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昭和の質感そのままに、令和風にアップデートされ帰ってきたウルトラマン〜「#シンウルトラマン」速報ネタバレレビュー

昭和の質感そのままに、令和風にアップデートされて "帰ってきた" ウルトラマン〜「#シンウルトラマン」速報レビュー



1.inspiration
冒頭10分ほどで、邦画界、こと日本アカデミー賞界隈やテレビでよく見る「いつメン」のキャスト陣がまるで洋画の吹替のような説明的かつ無機質なセリフ回しを連発してるのを見て察した。これまで私が身構えるように用意していた「人間ドラマにおけるリアリティ」だとか「この時代に敢えてこの昭和のヒーローをスクリーンに投下したことへの符号性」だの鎧兜はかなぐり捨てよう、と強く思った。なーんにも考えずに、もはやこれはそう言った種のものとは無縁のいわゆる何の澱みのない一大エンターテイメントとして観る方向へと気持ちをスッとシフトチェンジすると、もう俄然面白くなった。
現に二回目だし。あとちょっと思ったのは私は個人的にウルトラマンはおろか特撮というジャンルに何の思い入れもないので細かいディテールが再現されてとかは薄々そういうものかなってことに気づくぐらいなのでTwitter界隈の連中の中でも特に特撮マニアが割と躍起になってあのシーンをああいう風に再構築したのが冒涜だ何だ言ってるのが面白くて仕方なかった。まぁどうでも良いというか。むしろウルトラマンというコンテンツ自体が仮面ライダーだ、戦隊モノだの他のヒーローものよりも落ちぶれている印象すらあって、それを庵野監督によってうまいこと発掘されたみたいなイメージがあったから物凄区思い切ったリメイクを期待していたのだ。それより何より、私が子どもの頃から知っている、あの心躍らせて観た特撮ヒーローの感触そのままにあのウルトラマンが帰ってきた事を純粋に喜びたいと思った。

shin-ultraman.jp

まぁこの現象を昭和の質感そのままに、令和風にアップデートされて“帰ってきたウルトラマン“」とでも定義しようか。てか続編がもしあればタイトルは『帰ってきたシン・ウルトラマン』ってことになるのだろうか?


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2.constitution
本作は大きく分けて「3-part」に分類されると思う。
part1はそれこそTVシリーズで観たような敵と戦う往年のウルトラマンを忠実に再現した昭和からの古参のファンを喜ばせる為の忠実再現リメイクバージョン。

part2はメフィラス星人とのあのどこか海外のアメコミを彷彿とさせるやりとりだとか、昭和時代は怪獣ライバルの一部に過ぎなかったあの「ゼットン」の造形における新たな解釈に見られる令和以降を感じさせ、エヴァ以降の日本のアニメの動向を彷彿とさせるニューバージョン。

 そしてクライマックスからエンディングにかけてはpart1におけるノスタルジーバージョンと2に顕著な新たなイノベーションとを無血結合して総合化を測ることでオリジナリティを全面に打ち立てたpart3という合計三部構成。

 と、非常にザックリとしているが古参から新規に至るまでどこからでも入り込めるように作られた意図を凄く感じたのも事実。その点ではこないだのスパイダーマン新作が「ファンであればあるほど本作を享受できますよ」とでも言いたげな新規完全排除の巨大蛸壺(たこつぼ)構造だったのに対して、まあ本作における風通しの良さはなんと心地の良いものかと個人的に思う。
とはいえ、まぁ、今後も「シン・仮面ライダー」の公開を控えてるし、本作も既に続編の噂もちらほらあるしで、いずれマーベルのようなああいう【庵野特撮マルチバース構造】を打ち立てるつもりなのかもしれないけど、てか既にマルチバース化示唆するセリフもあったしな、という話は置いといて。
とにかく世間では「マニア受け」「往年ファン向け」などの意見がやたら強調されてるけれど私にはもっと現代風アレンジの側面をも色濃く感じられたし、それがとても好感触・好感度だった。

で、二回目を観た感想としては
❶演劇っぽい
②地方都市で避難するケースが多いのは予算のせいか
長澤まさみの飛ばされ方どうにかならんかったか
早見あかりの「こぉんかいはウルトラマンは来ないのかなぁ〜〜〜」の言い方ね
❺最後と最後から2番目の敵の造形の美しさは異常。ネタバレ案件なのでグッズ化できんのが悔やまれ。


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3.focalization
あと本作のMVPとして長澤まさみに関して触れねばならないと思う。

今まで邦画において、この女優・長澤まさみ によく付与されるような「仕事がデキるサバサバした女」と言う役柄に少なからず違和感があった。
だが、今回も悉くそう言う印象を持って正直不安というか食傷気味な感じを受ける恐れがあったがそのキャラが更に開き直ってエクストリーム化したのが好印象だった。誰かもTwitterで言ってたが「シン・ナガサワマサミ」という意見は言い得て妙でひどく納得してしまった。
 実際にウルトラマン級にどデカくなったし(笑)
本作は長澤が長澤を極めた作品としても語り継がれるかもしれない。

あと予防線張って言っておきますけど彼女の演技に関してセクハラ描写があると言う意見があるんだけれども全くそれはございません笑。そういう描写は皆無。
だからツイフェミ傾向の方も安心してご覧いただけます笑笑

いずれにせよ、個人的にはここ最近ずっと思索をめぐらし、伏線はどうだ、リアリティはどうだ、カタルシスはあるのかなどなどシリアス目な作品に触れることが多かったのでここまでスッキリとした気分でスクリーンにダイブできた作品に出会えて新鮮だったのも事実。
映画って本来こういうものであるべきなんだとか原点回帰できたような作品だった、と断言して良い。
繰り返しになるが頭すっからかんにしてあのイノセントな子供の頃に立ち返りながら、或いは子供の方は、その感性のままでままでたら良いのではないのかなと僭越ながら提案したいと思う

【付記】
てかなんで本作上映前、グッズ売り場で見ず知らずの親子(父親と小学生ぐらいの子供)わしに「カラータイマーのあるフィギュアの有無」を私に聞いたんだろう笑
もう「い、いえ(笑)ここのスタッフじゃありません。」言うのも面倒なんで、なりすまして「今回のはカラータイマーついてないんですよ👽」と自信満々に言っといたが(笑)