0. コロナ禍におけるライブ事情あれこれ
ここ最近のコロナウイルスによるライブイベントが軒並み中止になったり、マスコミにおけるライブハウスバッシングがもう目に余るほど凄まじいことになっている。別にコロナウィルス自体はライブハウス自体から発症しているわけではなく、たまたまコロナを発症している人がライブハウスにいた事に原因があって、そう言う人が野放し状態になってしまっているシステム自体に問題があるのだ。それをあたかもライブハウス自体に非があるかのようにここまで攻めるのはいささか問題はあるのは自明なんだけど、でもこれがマスコミのバッシングの矛先の向ける常套手段なんだろうという事も明るみになってくる。*1
こういう事実を目の当たりにするにつけ、ライブハウスって結構マイナーだったんだなという事実を改めて知る。
困窮するエンターテインメント業界に対する「一般人」の冷ややかな視線は、もともと彼らが「客」ではなかったことの証。所詮、日本は年に映画館に行くのが0回か1回か2回の人がほとんどの国。この機会に、これまで業界はその視線を気にしすぎた、その声に耳を傾けすぎたことを反省するべきかもしれない
そういや、何となく色んなLIVEイベントなんかに行ってると、ライブハウスって何か音楽とかLIVEとかに全く興味のない人からすると少し異様な雰囲気がするだろうなと今更気づく。
だって思い出してみよう。チケット持って整番でライブハウス外で並んでいる時にたまたま通りかかってこちらを見るときのあの好奇心に満ちた顔を(笑)。
決まってそういう時は学生っぽいカップルだったり、会社帰りのサラリーマン風の複数だったりするのだが(で大体客に「誰ですか?」って尋ねてくるのが外国人だったりするのは何故だ笑)、
そのプロセスを説明すると、
❶ ちょっと長蛇の列に驚いて客層をさぁっと眺めまわす
❷ 看板にある演者の名前が書かれた黒板なりの看板を見る
❸ A「誰?」B「さぁ??」みたいな会話が繰り広げられる
こんな光景に出くわすことはないだろうか?
そこで毎回思うのがライブハウスってそれほどメジャーじゃないのね、って事だ。
という全く本文にほぼ関係ない前置きは置いといて、コロナ禍以後、もうここ数ヶ月間以上にも及んで色々な配信ライブや配信イベントの類が行われてきたものだ。本記事では、その中でももはやtwitter界隈でオフィシャルコメンテーターだと思われているんじゃないかってくらいレビュー・ツイートしまくっている「Gahornz Creation Mobile(GCM動画日記)」についてその魅力を述べていきたいと考えている。
1. Gahornz Creation Mobileとは?
にしても、最近コロナ騒動を受けて様々な音楽LIVEの分野では、有料・無料問わず配信ライブが企画されてきた模様。これはAnly, Who the Bitch, AmamiyaMaako, Hallcaなど定期的な配信を含めたミュージシャンたちのみならず、映画界でも本ブログでよく触れている上田慎一郎監督も『リモートを止めるな!』という『カメラを止めるな!』のスピンオフ的なリモート映画を撮影公開していたり、『みぽりん』を監督している松本大樹監督も『はるかのとびら』というスピンオフというよりもあの作品の全キャストを使って、もはや別作品とでも定義できるよう素晴らしい作品を配信している。*2
そして、今回個人的に最もハマってるのが今回のテーマであるネットドラマで、基本的には役者5人(最終的には7名)を中心に各々がリモートで撮り合った動画をかき集め、一つの作品として編集してほぼ毎日10~20分ぐらいのドラマとして更新したもの。これは、朝川優さんという俳優が自ら主催しているGahornz(ガホーンズ)という演劇を中心としたエンターテイメント・プロジェクトが企画している動画ドラマ、それが、Gahornz Creation Mobile(以下、GCM動画日記)である。
ここで強調しておきたいのが数ある動画ドラマの中で、先に述べた上田慎一郎や松本大樹監督らよもずっとさらに早い時期に、緊急事態宣言の後の間もない4月11日というコロナ禍で作られたリモート作品では日本、いや世界最速なのではないかと断言しても過言ではない。これが毎回怒涛の展開でペースが早い時で4月11日の開始以降、早い時で1日一回というハイペースな更新がなされていることもあったほどだから物凄いペースである。*3
これは今現在配信されているCase3に至るまで全ストーリーを観て全てツイートしまくってる私がいうのだから間違いない。だからはっきり言っておくと、今様々な分野でリモート動画が公開されているが既に4月11日からスタートしたという意味では GCM動画日記 が紛れもなくパイオニアであると断言しても良い。
しかも中でも最初のエピソードであるCase1は、ある5人兄妹をめぐって本当の人との繋がりとは何かを奇才朝川優によってリアルに紡ぎ出された全十話の2時間近くの大作となっているのだ。
そして幾多のリモート作品と一線を画している点として、割と他の作品はコロナ禍を意識した(と言うより必然的にそうなってしまうよね。)設定が多いのに対し、その種の空気を一切感じさせず純粋にストーリーに没頭できる点が挙げられよう。
以下のHPがその『GCM動画日記』の企画から演出指示から動画編集から出演までありとあらゆる方面でマルチな才能を発揮している朝川優氏のホームページである。
1-1. Case1:五人兄弟の話(前半)
その中でも今回の記事では記念すべき第一回目を飾ったエピソード1であるCase(1) を紹介したい。
そこで出てくる七人の登場人物を紹介しよう。
【5人兄妹】
鈴木健介(34)...長男。愛称はけん兄。舞台で照明の仕事をしている。
清水麗(30)...スナックで働いている長女。別名「マチルダ」。*4
前田早苗(28)...銀行に勤務している。音楽好きらしく、バンド、メメタァのファン。
江藤環(25)...化粧品会社に勤務している。姉妹の中で最も年下ながらもしっかりしている。
山口雄太(20)...現役大学生としてお年玉をもらう位、最も若い、年下の末っ子。
サンライズ太陽...Rockバンド、メメタァのドラマーとして本人役で出演している。
穂坂さえずり...探偵。清水麗の働くスナックの常連。ポッキーゲームにこだわる。
という最大7 人のメンバーから構成される。
という事で本記事では全10エピソード(#1~#10という風に表記されているからここでもそれに準じる事にする。)を当時のツイートや全体を見た後の感想をも踏まえたコメントも混ぜてストーリーの中核となるネタは伏せてレビューしていく事にしよう。
#1 ;1月1日
4月11日から始まったリモートドラマだけど、最初の映像から既にドンピシャでございました。岩井俊二監督作の好きな私からすると、スクリーン上で文字がカチャカチャ形成される箇所が『リリイシュシュのすべて』を彷彿とし、さらに兄妹役の役者5人が公開している動画の演技の映像が時折ブツッと切り替わる所とか『花とアリス』『リップヴァンウィンクルの花嫁』をそれぞれ彷彿とさせてもうそういう映像の質感がとてもツボだったのだ。
当初公表された限りのストーリーのプロットをざっというと...
「養護施設で子ども時代を過ごした5人の男女。時は経ち、そてぞれ、社会人や大学生として各々の人生を歩み出していた。そんなある日、彼らは「動画日記」で近況を報告する事に...」
という前提があるのだが、私は当時のSNSで【密になれない世の中の密な絆の物語】と定義した。でもそれは「ある意味で当たりであり、別の意味では良い意味で予想が裏切られてた」と言おうか。
...まぁここまで書くと、一見平穏無事に思える5兄弟のヒューマンドラマとでも定義しても良いように思える内容なのだが、今思えばこの第一回目で既にそんな手加減感は皆無でもはや第一回目から既に不穏な空気が漂っていたと思う。
この回はその「日常の平穏」から「波乱の幕開け」に至る過程への布石の部分を確認していただきたい。
#2; 1月2日
「マチルダさん」とは清水麗の職場であるスナックのニックネームなんだろう。実は全編通してみたけどこのニックネームはある人物も共有していて、その人物がいう「マチルダちゃん」というニュアンスと健介のいう「マチルダ」のニュアンスが全く正反対なのが興味深い。あと山口雄太が正月における大学の休みを春休みと冬休みとを言い間違える場面にふとハッとしてしまう。*5
この名前はこのドラマで1回目に抱いていた印象から既に二話目から波乱の予感があったが、ここでも二重のパンチを喰らわす。それは後半も後半、この5兄妹の中で唯一こういう種の動画更新など怠りなくしっかりやってそうな(笑)銀行 勤務の前田早苗がなんとなんと動画の更新をしなかったのだ!この不在感のもたらすインパクト。
その謎を嘯くように被さって行くように主題歌『東京スカイツリー』のイントロダクション。
見た当時、これはタダものでない展開に導かれる予感がした。
ある意味その予感は大当たりだった訳だが。
#3; 1月3日
動画日記上の3日目。2日目、いや、前述した通り、1日目あたりから既に何と無くの予感はしてたんだけどこの全員仲の良さげな5兄妹の精神的な各々のバイオリズムに微妙な「ズレ」が生じていくのを感じる。その象徴が#2の時に泥酔状態だった清水麗が二日酔いで何と無く健介にダメ出ししている不機嫌バージョンなのに対して、逆にこの日の江藤環が酩酊状態でどこか良い意味で感傷に浸っていたりとかとにかく兄妹の精神状態がチグハグなのだ。
そして最後の最後に再び出てきた前田早苗が一人で抱え込んでいた独白の部分。
夜中になる不在着信音の謎。不眠。
昨日の続きか、新たな今日か、どれでもない何かが始まるのか。
この辺りから完全にこの動画日記にどハマっている自分に気づいた。
#4;1月4日
1月4日、4日目。5兄妹の中で今現在最もシリアスな状況にいる前田早苗の動画からスタートする。そして今考えれば清水健介の言う「あいつ」、清水麗の言う「気象予報士」という言葉にその後の展開に関して意味深なニュアンスが感じられる。それにしてもこの日は、前々日から示唆されていたが各々が抱え込む感情が不協和音を立てつつ錯綜していく今日の展開は【兄妹による動画フォーマットドラマ】の枠を超え、最高潮にスリリングなエピソードだったと言えよう。
今回、主題歌を担当しているメメタァのドラマー・サンライズ太陽氏が新たに出演されているのだが、注目したのはその役柄が全くそのまんまである点。彼が出演したことによって彼らの主題歌『東京スカイツリー』の挿入されるタイミングが、今後のストーリー展開に影響するようになってきたように感じられた。
#5;1月5日
1月5、5日目。動画撮影中の早苗の元に突然鳴り出した2度もの携帯電話の音に思わずビクっとする。そしてようやく再びけたたましく鳴る着信音の所在が早苗が度々口にしている「まっちゃん」という男(というか彼氏?)の名前とがもしかして繋がっているのではないかという点に意識が集中する。この回は今思えば、これまで示唆されてきた黒い影の正体が徐々に足を忍ばせつつあるサスペンスのような展開にゾクゾクしたものだ。そしてそのサスペンシャルな色合いに追い討ちをかけるかのようにこの日、「探偵」と言う名の職業の男が現れるのである。そう、これが物語のキーを握るその名も穂坂さえずりである。
まさかこの日「マスカキ」連発するこの男が今後のストーリーの鍵を握る重要人物になるとは予想だにしていなかった訳だけど...。
#6;1月6日
7人の役者による即興ドラマ、6日目。
今日も今日とて衝撃の事実が幾重にも積み重なり、兄妹の感情の振れ幅の差が最大級に達する混沌的展開に震撼する。5年前と今日とを結ぶある人物との接点。
それにしても清水麗が示唆する【あの人】とは一体誰なんだろうか?
そして早苗による動画日記撮影中に突然鳴り出すチャイムにまたもや視聴者である私もビクッとする。
そして、そして、最大限に疑問なのが「五人の中で絶対ここにいないだろうな。」と思わせるような山口雄太を包むあの妙なタイムラグどころか幾分時間が経過しているように感じてしまうあの空気感..............ま、、、まさか!!!!!そういう事なのか、いや嘘であって欲しい。
でもなんとなくここで断定できることは、彼は過去にいながら現在とをリンクしている唯一のタイムトラベラー的な存在であると言う事実。(まぁはっきりとこれがどう言うことなのか、言えんのがもどかしいが、これは言ってはいかんなので、是非内容をご覧ください...笑)
あと、余談だけど、この動画を視聴している時にこの動画を鑑賞中、普段鳴りもしない自分の携帯のメール着信音が何度も鳴って思わずぎくっとした事があった。
これは当然のことながら偶然の産物なのだが、最早我々視聴者もあたかも本作品の一部に組み込まれているような錯覚を覚えてしまう...。
1-2. Case1:五人兄弟の話(後半)
#7; 1月13日
7人の役者による即興ドラマ、7日目。ここまで見て来て思ったんだけど5兄妹中、最もエピソードにせよ言葉にせよ、ブレを感じさせないのが一番下の妹、江頭環の存在である。
彼女はエピソード中何よりも動画日記を安定した形で更新してきたし、この中で最も一貫して「いつか兄妹全員で会いたい。」という意思を発信してきたように思う。その意味では彼女が最も安定した精神安定剤的な存在であり、年下ながらもいわば長女的な役割があるのかも知れない。あるカルト的人物に再び助けを求めようとして再びドツボにハマりそうになった姉を1日かけてサクッと救い出したし(笑)。
いずれにせよ、今回、最も重要な事は、彼ら兄弟が知っていて、我々がこれまでハッキリと知り得なかったあの衝撃の事実を叩きつけられたのだった。今まで散りばめられてきた違和感という名の伏線が徐々にその歪(いびつ)な正体を表してきた!*7
ちなみに#7では、早苗によってメメタァの主題歌『東京スカイツリー』とは別にもう一つの彼らの楽曲である『インスタントソング』がある意味今後のもう一つの主題歌的なニュアンスで登場しそうな予感がした。
#8;2月27日
前回あの、パンドラの箱が開けられ、ようやく兄妹と同じ目線に立てたからこそクリアになった風景がある。これ以降今までのエピソード#1~7全ての意味が変わってくるし、更に初日からわだかまりの如く残っているあの謎とが共存しつつの嵐の前の静けさのような8日目である。
そして清水麗の涙ながらの告白は非常に重かった。これは別に雄太の状況に関するそれだけではなく、5人兄弟が未だに5年前にあの事件が起こったあの時の心情から変わっていないのではないかというこの事実がひたすらに重かった。
そして江頭環による鈴木健介が彼女に伝えた「貧乏旅行」という言葉のニュアンスのぼやかしっぷりの胡散臭さが半端ない。*8 今思えばこの貧乏旅行が成功するか否かで、5兄妹が本当の家族として今後も存在し得ることができるのか、と言う重要な意味合いが孕んでいることが分かる。
もう泣いても笑っても、いよいよ話は#9という動画日記Case1の最大のクライマックスへと突入する!!
#9;5月5日
「これで....全部終わり」
「動画日記」の「ナレーションもなく唐突に鈴木健介の疲労困憊ながらも解き放たれた表情から放たれたこのこの言葉から#9は幕を明ける。そして同時に健介が自分の誕生日の存在に気づいたのは山口雄太の5年の時を経てのお祝い動画の存在だった、という何とも言えない事実。*9
そして「オレや、麗、早苗、血は繋がってないですけど、あなたよりも、あなたよりも、しっかり繋がった家族がいます。雄太は最後は最期まで幸せな人生を歩んできました。」もうそう言う風にポジティブな内容のことを言っときながらも、ズダボロに泣きながら告白する健介。
そしてその後、その涙もようやく晴れ上がり、「誰と思ってるんですか?健兄ですよ!」と破顔の笑顔で語りかける彼の表情はとても無邪気で若々しい。そう、まるではにかみ笑いながら動画日記を撮り続けていたたあの雄太と本当にそっくりってくらい晴れやかな笑顔だ。
本当に彼らは兄弟なんだな、確かに血は繋がっていないかもしれないけれどそっくりな笑顔だ。
まさにこの五人が本当の兄妹になったのだと気付かされた瞬間。
「これで....全部終わり」
もうこれで全てやる事はやったのだ。もうあとは5人兄妹は本当に血の繋がりがあるのかとかどうとかは全く問題にならないくらい、5人は、真の意味での家族となったのだ。
そう言うこれまで迷いの海の中を漂いつつ過ごしてきたあの悲劇以降の5年間からの解放。
それが全て終わったのだった。
もうこれが5人兄妹各々が撮った演技の動画を繋ぎ合わせ編集した最長20分×8日分の日々の作品の集積がここまで震撼させ、驚愕させ、胸締め付けられるものになろうとは予測していなかった。朝川優、恐るべし...
#10;9月27日
7人の役者による即興ドラマも最終回である。2022年9月26日と27日の5兄妹の、これまで史上最高に、晴れやかな表情の清水麗、前田早苗、江藤環、鈴木健介.......................そして山口雄太の笑顔。
もうこの日はもう私はひたすら彼らに拍手を送りたかった。
#9で述べてきたように、これまでの5年にもわたる長い長いそれぞれの心の中にあった蟠りにようやく光が差し込んでくるような感覚を覚えたからだ。
それにしても、この最終回では挿入歌であるメメタァの『インスタントソング』の【明日も今日と同じように続けることができたなら それが全てだ】というフレーズが心の奥底にズバズバと突き刺さる。これは別に彼ら5兄妹に対するフレーズのみにとどまらず、今、コロナで日常生活のありとあらゆるものがコントロールされ尽くして、解放的な世界を希求してやまない今現在の我々にとってもとてもとてもシリアスに響く。
本曲の歌詞と物語とのリンクに関しては、#1~#2辺りぐらいまでは、「ああ、エンディングにかかる曲なのね。」ぐらいの認識程度で、それほど気に留めるほどではなかったのだが、とある登場人物の心象風景を示唆している事に気付いて以来、俄然あの印象的なイントロが鳴り始めてからはいい意味での鳥肌が立つようになっってきた。というのもこの主題歌の流れるタイミングが絶妙で、エンディングというパターンもあれば不意に中間地点だったり、序盤だったりといつ出てくるかも知れん緊張感が含まれているのだ。*10
メメタァ - 東京スカイツリー【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
ドラマの内容云々は抜きにしてこの曲の私的第一印象は久々に初期衝動に満ちたロックを聴いた、という感想だった。別にロックとはギターがガンガン鳴ってるとかシャウトだとかそういう次元の話ではなく、自分の身勝手な理想ばかり突きつけてくる大人達への静かな怒りに満ちた怒りに満ち溢れている。こういう僕らが忘れてしまったリビドーが満ち溢れている曲は本当久しぶりだ。
更に#7で早苗が彼らのリリースイベントライブに行ったという設定で「この曲を聴くと5年前の気持ちに立ち返る。」という『インスタントソング』の存在も欠かせまい。
メメタァ - インスタントソング【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
先ほど触れたように【明日も今日と同じように続けることができたなら それが全てだ】というフレーズは5兄弟の文脈に置き換えてもある意味では希望でもあると同時に、これはある意味ではとてもヘヴィーなフレイズにも見て取れる。
いずれの曲も、山口雄太の心情のみならず、五人兄弟の心情そのものを投射しているのではないかと思う。もしかしたら偶然なのかも知れないが、いずれにしても物語と楽曲とが、#1~#7へと回を追う毎に共鳴しあってシンクロニシティを形成しているような感覚があった。
3. 拍手という名の花束を
いや、ここまで書いてみて思ったのだがGCM動画日記を論じるとは言っても、まだCase1のみしか書いていない事に気づく。だって既にあの奇想天外な奇譚作品である別名「Gahorn of the Dead」であるCase2の方もとっくに完結しているし、今現在継続中のCase3(これがまた珠玉の傑作なのだ!)ももうすぐ次回で最終回というのに既に10600字を超えているではないか。もうこうなりゃ目には目を歯には歯を、Case1-3にはCase1-3を、だ!!!(なんのこっちゃw)この「コロナ禍配信ラッシュのパイオニア、『GCM動画日記』爆裂レビュー」なる本記事もCase1篇という風に区分けして、さらにCase2, Case3篇へと本記事もシリーズ化してつなげていきたい、と考えている。
とはいえ本記事のまとめ、を一応はしておきたいのが人情だ。
実はCase1が最終回を迎えた次の日あたりだろうか、全出演者へ向けてこういう拍手と花束ツイートを捧げている。
これは皆さん喜んでくれて、中には心強い感想をいただけて嬉しいなどのコメントもいただけた。でも、この拍手と花束の気持ちは、本当に今の自分からすると偽らざる気持ちでこの動画日記の更新は普段関西に在住して東京にある劇場等で東京の舞台役者達の演技をこうしてリアルタイムでライブ感さながら観れるチャンスは滅多にないことから出た素直なものである。
本当にこの配信を毎回まるで舞台を見にいく感覚で楽しむことができている。今回さらに本記事執筆にあたってCase1の気になったエピソードを全て見直したが、本当素晴らしい作品ってのはリモートだろうが、舞台だろうが劇場だろうが、本質が伝わるものだと実感している。それは音楽に関しても同じ。どんなに音響がしょぼくても映像がクリアでなくても伝わるものはフィルターなどぶっ壊してでも伝わっていくのだ。
ちなみに上田慎一郎監督も『リモートを止めるな!』では「次は現場で!」という言葉が最も言いたいこととおうか、最も大切なキーワードだった。
このGahornz creationに関する舞台作品も、いつの日かこの遠隔地であるネットベースでもなく、DVDなどの映像作品でもない「次は現場で!」拝見させていただくつもりである。
今も尚カーテンコールが鳴り止まない。
2度目のカーテンコールの拍手が聞こえるではないか!
そして、もう一度彼らに拍手という名の花束を捧げてこの11212字を優に越えてしまった本ブログ記事に一旦この記事の終止符を打ちたい。
GCM動画日記 Case1:五人兄弟の話
朝川優(as 鈴木健介)
佐河ゆい(as 清水麗)
吉田彩花(as 前田早苗)*11
福永理未(as 江藤環)
斉藤陽葵(as 山口雄太)
井上ほたてひも(as 穂坂さえずり)
サンライズ太陽
皆様、ありがとうございます!!!!!
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To Be Continued...
*1:この序盤の文書いたのって結構前で1ヶ月経過した今も尚全然直してないんだけど、ほぼ状況は変わらないのでこのままにしておく。
*2:この2作品、中でも『はるかのとびら』はいずれ記事にしようかなと考えてるぐらい素晴らしい作品だったな。
*3:長さ的にも『リモートを止めるな!』『はるかのとびら』共々30分ぐらいということを考えるとCase1だけでもトータルで2時間以上ってことだけでもその圧倒的分量による凄みがわかる。
*4:そういえばこのマチルダこと清水麗は次々回作Case3『女の話』でも再登場する。このGCM動画日記はそう言うエピソード間がリンクする点も楽しみの一つだ。
*5:あとお年玉を「臨時収入」という所も地味に気になったが....でもまぁ普通に大学生はそう思うかな。と思いこの脚注に留めとく笑
*6:さらにさらにこの穂坂さえずり演じる井上ほたてひも氏がこの後連綿と続いていく全エピソードに重要な役で登場する事になろうとは予測していなかった笑
*7:その意味では物語の核のようなエピソードが盛り込まれているこの#7ってなんて濃いんだろうなと思ったりして。
*8:で更に更に思うんだが、江頭環はこれが単なる貧乏旅行ってことは鼻っから信じてないんじゃないんじゃないかという気もしてきたよこれは何となくだけど...
*9:冒頭で穂坂さえずりがタイのお土産を渡しに行こうとする件があるがこれって今思えばCase3#5でお土産を貰ったエピソードを清水麗が言っていたことと符号する。この動画はこういうリンキングも楽しい。
*10:朝川氏の週1木曜日の9時から配信しているラジオでこの件をお聞きしたが、やはり物語の展開に合わせてということだったな。
*11:このキャスト書いてて思ったんだけどそもそものきっかけの大元を辿ればこの今回のCase1最重要と言っても良い出演者の吉田彩花さんである。この辺りの記事は次なるCase2篇でも述べていきたいと思っている。