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インディーズ精神が世界を変える!『#温泉シャーク』(井上森人監督) ネタバレなしレビュー♨︎🦈!

インディーズ精神が世界を変える!『#温泉シャーク』(井上森人監督) ネタバレなしレビュー♨︎🦈!


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本作、界隈で話題にはなってるのを知ってたが、8月2日テアトル梅田にてようやく鑑賞。

もうハッキリ言って凄かった。
どれぐらい凄いかって「中華そば頼んだら麺とスープが無くなったからってんでウニとイクラと鮑と鮪とキャビアが乗っかった海鮮丼がドーンときた。」ような唐突な展開予測不能さ。

(なんのこっちゃw)

これを「アバンギャルドB級映画」として片付けるのは簡単だがインディー精神をここまで極めると迷いなき金字塔が完成するのだ。

もう内容云々よりそういうアティテュードに惹かれる♨️

敢えて本記事ではストーリーの詳細には触れないが公式HPからストーリーは以下のようなものである。

S県暑海市では 温泉客がこつぜんと姿を消す連続失踪事件が発生していた
しかも被害者はその後
海でサメに襲われた遺体として発見されるのであった
捜査に乗り出した察署長は 古代から蘇った猛なサメが暑海各地の温泉を行き来し
人々を襲っている事実を突き止めるのだが・・・
戦いは温泉地VS凶暴サメに!

 それを象徴するのがエンドロールの話だ。その中で本作はクラウドファンディングを通して制作しているのだが、そのクラファンに参加している人の膨大な数にはほんとに驚いた。
かくいう私もクラファンなるものに参加した経験あるからわかるんだけど、普通だったら参加者合計してエンドクレジット10行位で終わるところが、本作では50行ぐらい物凄い数のXアカウントらしき名が羅列してるのである。

それもそのはず、HPにおいてクラファンについての達成率が半端ないのだから。ここで引用してみる。hotspringshark.com

SNSで話題をさらった怪作がついに全国劇場で公開 2023年に実施したクラウドファンディングでは
開始からわずが5時間で目標金額100万円を達成!
最終的には、1278人の支援者と
1支援ごとにサメが増えるプランで432匹が登場決定 全国自主怪獣映画選手権2連覇の鬼才・井上森人監替が
特撮と温泉とサメの大群で
日本から世界のサメ映画界に殴り込みをかける

こうした事実からこの映画はかなりの人々の協力と熱意を持って制作されたのがわかるし、本作のところどころに垣間見える熱量の濃さの理由もわかる気がする。
もうそこに感動する🦈

 イタリアの有名すぎる前衛画家、パブロ・ピカソ「熱狂的状況は作り出せる」というようなことを言ったらしいが、正にその名言を彷彿とさせるし、そうした意図のもと製作されたのだろうという事は想像に難くない。

少し話は脱線するがこのようなインディーズ精神に関してもうちょっと定義したい。過去記事(『ポスト・サブカルのゆくえ〜バーペガ「神会黙契(しんかいもくけい)」が示唆するエンタメの未来』)で群像ピカタというバンドの『No.9』という曲の一節とキング牧師の名言とを組み合わせて定義している。

 

nenometal.hatenablog.com

以下の引用をみよう。

この曲を象徴する以下のフレーズとの邂逅を見る。
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アンダーグラウンド
ぐつぐつ煮えたがっている oh oh oh
地中からのアッパーカット
下からぐらつかせてうなづかす
ー『No.9』群像ピカタ

 そして第1章の冒頭に立ち返ろう。かつて1960年代にワシントン大行進や公民権運動などで人種差別撤廃に多大なる貢献をしたMartin Luther King, Jr.(キング牧師1929~1968)はこのように言った。

Almost always, the creative dedicated minority has made the world better.
常に世界を変えてきたのは創造的で直向きな少数派だ。

そしてこの言葉は8割方は彼を奮い立たせるものであって彼の業績の象徴となったが残りの2割程度は不運にも志半ばのものとなった。なぜならキング牧師は38歳の時、テロリストの放つ銃声と共に非業の死を遂げたからである。しかしここで残されたスプリチュアルな言葉は生き続け「言霊」となり、今もなお多くの人の心に訴えかけ続けている。ここで音楽文脈に当てはめていくと生きるか死ぬかのライブハウスという戦場で世界を変える為の革命者たちはいつも「Minority」である。ビートルズだってオアシスだってグリーンデイだって最初のステージは小さなライブハウスで恐らく100人もいなかったのではないかというのは想像に難くない。だが確実にその日から世界は変わったのだと思う。そして、大事なのはそういう事をはっきり意識してそれを実行できる音楽家はごくごく一部に限られるのだ。

 

そう、正にこの『温泉シャーク』の本質はここだと思う。正にダーグランドから煮えたってぐつぐつ突き上がってくるパワーがこの作品にはあるのだ。そんなグツグツ煮え立つマグマのような温泉の源から突き上がってくるものの象徴としてのサメが淘汰されたのだろう。だから温泉♨︎」と「シャーク🦈」が組み合わさってこのようなパワーある作品が産声を上げたというのも偶然ではなく必然だと言えるのではないだろうか。あと同じような場面・場面で垣間見える確信犯的なギャグのかまし方として類似していると感じる作品としては小野峻志監督『野球どアホウ未亡人』が好きな人は『温泉シャーク』好きだろうな〜とも思ったり。

ついでに軽く『野球どアホウ未亡人』も触れておけば野球映画と言っておきながらほぼ野球の定義というよりもメチャクチャな根性論だったり和田ラジヲ的なシュールな笑要素もふんだんに盛り込まれている未だはっきりと定義できない(それが狙いなのだろうが)異色の怪作である。その文脈で言えばタレントの関根勤あたりどっちの作品も好きそうな気がする。

多分あの人観たら笑いながら「くだらね〜w」とか涙目浮かべつつ言いつつ喜ぶのが容易に想像できる。もちろん彼にとっての「くだらねえ」は最高の褒め言葉だろうから。

いずれにしてもこの二作はそういうコアな所でシンクロするからだ。


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あともう一つの衝撃はこの映画のテーマ曲で、エンドロールと共に流れる壮大すぎるメタルシンフォニーなプログレ曲を聴いて今までの映画本編へのツッコミどころが全部ぶっ飛んで否応なしに感動してしまった。ある意味ひっくるめられる感があったのかも。Storytellingsというユニット(?)の『灼熱の戦歌』という曲である。


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いやいや、これがエンドリールでかかってこの暴力的なまでの感動の説得性に納得せざるをえなかった。
そして、そういう姿勢はパンフレットの細かいところにまで及んでいたりもするのだから2200円とやや高めなのだがぜひ手に取って読んでいただきたく思う。

個人的にはラスト付近の広告ページの抜け目のなさにハッとしたものだ。
本当に凄まじい映画だ。
今後も本作はインディーズ映画がインディーズ精神をこれでもかと極めた金字塔的作品として君臨するだろう。もしかして続編などもあるかもしれないけど...ととある場面見て思ったかな。

とにかく心して観よ、そして震えて刮目せよ!!!!!

あと例のカードの裏、「マッチョ」さんだった。ある意味「当たり」なのかもしれない。