながら見ていたのだが、、まだまだ個人的に色々発見があった。

これが本記事の脳味噌となってくれたネノメタル 断口メモだ!

*2

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 【断口メモ 12/08】

❶ポスターに【アフロ・ゾンビ』『save  me』の他に、『星まもる魔女たち★』という架空作品ってふくだみゆきさん主演なのね。*3

❷ムスビル三上さんの「口をむすべ。今彼と話してる。」

の言い方が思った以上に威嚇的すぎてびびったw、あと喋るなとか静かにしろとかではなく、?ムスビルにかこつけて「結べ」なのか。

❸ムスビル幹部七海が、おにぎりセッション時の、数人に畳み掛けるように「美味しい?」と言わせてる場面があまりに取ってつけた感満載だったので笑ってしまった。

❹これは多磨璃の真奈信者がポイントカードの件の後にリセッシュ的な霧吹きのかけ方がこれまた前見た時以上に、思った以上にそれはそれは嫌そう〜にかけてて、かつそれがあまりに雑過ぎてびびった。コメンタリー上映の時言ってたけど真奈さんびしょ濡れだったってねw

❺八枝子の刃物さばきが思った以上に鋭敏で、特に振り返った時の感じが思った以上にささっとしてどこか背筋が伸びててスタイリッシュな感じがあったな。

❻津川祐未の「呪い殺す!」の練習の初期は舌っ足らずでハッキリ言えてない感じ(「のぉい殺す」みたいな感じ)が上手い!わざと下手にする演技って難しいだろうなぁ。イベントの時言ってたが、本番ではちょっとわざと拙くやった感じもあってほんとレベル高い芝居ですよね。

❼あと刺された兄に弟がやたら「大丈夫か!!」と肩を揺らしまくって、しつこかった気がする。これって敢えて彼を気絶させたのかなぁ。

❽最後辺りでボス達が「あれはホンモノの警察?」とか言ってる場面でしっかり兄が聞いてる場面を見せるのも抜かりねえなとも思った。後、ボス関連で言えば、誰もが気付いてたんだろうが八枝子はボスが好きなんだな、と。

さぁ、来たる続編ではこの2人の何かが発展するか?これは禁断の愛か!!!

❾『灯りをともせ』、『続・灯りをともせ』って改めてタイトルにやる気あんのか!って突っ込む。むしろやる気ねえのはオーディションする側の方だろw

➓『恋する小説家』に写るのは19人目のスペシャルアクターズである岡本裕輝さんだけど、他に主演2人も写ってるので、この2人も「スペシャルアクターズ」として換算すべきではなかろうか????

 

2.そして渋谷 HUMAXシネマ、コメンタリー上映へ!

そして、池袋のロサ近くの「むてっぽう」とかいうラーメン屋で食事して、後2時間ぐらいあるから余裕かと思ってたが渋谷はめっちゃ人が多くて決行前に進めなかった。だから、当初予定していた、カフェでコーヒーなど飲む時間など更々なくて人多すぎな渋谷の喧騒を潜り抜け、案外ギリギリ目の時間に渋谷HUMAXシネマ に到着した。*4

 

この日のイベントでのキャストは以下の通りである。

上田慎一郎監督&上田君(慎一郎さんのお子様)

櫻井麻七さん(ムスビル幹部・七海役)

津上理奈さん(旅館めぶき若女将・津川里奈役)

鈴木伸宏さん(サウンドトラック等音楽担当)

(三月竜也さんが都合上欠席につき代役)

 

 

【Focus.1~overview

全体的なトークショーの雰囲気は、コメンタリーの収録風景にありがちな、別室のスタジオで声だけ聞こえると言った種のものではなくて、なんと監督と出演者が真ん中付近の座席に行って皆で一緒に観ながらあれこれとコメントを言っていくスタイルだった。

いや、こっちの方が一緒に観てる感じがしてさらにライブ観あっていいですねえ、と言うよりむしろ「上田監督とキャストで観るトークショー!」と言った趣である、何せスペアクが始まる前の「映画泥棒」のCMでも上田監督は既に色々コメントしてたしw*5

因みにコメンタリー上映回時に時々、マイクを通さずともキャッキャッはしゃいでる可愛い子供の声がしたが、なんと上田慎一郎監督のお子さんがいらしてたのだ(笑)!

 

なお、このコメンタリー上映中も...

上田監督「え〜っとこのシーンは数人がですね....」

上田くん (御子息)「うるちゃい!!👶」 

...うるさい(笑)って、、、、あんた、、、w、、いやいや、上田くん(御子息)よ、これ黙ってズ〜っと見てたら単なる普通の上映になってしまって、このイベントの存在意義は愚か、私がわざわざ神戸から3時間半かけてここまできた意味と言うものが全くなくなってしまうのだよw、この可愛いコメンテーターの声は、以後イベント中時〜々お目見えすることになる。

あ、そうそう。そういや三月さんのセリフのところで、

 

上田くん(御子息)「ん〜?この子、誰の声??」

(会場一同大大爆笑)

上田監督「こ、この子って??wwww...」

櫻井「三月さんだよ〜」

 

この辺りめちゃくちゃ後を引きずるぐらいもうめちゃめちゃツボりましたwww、もはや彼も完全に盛り上げてくれたと言う意味で立派なコメンテーターだったな。いずれDVD化されたら彼は出演するのだろうか、むしろ出演してくれと願っている(半ば本気)。

 

【Focus.2~The View of上田慎一郎監督

ではここでコメンタリー上映における上田慎一郎監督の視点を記憶にあるまま思いつく限り掲載させてみようかな。

Scene ⑴

兄が『1人レスキューマン・シミュレーション大会」を冷凍ピラフ*6を食べながらやっている間、彼の部屋には目覚まし時計が止まってるが、この時の止まっている時計の時刻は10時10分である。これはムッスーの手の動きに👐にピッタリと符合するものである。 

 

Scene (2) 

その兄が工事現場での仕事をクビ宣告されている時、その事務所の机にデッカイ焼きそばペヤングが置いてあるのが記憶にあるだろうか。で、その上によもぎ餅みたいなのが置いてるのだが、これはその間にあるメモ用紙が飛ばないようにする為である。このデカイペヤング 誰が食べるんだろうか?

 

Scene (3) 

セミナーで教祖が信者の前に登場する時の河田と七海が両端にいて誘導する時のペンギンの様な手の形も全体三角形だしムスビルが霊能者に追い詰められて4人が固まっている姿をシルエットにするとちょうど三角形になる。いわばこれがガゼウスポッドの継体まんま】というのは以前から唱えている自説なのだが、七海幹部のその時の体制について上田監督が「CDのジャケットか、グラビアにありそうなポーズですよねえ。」とコメントしたのも興味深かった。ガゼウスポッド形になる、というシナリオがなければ不自然な気がするが、これはいつか上田監督に機会があれば聞いてみようと思っている。*7

 

Scene(4) 

精神科医原田先生、実際に会ったからわかるが、結構お若い方で主人公(35)より完全に若い実年齢(28歳)と言うことで、年取った設定なので、髪型を90年台っぽくしたり、ほうれい線をつけたりして、フケ感を出したと言う。あと顔色が前後半に比べ、後半の顔が浅黒く感じるのは「夏季休暇でハワイに行ったから。」と言う設定があるとかないとか。この時、出演者の櫻井・津上両出演者様も言ってたが、「胡散臭い」と言う意見には完全に同意する。もはや個人的にはムスビルと対抗できる存在であると思っているぐらいである。

あと、原田先生が電気を消すシーンは、スター・ウォーズの洞窟シーンで自分と向き合うルークスカイウォーカーの姿にインスパイアされたのだとか言う。 

そういや、原田先生(原野拓巳)にはサイン下にこのセリフを入れてもらっていたのだった

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Scene (5)

これも出演者の櫻井・津上両出演者様も言ってたが、オープニング・テーマ曲の絶妙に挿入されるタイミングのかっこよさはもう異常である。あのテーマが始まる直前のカタカタカタ、という具合にもの音が揺れるカウントダウンな感じもなかなかワウワク度合いを高めてるし、あの場面であれがバーッンと出る事によってこの映画のコアを引き締めていると思う。更に、あのオープニングテーマを観てこの映画が「当たり」であることを予感した人は自分以外にも結構な数で多いと思う。

だが、ちょっとビックリしたのだが、実はこれってもっと前の場面で、オープニング・テーマ曲がかかる予定だったのだと言う。

 

確か、そのタイミングって弟が初めてスペシャルアクターズの事務所に兄を連れていくぐらいで

弟「(ムスビル撃退の話を聞いて)ハーイ、ハーイ!!やります!やります!」

兄「(いやそうな顔をしながら無理やり手を挙げさせられる)」

ぐらいのだったと思うんだけど、上田監督は「ここは粘って見せ場をもっとひっぱるべきではないか。」と思い直し、現行のタイミングになったという。

いやでも、この改編は大正解よ。

何度見てもほんっとこれはもうこの上ないタイミングだ。上田監督作品は、『カメラを止めるな!』でも『イソップの思うツボ』の時も思ったけど、こういう音楽や映像の使い方って映画というより演劇のタイミングのそれに近くて、ほんと絶妙だと思う。

 

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【Focus.3~The View of櫻井麻七&津上理奈

次は、出演者、櫻井麻七さんと津上理奈さんのコメントを中心に概観して行こうかと思っている。

Scene ⑴ー櫻井麻七's point of view

 まず、櫻井麻七さんのコメントっていうか、彼女の基本的な視点は、先述した上田慎一郎監督による演出や、場面の拘りに焦点が当てられていたのとはまた違う方向性である。例えば、多磨璃教祖が、真奈信者にめんどくさげに霧吹きのかけてる時の顔を見て「あの淡梨の表情(笑)」「教祖様夕飯何食べようかな?しか考えてないよね(笑)」と言うこのコメントに象徴されるように、作品自体や出演者への愛情を醸し出しつつも出演者としての客観的視点をも踏まえた絶妙なバランス感がとても独特で面白いのだ。

 あと、これは「かわいい」という表現を大野宏樹の横顔と、津川祐未の真正面ドアップと、富士ボス社長の声と、弟の前髪と、富士松鮎の椅子の座り方と、(あとついでに上田御子息に)との全てに使い、どれも違うニュアンスを醸し出してそれが全部伝わるってのも考えてみれば凄いことだ、流石ムスビル幹部!

で、もう一個彼女の見解で面白かったのは、「ガゼウスポッド」が撃ち抜かれて、てっぺんが無くなった状態になったのはご存知だが、「あの形が富士山に類似する。それは松竹のマークそのものだ、と言った時は皆笑ったりして聞いている、と言ったよりも「ヘェ〜〜〜!!」と感嘆の声が漏れたように記憶している。*8

 最後に、これはクライマックス付近で旅館の方にボスや弟に心配されながらも、数人が遅れそうになりながらもこちら側にヨタヨタと歩いてくるシーンがあるのだが、あれ今後見る時もう一切「アシモ」にしか見え無くなってしまったよ(笑)*9

 

 Scene (2)ー津上理奈's point of view

さらに津上理奈さんの視点っていうのも櫻井さんとはまた違って演出寄りというか、どこか独特の感性に根差した所に目を付ける人だよなぁとこちらも非常に興味深かった。 

 例えば、

【七海幹部が旅館に入る時の靴を脱ぐ所作がどこか女子アナっぽくて美しい。】

【何もかもバレて警察が来て逮捕される時すぐ観念して去っていく七海がツボ。】 

と言ったように日頃から一緒にカラオケ行ったり、仲の良い姿を見せる麻七&理奈の二人だが、撮影時、もっと言えばオーディション後の稽古段階などからお互い役柄としてもリスペクトし合ってるんだろうなと言う関係性とかが計り知れるようだ。

あとは、女将の部屋は4畳ぐらいですごく狭くて、こっそり入ってきた数人の背中をドンッと突くシーンを撮る時など、前にあった写真立てを撤去せねばならなかったそうだが*10、その時不意に「あの家族の写真立て欲しい。」と言う感じとか、津川里奈のクライマックス場面のあのスカートの色や形がガゼウスポッドの三角形を意識してたりとか、普通に見ていると絶対に気づかないであろう点を語ってくれたのが面白かった。

 あとこれは櫻井さんにも言えるのだが、クランクインする前の、数人が救急車に運ばれた後のシーンであるとか、事務所に初めて一人が行くシーンとか、既に撮影状況をずっと見学していたと言うエピソードも、まるで老舗演劇のようなグルーブを醸し出すような本作のチームワークの良さがとても伝わってくるスペアクらしくて興味深かった。

*11

 

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そして最後、作品は終わり、エンディングテーマとなって里奈さんか麻七さんかどちらともなく不意に「誰でもアクター」をその場で歌い出したのだ。*12そして客席からはライブの如く、手拍子も自然と出てきて客と映画とが一体になった感じがあった。これってどこか先週の応援上映ってこんな雰囲気を更にエスカレートした感じなんだろうな、ってのが分かってそういう意味でも、とてもお得感満載のイベントだったと思う。

こんな風に作品を深く理解できるコメンタリー上映って、DVDなどで自宅で見るあの密室感とも違う独特のライブ感があってとても楽しい。「コメンタリー付き上映」という新たなジャンルを確立してもいいぐらいの価値はあるよね。

こう言う趣旨のイベントって今後もガンガン増えてほしいな、別に「スペシャルアクターズ」や上田慎一郎監督作に限った話じゃないけど。

 

3. スペシャルアクターズという伏線

さて、一旦時間軸をシネマ・ロサの上映終演後、13:00辺りに戻そうか。

これは東京在住のリピーターの人にはもはや当たり前の景色と化してるんだろうが、心底感動したのは、館内の職員が「え〜、ロビーには出演者の方々がいらっしゃいます。」とアナウンスがあって、ふとロビーを見ると、ほんと当たり前のように4人のスペシャルアクターズがロビーにいた事である。これはもう本当に感動的な光景であった。

でもこれって考えてみれば、もの凄い事件的なことだ。だって例えば演劇などでは終演後、役者らがロビーでお出迎え、のひと時をお客さんと過ごす、なんてことはよくある光景なんだけど、その演劇の場合その役者はもうその役柄を一旦リセットして、一人の役者という職業を担った人間としての素のモードなのである、明らかにその物語は終わってしまっている

だが、映画、いや、この『スペシャルアクターズ』という作品では、かなり事情が異なってくる。何せ、役柄としての彼らと、今ここにいる彼らの姿って名前もキャラクターもほぼほぼ一致しており、映画もロビーでもどちらもスペシャルアクターズまんまなんだから。

これはどういうことかというと、映画を鑑賞した後に、ロビーに再び作品に巻き込まれる擬似体験をするということとイコールになるのではなかろうか?

そしてそのロビーにいたスペシャルアクターズは、この4人である。

 

櫻井麻七( as ムスビル幹部・七海役)

津上理奈(as 旅館めぶき若女将・津川里奈役)

原野拓巳(as 精神科医原田拓巳)

山下一世(as ヒラメ顔の童貞、ムスビル信者・山本)

 

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この素晴らしきスペシャルアクターズを目の前にした瞬間、もう今回の東京旅行、写真を撮ろうとか、サインをもらおうとか以前に、その時間を割いてまでも、一人一人に伝えたい事があったのだ。*13

櫻井さんは上映後に観たパンフレット見て、『孤独のグルメ』で井之頭五郎さんに店主を通じて色々とコキ使ってしまう清純なOL2人役の一人だったことを知ってかなりびっくりした事、津上さんには特にTwitterでのリアクションが早くていつもフォロアーと同じ目線にいる事、やあと仕事上の関係でなぜか奈良の近鉄事情を話すなどw、原野さんは役の時と今のルックスとが全然違って本当役者ですね〜という事*14、山下さんは映画の中での信者初期となりきってからの表情が全く違うところが凄いという事などなどお伝えしたが、まだまだ話し足りないことは山ほどあった。

で、そんなこんなスペシャルアクターズと話しているうちにふと思ったことがあった

この「スペシャルアクターズ」という作品ってどう考えても終わることのない話であって、何度見ようとも未だなお完結を見ていないという事だ。僕らはとかく上田慎一郎監督作品に対峙する時、やれ伏線だ、回収だ、やれギミックだ、やれ笑いだオチだ、コメディーだ、に注目しがちなんだけど、この作品ってそんなもの全部取っ払った所に真の面白さがあるんじゃないか。

何せ、この目の前にいるスペシャルアクターズの方々は、このプロジェクトが終わったとしてもずっと本当の意味での「スペシャルアクターズ」なんだから、もはや終わる事がないのだ。だから僕らは何度も観てしまうのだろうな。

そんな思いが頭の中をふっと、よぎって帰り際に4人に、以下のように伝えた。

 

「この"スペシャルアクターズ"という本当に素晴らしい映画に出会えて良かったです。映画は伏線回収が大事だってよくいわれるんだけど、実はそれが重要ではなくて、自分にとっては皆さん一人一人もう全てのキャストがこの映画の伏線であると思っています。だからスペシャルアクターズは終わらない。今後も皆さんの物語はずっと続いていくものと思っていて、それを見届けたい。今日はそれを伝えにここに来ました。」と。

 

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そういえば、本当の伏線は物語ではなく全てのキャストの未来にあるとのだ、確か『恋する小説家』イベントの時、こう結論づけた。

「『スペシャルアクターズ』も『恋する小説家』も、それを含めたあらゆる素晴らしい映画作品は、1度や2度観ただけでは終わる事はない。3度観た時にこそようやくその物語は見た者の心に芽吹き始める。そこからが本当のスタートだ。だから、決して席を立ってはいけない。良い映画は、三度始まるのだから。」  

 でも、3度だけで、この映画の始まりは完結しないだろう、と帰りの新幹線の中でハッキリと実感した。

 さて、一体何度始まるのだろう?

それを確かめにまたロサに行こう、月末にでも。

 

4. 付記〜町はメリークリスマス

ふとこのブログの本編を書き終えた12/11、ディズニーストア2階辺り付近の階段にて、午前中にチケット購入の際に手すりに置いておいたこの誰かの落とし物であろう、とってもクリスマスな手袋のことを思い出した。

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で、その約8時間後、コメンタリー上映会が終わって渋谷HUMAXから出ようとしたその時、やっぱりこの手袋は残ってて、拾い主はとうとう現れなかったのだなぁ、という事も同時に思い出す。

クリスマスに近いこの時期、、、といえば、そう言えばこの日12月8日って元The BeatlesメンバーのJonn Lennon(1940-1980)がファンと名乗る謎の男チャーリー・チャップマンによって銃で撃たれた日ではないか?と言うことも重ねて思い出す。多分この日は、クリスマス以外で、世界で最も『 Happy Christmas (War is Over)』がラジオやテレビなんかでかかる日ではなかろうか、知らんけど。 

*15 

 

この歌のこの一節を聞いて思ったんだけどつくづくJohn LennonのChristmas観って上田慎一郎監督による『スペシャルアクターズ』観と似ているのではないか、とふと思った。

 

And so this is Christmas
I hope you had fun
The near and the dear ones
The old and the young

 

そして今日はクリスマス
楽しんでくれるといいな
身近な人も、親愛なる人も
お年寄りも、若者も

 

And so this is Christmas (War is over)
For weak and for strong (If you want it)
For rich and the poor ones (War is over)
The road is so long (Now)

 

そして今日はクリスマス(戦争は終わる)
弱者も強者も(あなたが望めば)
金持ちも貧乏人も(戦争は終わる)
遠い道のりだけど(今すぐに)

(『 Happy Christmas (War is Over)』より一部引用)

 

上田監督映画の根底になるのはほんとこれに尽きると思う。正に「老若男女問わず、楽しんでくれるといいな」というエンターテイメントの真髄だ。つくづく子供の時に体感したクリスマスのワクワク感ってスペアクに似ている。エンディングが終わってロビーに出たらスペシャルアクターズが待っているあの感じも、正にパーティが終わって朝目覚めたらサンタクロースがプレゼントを届けてくれるようなあの喜びに近いのかも。あれ、そういやクリスマス・ツリーってガゼウスポッドに似てるよね???などなど....と考えてたらキリがないのでこの11825文字の本記事を、この『 Happy Christmas (War is Over)』のMVで締め括ろう、っと。

 


John Lennon - Happy Christmas (War is Over)

 

 

 

 

*1:巷で噂の入浴剤、これ3錠ほど浴槽に入れて風呂入ったらほんとによく寝れるんだよ。

*2:ま、解読しづらい文字のためなんて書いてるか読めないものも多数なんだけどさ

*3:ちなみにエキストラで出演されてるフォロワー様(ひげの吉田様)によると演出助手は木村綾菜さん、監督/プロデューサーは橋立聖史さんという。(細かい)

*4:実はチケットは池袋に行く前に渋谷に最初によって買っておいたのだ。だって4thシャワー中にソールドとかなったらシャレにならんからね(^^;

*5:映画泥棒って何パターンかあるよねって話だった。今回は旧バージョン。女性がいるバージョンもあったらしいけど観たことないね。

*6:チャーハンなのかと言う意見もあったなこの時、でもまぁピラフの方がしっくりくるな個人的に。

*7:この考察ってたまにtweetしてるけど、結構出演者のリアクションがあるんだよね。真実は如何に。

*8:ここは実は理奈さん発言かと思ってそうツイートなどしてたんだが、櫻井氏本人より「富士山発言は私です」とのリプライ頂いてここに記すw

*9:でのこの「アシモ類似説」これってでも出所はスペアク絵のコレクションブック見てわかったが、ある人のイラスト発端なんだよね。

*10:上田監督はその時「言えばなんとか貰えるよ」とあっさり返していた、、、

*11:他にも色々とコメントがあって、取り留めないのでここに記すが、服飾や建物関連でいくと❶数人の「SOBA」Tシャツにはこだわりがあったという。❷更に弟・宏樹の革ジャンは完全に私物だと。上田監督「どんな修羅場を潜り抜けたらあんなボロボロの状態になるのか?(笑)」。

❸津川祐未のTシャツに999の数字があるのはレスキューに因んでわざわざ揃えたのではなく、全くの偶然だと。❹あの近辺の建物がガゼウスのような三角形なのも完全に偶然だと言う。

*12:どちらともなく、といえば一応櫻井麻七と津上理奈とでコメント分けてはいるが、入れ替わってるかかもしれん。ハスキーな声が前者で、若干高いのが後者だが、後ろで聞いてたし若干間違ってる場合はご容赦を、てかコメントかリプでも送ってくださいw

*13:とか言いつつ結局サインも写真もバッチリもらっている件w

*14:原野さんってそういや福岡出身だったんよね、お土産で差し上げたネジチョコご存じだったかしらん

*15:更に人生最愛の映画『リリイシュシュのすべて』におけるカリスマアーティスト、リリイ・シュシュの誕生日という記念すべき日でもある。